ライオン

百獣の王と呼ばれるライオンと、私たちが身近で可愛がっている猫。

同じ猫科の動物ですが、似て異なる部分がたくさんあります。

具体的にはどのような違いがあるか考えたことはありますか?

猫を飼っている方は、自分の猫と見比べてみると、なかなか面白いことがわかりますよ。

体格の差

まず一番最初にわかりやすい違いと言えば、その体格の差です。

猫は人間の手で簡単に持ち上げることができますが、ライオンはそうはいきません。

オスのライオンでは大きくて3m、体重は150~250㎏程の大きさがあります。

メスのライオンでも2.5m、体重は120~180㎏という、人間が押しつぶされるほどの大きさに成長します。

猫はオスとメスでは、そこまで体の大きさに差はでません。

生活する環境によって体の大きさが変わってきますが、平均的な猫の体重は成猫で4~6㎏です。

世界を見渡せば20㎏まで体重が増えた猫もいますが、これはごく稀な猫です。

ライオンが丸まって寝ていても、クッションには見えませんよね。

どちらかと言えばソファーやベッドでしょうか。

人の体の上に収まるサイズが、猫です。

たてがみがある

顔の周りにフサフサと生えている柔らかい毛。

思わず触りたくなるような立派なたてがみをもっているのは、猫科の中でもオスのライオンだけです。

他の猫科には、トラやヒョウなどもいますが、みんな顔周りはスッキリしています。

猫の中には、チンチラやペルシャなど毛並みの長い種類の猫もいますが、体全体が長い毛に覆われるため、ライオンのようなたてがみにはなりません。

このたてがみというのは、自分がどんなに立派なライオンかという周りのメスライオンにアピールするシンボルとなるため、オスライオンにとってはとっても重要なものです。

オス猫の場合は、顔自体が大きいほど強くてメス猫にとっては魅力的に見えます。

不思議な房

猫科の動物の魅力の1つである、長い尻尾。

自分の気持ちや感情の表現ができる部位であり、猫にもライオンにも同じようについています。

ただし、猫の尻尾は付け根から先端までは同じ太さであることに対し、ライオンの尻尾の先にはフワっとした房がついています。

この房はライオンだけについているのです。

房については諸説あるのですが、主に敏感な尻尾の先(骨)を守るために進化したと言われています。

尻尾の長さでも、ライオンは長い尻尾がほとんどですが、猫は鍵尻尾と言われるL字になっている猫や、5㎝位の短い尻尾の猫が産まれることも珍しくありません。

毛色の種類

街中で見かける猫。

どんな柄の猫が多いか考えたことはありますか?よく観察してみると、個性的な柄の猫が多いことに驚くと思います。

これもまた猫の魅力の1つでありますが、世の中には同じ柄の猫はいません。

もちろん元々の黒猫、白猫という単色の猫もいますが、ライオンはこの単色の部類に入ります。

全身が奇麗な黄金色の毛皮に覆われていて、一定の毛の長さです。

毛の付け根は白くなっていて、オスとメスでの違いもありません。

少し赤みがかかった色のライオンもいますが、子供がライオンの絵を描く場合は黄色や茶色のクレヨンを使うことがほとんどでしょう。

ライオンは単色、猫はバラエティに富んだ色や柄が多いのが特徴です。

走るスピードと体力

テレビなどで、獲物に狙いをすまし、飛び掛かるライオンの姿を見たことがあるでしょうか。

一瞬で獲物を捕らえるスピードには脱帽してしまいます。

狩りをするのはメスライオンの仕事であり、そのスピードは時速60㎞と言われます。

車と同じスピードで走れるその身体能力には驚きです。

猫も小柄ながらすばしっこい動きとスピードがありますが、猫が全力で走っても時速40㎞ほどです。

それでも十分に早いスピードですが、ライオンには敵いませんね。

猫はその分ジャンプ力があるので、そのスピードのまま高い木にジャンプをして、高いところまで登ることができます。

対してライオンは、その大きな体と体重のせいで、木にしがみつくことしかできません。

ちなみに猫科で1番早く走れる動物は、チーターです。

猫科の中ではもちろん、地球上の動物の中でもトップクラスの、なんと時速120㎞というスピードを誇ります。

生活の違い

ライオンは大体群れで生活をしますが、猫は単独行動を好むので、マイペースに行動することが多いです。

ライオンが家族や群れで生活をする反面、猫はあまり群れを作りません。

野良猫のたまり場はありますが、一緒に生活をしているというよりは、「同じ安全な場所を共有している自分に害がない存在」という認識程度です。

ただし、群れを作るのはライオンも猫もメスであり、オスは繁殖のために放浪して歩くという共通点はあります。

猫とライオンの違いを知ろう

猫もライオンも違いはあるものの、ちょっとした仕草を見ると、やはり同じ猫科だなと思える部分もたくさんあります。

特に動物園で寝転がっているライオンを見ると、猫と同じように手足を伸ばして気持ちよさそうにしていますし、爪を研ぐ姿は本当に猫のようです。

テレビで見かけたり、動物園に行く機会があったら、このような違いや共通点を探してみると、新しい魅力が発見できるのではないでしょうか。