猫も人間同様年を取って、中年猫、老年猫となってだんだん衰えてきます。

猫は何歳から老化の兆候があらわれるのでしょうか?

また猫の老化のサインはどんなところにあらわれて、どのようにチェックすれば良いのでしょうか?

何歳から老猫?

猫は7~8歳ころから初老で、早い猫はこのころから老化のサインが出始めます。

これは人間でいうと40代後半くらいの年齢で、人間でも生活習慣病が出て衰えを感じ始める年齢です。

そして猫は10歳になると老猫となり、ほとんどの猫に何らかの老化の兆候が見られるようになります。

猫の10歳は人間の56歳と同じです。

ペットの猫の平均寿命は15歳くらいですが、最近の猫は20歳超まで生きることも珍しくはないので、生涯の半分を老猫として過ごすことになります。

猫の老化度をチェックするポイントはいくつかあります。

筋力、関節、運動能力の衰えをチェックする

今まで登っていたところに登れなくなる、ジャンプできなくなる、動作が鈍くなる、活動量が減って寝ていることが多くなる、といった兆候が表れます。

筋肉が衰えたり、関節がスムーズに動かなくなって、若い猫のように運動ができなくなってくるのです。

老猫の後ろ足の筋肉を触ると、筋肉量が落ちて柔らかくなっていることが多いので、これで老化度を知ることができます。

そして体全体の体力が落ちて、体を動かすのがおっくうになって、寝ている時間がだんだん多くなります。

初老猫の場合、体力の衰えによる運動不足が原因で肥満になり、心臓疾患などの病気を引き起こすこともあるので気をつけましょう。

視力の衰えをチェックする

歩き方がぎこちなくなってふらふらする、物にぶつかる、動きが鈍くなる、視線を合わせなくなるといったことは、視力の衰えから来ている可能性があります。

老猫は白内障などの目の病気にかかることもあるので要注意です。

その場合最悪失明することもあるので、疑わしいときは獣医師に連れて行って治療を受けましょう。

また目やにが極端に増えたり、目の色が変わったなどの変化も目の老化や眼病の兆候かもしれないのでチェックしましょう。

猫は視力が衰えたり失明しても、ひげや嗅覚である程度周りのことを知ることができるので、視力の衰えを感じたら、そうした猫に合った生活環境を作ってあげましょう。

聴力の衰えをチェックする

近くで音を立てたり名前を呼んでも反応しなくなると、聴力の衰えが疑われます。

音が聞こえにくくなることから、活動量が減ったり、動作が緩慢になることもあります。

ただ高齢猫の場合、聴力だけではなく脳の認知力からくる問題の場合もあります。

ただ老化で聴力が衰えることもありますが、別の原因で聴力が弱くなっていることもあります。

例えば年を取ると体の免疫力が落ちるので、耳の感染から外耳炎になって、聴力が低下するケースがあります。

また耳垢がたまって耳が聞こえにくくなることもあるので、年取った猫の耳は特に慎重にケアしましょう。

歯や口腔内の衰えをチェックする

口臭がある、いつも口をくちゃくちゃさせている、歯がぐらぐらしたり抜ける、といったことがあると、歯周病の疑いがあります。

年を取るにつれて歯が弱ってくるのは、猫も人間も同じです。

10歳を過ぎた猫は、すでに何本か歯が抜けていることがあります。

歯周病からほかの内臓の病気を引き起こしたり、歯周病が原因でものが食べられなくなるとさらに老化を進みます。

老齢の猫は歯磨きをしっかりして、定期的に獣医師に診てもらうなど歯のケアが大切です。

また、食べ物を口からこぼす、食べにくそうにする、よだれが出る、口臭があるといった症状があると口内炎かもしれません。

口を開けさせて、変色や炎症を起こしていたら獣医師に連れていきましょう。

また歯周病や口内炎が原因でドライフードを食べなくなる猫もいます。

様子を見て治療をして、猫が食べやすい適切な形の食事を与えましょう。

毛や皮膚の衰えをチェックする

猫は年を取ると、毛並みや皮膚の状態が衰えてきます。

毛に艶がなくなる、毛の量が減る、皮膚が乾燥する、皮膚にしこりができる、ひげに勢いがなくなる、といった変化が現れます。

また顎や顔周りなどに白い毛が入るようになります。

毛や皮膚が老化で衰えるのに加えて、セルフグルーミングの回数が減るので、一層毛艶が悪くなります。

老猫は飼い主がブラッシングをして、グルーミングが減った分を補ってあげる必要があります。

また高齢猫は爪とぎをしなくなって、爪が伸びたままになるので、時々爪切りをしてやることも必要です。

内臓の衰えをチェックする

食欲が衰える、体重が減る、便秘や下痢をする、水を多く飲み尿の量も多い、尿の出が悪い、活動的でなくなる、といった症状は老猫にありがちです。

運動量が減って新陳代謝が低下するので、年取った猫は食べる量が減るのは普通です。

しかし嘔吐したり苦しがるなどの症状があると、腸閉塞や感染症の疑いがあるので獣医師の治療を受けましょう。

老猫は活動量が減って内臓の筋肉も衰えるので、便秘をしがちです。

また老猫は泌尿器系の問題を起こしやすく、特に「慢性腎不全」は猫の死因のトップです。

水を飲む量や尿の量が極端に増えたり減ったりしないか注意しましょう。

人間同様、高齢の猫は糖尿病にかかることもあります。

食事や水の量が増えて体重が減るようなら、その疑いがあります。

その他、心臓疾患、ガンといった人間の中年以後にかかりやすい病気に猫もかかりますので、年を取ったら健康管理に気をつけましょう。

認知能力の衰えをチェックする

人間同様、猫も年を取ると認知力が衰えます。

名前を呼んでも反応しない、飼い主を認識できなくなる、生活習慣が変わる、攻撃的になる、狭いところに入って出てこられなくなる、同じ場所をぐるぐる回る、夜鳴きをする、夜歩き回る、トイレの位置がわからなくなって失敗する、食事を与えてもまた欲しがる、無反応になる、寝てばかりになる、食事を食べなくなる。

このような症状があれば、猫の認知症かもしれません。

大抵15歳以上の高齢猫にこうした症状があらわれます。

加齢による認知症を治すことはできませんが、食事を変えたり生活環境を変えたりして、認知症猫が最後まで快適に生涯が送れるようにすることが大事です。

猫の老化具合をチェックしよう

猫の年齢によって現れる症状は様々ですが、年を重ねるにつれて当てはまるところが増えてくるでしょう。

そして猫が年取るにつれて健康トラブルが増えて、医師の世話になる機会が増えていきます。

飼い主は老いていく猫に寄り添って、その年に合わせた環境作りをして、猫が幸せに年を重ねられるようにしたいものです。