爬虫類として飼育できるトカゲ類は臆病な性格のものが多く、基本的にスキンシップするというより観賞用です。

しかし今回ご紹介するマリトゲオアガマという種類はエサづけもでき、撫でたりすることもできるトカゲです。

マリトゲオアガマの特徴についてご紹介します。

マリトゲオアガマの特徴、性格など

マリトゲオアガマはアフリカのマリ地方に生息するトカゲです。

砂漠、荒野などの乾燥した場所に住み、砂などに横穴を掘りその中に潜ったり出たりして暮らしています。

昼行性で夜は穴の中で砂漠の寒さなどをしのぎます。

野生下でのエサは昆虫、花、葉、果実などです。

植物性の強い雑食性です。

その名の通りトゲトゲした短い尻尾が特徴的で、この尻尾は振り回して武器にするとか巣穴のフタ代わりにするなど、諸説あります。

体長はオスメス共に20cm~30cmです。

体つきはトカゲのわりにぽっちゃりした感じです。

体色は基本、顔や手足は黒っぽく背中が黄色です(オスの方がこの色は濃いとされる)マリトゲオアガマはその体格とは違いおとなしくて攻撃性もあまりないトカゲです。

通常トカゲ類は臆病なのでスキンシップは向かないものが多いのですが、このトカゲに関しては手からエサをあげたり、触ったりすることもできるようになります。

しかし馴れるまでは尻尾を振り回したり、「カー」という威嚇音を出したり、巣穴に逃げ込んだりすることもあるので、焦らずにピンセットなどで餌付けをしましょう。

マリトゲオアガマの購入、価格

トゲオアガマは種類によって数万円~100万円までとかなり高額なものもいますが、マリトゲオアガマは大体3万円ぐらいから購入可能のようです。

流通に関しては人気があり多く出回っているようなので爬虫類専門店などに行けばそれほど出会うことは難しくないでしょう。

しかしマリトゲオガマも含まれているトゲオアガマ属はペットとしての人気などに伴い乱獲などにより野生での数が減っており、絶滅危惧種としてワシントン条約に指定されています。

できる限り信頼できるショップできちんとした過程を経て輸入されている個体を選びましょう。

マリトゲオアガマの寿命、健康

マリトゲオアガマの寿命は10年~20年と長命です。

健康面に関して気をつけるべきなのはその特有の温度環境に関する問題でしょう。

マリトゲオアガマは砂漠という非常に寒暖の激しい環境で暮らしていますので、飼育下でもそれに近い状態を再現することが必要です。

マリトゲオアガマの飼育ケージ内の理想的な平均気温は30℃ぐらいですが、50度以上の光を浴びないと食事を消化できなくなってしまい体長を崩します。

そこでホットスポットというケージの一部を紫外線灯などで強く照らすことが必要です。

また、それに応じて岩や巣穴になる場所を設置し日よけもレイアウトしてあげましょう。

昼と夜の気温差がある方が野性の環境に近く過ごしやすいので、夜は気温を20℃~25℃ぐらいにします。

また湿気が非常に苦手なのでエアコンなどを置いた部屋で湿度管理をしてください。

他に気をつけるべき症状としては副食の昆虫を与えすぎることによる内臓疾患、環境ストレスによる拒食、脱走による事故などです。

またスキンシップが可能といってもトカゲ類は臆病な面もあるのでケージは静かで安心できる場所に置いてあげましょう。

マリトゲオアガマの飼育

マリトゲオアガマは体長30cmを超えるものもいますので、90cm~120cm以上の広めの水槽などで飼育します。

ケージ内には砂漠の環境を再現するため、砂を15cmほど敷きます。

掃除などの面で不便さがあれば赤玉土、トウモロコシの穂を砕いたものなどでも代用できますが、その場合は必ずレンガやブロックで隠れられる場所を設置してください。

他にはエサ入れ、水入れなども置きます。

マリトゲオアガマは野菜から水分を摂取することも多いのですが、水をたくさん飲む個体もいるようなので水入れは必ず置いておきましょう。

また時々壁に霧吹きなどで水分を吹きかけておくことも必要です。

エサは小松菜、キャベツ、カボチャ、ニンジンなどの野菜、植物食の爬虫類用の人工飼料、鳥用の穀物などを食べます。

昆虫はたまにおやつとして与える程度でよいでしょう。

エサについては毎日あげる必要はなく、巣穴の中で長い間寝ていることも多いのでお腹が空いて出てきたタイミングであげましょう。

ピンセットなどで与えると思った以上になついてくれることもあります。

掃除に関しては糞をまめに取り除く、新鮮な野菜、水を入れておくなどに気をつけましょう。

マリトゲオアガマの特徴を知ろう

マリトゲオアガマは爬虫類専門店などでの流通も多く、トカゲ類にしては珍しくスキンシップもできるペットです。

また、飼育がそれほど難しくなく爬虫類飼育初心者でも飼いやすいとも言われています。

トカゲが飼いたいのだけれど、ある程度遊んだり可愛がれるものがいいという人には、とてもオススメの種類です。