普段は可愛らしい顔をした犬ですが、人間と同じようにおならをすることもあります。

気付かないこともあるかもしれませんが、生理現象としてはごくごく一般的なものです。

しかし、おならの回数があまりにも多いと、少し不安に感じたりすることもあると思います。

今回は、犬のおならの回数が多い時に考えられる原因についてご紹介します。

臭くないおならのときの原因

まずは、犬のおならの回数は多いけど、あまり臭くないという時です。

これは、取り込んだ空気が、ただ単に肛門から出ているだけというパターンです。

ですので、それほど強い匂いはしませんし、特に健康面を心配する必要があるわけではありません。

急いでエサを食べたり、運動直後の息の荒い時には、どうしても多くの空気を取り込んでしまいがちになります。

おなら自体が悪いわけではありませんが、回数が多い時には少し注意するようにしましょう。

エサをガツガツと早食いするような食べ方は、胃捻転を起こしやすいと言われています。

胃捻転は特に大型犬では起こりやすい病気の一つなので、ゆっくりエサを食べさせるようにしましょう。

わざと食べにくいようにデザインされたエサ入れなどもあるので、試してみてもよいでしょう。

二種類のおなら

先に紹介したように、犬には臭くないおならがあります。

しかし、私たちの経験上、人のおならというのは臭いというイメージがありますよね。

犬にも同じことが言えて、やっぱり臭いおならというものもあります。

口から入った食べ物は、胃を通り、腸でゆっくりと分解されていきます。

そのときに、消化酵素や腸内細菌により、消化される過程でガスが発生します。

このガスが腸を抜けて、おならとして体の外に出されるのです。

このおならが、一般的にイメージする臭いおならです。

現象としてはごく自然なものですが、臭かったり、回数が多い時には何かしらの不調が起きている可能性があります。

エサの消化不良

犬のおならが多い時にいちばんありがちなのが、エサの消化不良です。

犬は多くのタンパク質を必要とするため、ドッグフードにもたくさんの動物性タンパク質が含まれています。

こうしたものが分解される時に、多くのガスを発生させてしまいます。

ある意味では健康な証拠でもありますが、あまり多すぎる時には量やタンパク質が多くないか考えてみましょう。

また、動物や穀物や野菜なども食べますが、こうした食物繊維を分解する能力が低いです。

人間と同じように、健康のためにと思って野菜を与えても、ほとんどメリットはありません。

胃腸に負担になるばかりか、消化に時間掛かり、おならを増やす原因にもなってしまいます。

そうした消化の悪いものを与えていないかどうか、普段のエサを見直してみてください。

便秘や下痢

犬も人間も、基本的な体の構造や、内臓の機能は同じです。

ですので、犬にも便秘や下痢といった町のトラブルが起きたりします。

特におならが多いのと同時に下痢をしている時には、要注意です。

腸内で消化や栄養の吸収を助ける、善玉菌などの腸内環境のバランスが崩れてしまい、他の病気に繋がる可能性もあります。

また便秘をしてしまっても、おならが多くなってしまいます。

これも私たちに非常に身近なものですが、排泄物が腸内に溜まってしまうと、そこからガスが発生します。

ずっと続くような便秘の場合には、なるべく早めに動物病院へ連れて行きましょう。

おならの回数と、正常な排泄をしているかどうかというのは、体調を見極める重要なポイントとなります。

胃腸の病気

犬も年をとってくると、腸の働きが衰えてしまい、便秘や下痢をしやすくなります。

しかし、元気な犬が急に臭いおならをするようになる場合には、何かしらの病気やその前兆だったりします。

胃炎や腸炎などを起こしてしまう犬も少なくありません。

ドッグフードや与えたエサに油分や脂肪分が多く含まれていたりすると、消化不良を起こしがちです。

そうした状況から胃腸炎に発展してしまうこともありますので、2、3日で解消しない場合には診察してもらったほうが良いでしょう。

また、消化器官だけでなく、膵臓や腎臓の病気でもこうした現象が起こります。

実際には目に見えにくい病気なので、早く気がついて治療を開始することが大切になります。

元気がないなど、他の症状が見られる時には、まず病気の可能性を疑いましょう。

ストレス

病気とは言えなくても、ストレスによって胃腸の働きに影響が出ることがあります。

急激な環境の変化や、長時間緊張が続くような移動は、犬にとって大きなストレスになります。

その結果として、自律神経の乱れによって、腸内の環境が悪くなってしまうことがあります。

食べ物や病気が原因でない場合、何かストレスとなる原因があるのかもしれません。

また、消化の良いものをと思って、急にエサを変えるというのも注意が必要です。

犬のストレスになるだけでなく、やはり胃腸の環境と大きな関わりがあります。

エサを切り替える時には、今までのエサと徐々に混ぜるような形で、ゆっくりと慣れさせるようにしましょう。

少なくとも一週間は移行期間を設けてあげたほうがよいでしょう。

犬のおならが多い時に考えられる原因を知ろう

私たち人間も、ストレスやプレッシャーがお腹や腸に影響を与えることがありますよね。

同じように犬の体も、いろいろな影響を受けて、胃腸の働きが乱れてしまうことがあります。

犬がおならをたくさんする時には、多くの場合は、普段口にしているエサや、生活のスタイルに原因があります。

いくら生理現象だからといっても、あまり軽い気持ちで見過ごさないようにしましょう。

栄養バランスや運動、水分など、いろいろと見直すべきところが見つかるかもしれませんよ。