アニメ映画でおなじみのあのオレンジの魚は、カクレクマノミという種類です。

映像と同様に非常に可愛らしく、コミカルかつ面白い習性を持つ魚でもあります。

今回はそんなカクレクマノミの飼育方法等をまとめました。

カクレクマノミの生態

カクレクマノミはスズメダイ科、クマノミ亜科の海水魚です。

体長は最大で7cmほどで、鮮やかなオレンジ色の体色に白い線が入っているのが特徴です。

生息地は主に熱帯サンゴ礁で、房総半島~南シナ海までの西太平洋、東インド洋などに分布します。

体をクネクネさせるワッキングと呼ばれる独特の泳ぎ方をします。

イソギンチャクと共に共生して生きていることは有名ですが、クマノミは種類によって好むイソギンチャクが違い、

カクレクマノミは、ハタゴイソギンチャク、センジュイソギンチャクなどを主に隠れ家にしています。

イソギンチャクは触手で他の魚を捕食しますが、なぜクマノミは平気かというと、

体からイソギンチャクと同じ粘液を出して刺されないようにしているからです。

またカクレクマノミは、通常、群れで生活していますが、

一番大きなメスの個体が死亡すると、二番目のオスがメスになるという、

性別が変化する魚でもあります。

カクレクマノミの性格

カクレクマノミの性格は比較的穏やかで、他の魚との混泳も可能です。

共生可能なのは、ベラ、小型のヤッコ、ハゼ、ハタタテハゼ、ネオンダムセルなどです。

しかし、ルリスズメダイとの相性は悪いようです。

混泳させる場合は、異種の魚にしてください。

カクレクマノミは縄張り意識が強いところもあり、同じクマノミ科や同種だと攻撃したり、いじめたりすることがあるからです。

同じクマノミを泳がせる場合は、元々ペアのものを購入するか、違う個体でも慎重に共生させましょう。

少々縄張り意識が強く、臆病なところもありますが、好奇心旺盛で、慣れればエサ付けもできる魚です。

カクレクマノミの値段、購入

カクレクマノミの一匹当たりの値段は、700円~1500円ぐらいのようです。

ペアや群れ、他の魚、飼育セット込みだともう少し高くなります。

購入は主に熱帯魚ショップで直接買うか、ネット通販等になります。

熱帯魚店の方が店員さんにアドバイスを聞けたり、元気な個体を見分けられたりとお得な面が多いです。

通販では、輸送の間に魚が弱り、死んでいるということもあるからです。

通販ショップによっては魚が輸送中に死んでしまったりした場合の保障を行っている所もあるようなので、

ネット等で購入する場合は、確認しておきましょう。

カクレクマノミの寿命、健康

カクレクマノミの寿命は魚類ではかなり長命です。

平均では10年ぐらいですが、飼育下では20年も生きている個体もいます。

健康に関しては、熱帯の魚なので水温管理などが非常に重要となってきます。

水温が下がりすぎると食欲不振などの症状が見られ弱ってしまいます。

そのためヒーターが必要となります。

暑さには比較的強いですが、夏などもやはり注意して観察した方がよいでしょう。

適温は24℃~30℃です。

病気ではトリコディナ病(体に薄い膜や白いものが見られる)白点病などにかかりやすいようです。

日頃から体に白い点はないか、ヒレ等に異常は見られないか、

食欲はあるか等をチェックした方がいいでしょう。

カクレクマノミの飼育

カクレクマノミの飼育は一匹か、多頭かによって変わりますが、

30cmのキューブ水槽や、60cm水槽を使うのが一般的ようです。

頭数は、60㎝水槽でだいたい1~2匹飼育可能です。

水槽にはサンゴ砂、人工海水、ライフブロック(サンゴ岩)などをいれます。

水草は基本的に必要ありませんが、一部の海藻などは入れてもよいでしょう。

また、カクレクマノミのトレードマークであるイソギンチャクですが、他の隠れ家があれば、

これは水槽にいれてもそうでなくても良いでしょう。

なぜならば、イソギンチャクはクマノミとは別の生物であり、温度管理などの面で違った難しさがあるからです。

イソギンチャクやサンゴなどを水槽にいれる場合は、光合成が必要なので強い光を与える必要があります。

ちなみに前述したライフブロックには有益なバクテリアなどが生息していますが、

ウミウシ、カニ、ウニなど別の生物が住みついている場合もありますので注意しましょう。

カクレクマノミのエサについては、熱帯魚用人工飼料、アミエビ、ブラインシュリンプなどを与えるといいでしょう。

回数は食べきるだけを一日、2~3回与えます。

水換えは2週間に一度程度、水温合わせをした人工海水を4分の1から3分の1程度交換しましょう。

カクレクマノミの特徴を知ろう

カクレクマノミは、映画と同じく非常に可愛らしい外見とコミカルな動きが楽しい熱帯魚です。

水質、水温など少し難易度が高いところもありますが、可愛い熱帯魚が飼いたいという方には、オススメの魚です。

基本的な飼育条件をクリアし、慣れてきたらサンゴやイソギンチャクを共生させて、生態を観察するのも面白いでしょう。