猫を初めて飼った人は、猫があまりにも寝てばかりいるので病気なのではないかと心配になってしまうことがあります。

特に子猫は本当にいつも寝てばかりです。

子猫の睡眠時間はどのくらいが正常なのでしょうか?

1.猫は良く寝る動物で一日14時間ほど眠る

猫は本当に良く寝る動物です。

「猫」の語源が「寝る子」だという説もあるくらいです。

成猫の睡眠時間は一日14時間くらいで、人間の約2倍です。

しかも猫は夜行性なので、昼間は猶更いつも寝ているように見えてしまいます。

2.子猫の睡眠時間は一日20時間くらい

成猫でも一日14時間も眠るので、子猫はもっと良く寝ます。

子猫の睡眠時間は、離乳が始まっても平均して一日20時間くらいです。

特に授乳中は母乳を飲む時間以外はほとんど寝ています。

寝ている間に成長ホルモンが分泌されるので、子猫は成猫よりもさらに多くの睡眠時間を必要とします。

3.猫がよく寝る理由

猫がこれほど良く寝る理由は、猫が肉食動物であることと関連しています。

一般的に肉食動物は睡眠時間が長く、草食動物は短いです。

肉食動物は獲物を捕まえれば高カロリーで栄養価の高いエサを得ることができます。

しかし狩りをするのには多くの体力を必要とするので、次に獲物が来るまでは体力を温存するようにできています。

一方草食動物は、体に必要なエネルギーや栄養素を取るためには大量の草を食べなければなりません。

一日の大半を草を食べることに費やさなければならないので、わずかな時間しか眠りません。

飼い猫は狩りをする必要はありませんが、野生の頃の睡眠サイクルが身についているので、やはり多くの睡眠時間を必要とします。

子猫がおもちゃと戯れて遊ぶのは、野生時代の本能を呼び覚ます行動で狩りと同じように体力を使うので、遊ぶと睡眠時間を多く取るようになります。

4.猫の睡眠の質

猫は長時間寝ていますが、その間ずっと熟睡しているかというとそうではありません。

成猫の場合、一日14時間の睡眠時間のうち「ノンレム睡眠」(熟睡している睡眠時間)は3時間ほどで、残りはレム睡眠(浅い眠り)です。

レム睡眠の最中は、身体は深く眠っていても脳は活発に働いています。

物音がしたり異変を感じるとすぐに目を覚ましたり、トイレに行くために起きたり、夢を見たりします。

肉食動物の猫は、寝ている最中でも獲物を捕まえられるチャンスがあればすぐに起きられるように、浅く眠っていつでも活動できるように準備しています。

また睡眠中でも敵に襲われそうになったらいつでも起きて逃げられるようにしています。

5.猫は夜行性

野生の猫は夜行性だったので、ペットの猫も夜になると元気になる傾向があります。

ペットの猫の場合、夜行性と言っても夜だけ行動するというわけではなく、夜の方が比較的活動的であることがほとんどです。

このため、昼間はずっとごろごろしていても、夜になると急に走り回ることがあります。

子猫が夜に走り回ったりして飼い主の生活リズムと合わずに困る場合は、昼間におもちゃを与えたり体力を使う遊びを十分にさせると、夜になって大人しく寝てくれます。

子猫のうちから昼間に十分遊ばせるようにすると、徐々に人間の生活にあった睡眠リズムを身につけるようになります。

6.寝ている時の猫

猫の睡眠はレム睡眠がほとんどで眠りが浅いので、寝ている時に夢を見てうなされたり、寝言のように鳴いたり、寝返りをうったり、いびきをかくことがあります。

また寝ながら体を震わせたり、手足を動かしたり、身体をピクピク痙攣させることもあります。

猫がこういった状態になると心配して起こす飼い主がいますが、こうしたことは猫にはよくあることで異常ではありません。

睡眠を妨げられて寝不足になる方が良くないので、猫が睡眠中にうなされたり体を動かしてもそっとして起こさないようにしましょう。

7.猫が好きな寝場所

一日の大半を寝て過ごす猫にとって、快適な寝場所はとても大切です。

猫はそれぞれが寝場所に強いこだわりを持っています。

子猫は幼いころは飼い主が与えた寝床で寝ていても、成長するに従って好みの寝床を見つけるようになります。

ソファやベッドの上の開放的な場所が好きな子猫もいれば、箱の中やかごの中など狭いところに収まって寝るのが落ち着く子猫もいます。

一般的に猫は地面よりも高いところで、隠れることができる場所を寝床に選ぶ傾向があります。

猫は野生の頃から敵に襲われないように、木の上の身を隠せる場所で寝ていたためでしょう。

子猫のための寝床の例として、箱やかごなどの縁があるものに毛布やフリースの布など柔らかくて暖かい素材を敷いたものが好まれます。

子猫の好みを良く見て、喜ばれるような寝床を作ってあげましょう。

1日に20時間寝ている子猫たち

子猫は一日のうち約20時間も寝ていて、成猫になっても14時間も寝ます。

寝てばかりいても病気ではないので、心配しないようにしましょう。

子猫が夜遊びまわって困る時には昼間に十分遊ばせて、夜に寝る習慣をつけさせましょう。

子猫は成長すると寝床の好みが出てくるので、猫の好みに合った寝床を用意してやりましょう。