猫転送装置をご存知ですか?

今、猫飼いさんたちの間で流行っている、なぜか猫たちが入りたがる不思議なアイテムです。

今回はその猫転送装置について、なぜ猫が入るのか、どうやって作るのかをご紹介します。

猫転送装置とは何か

名前だけ聞くと、なんとも未来科学を彷彿とさせるような、SFチックな印象を持つ猫転送装置ですが、科学は一切関係ありません。

紐かテープだけで簡単に作れてしまうんです。

それもなんと、紐などで床に輪を作るだけ。

これだけで猫はまるで吸い寄せられるようにその輪の中に入っていくと言うのです。

このことを最初に発案したのは、日本の猫ブログ「guremike」さん。

最初は電気コードがたまたま丸まっていたところに、猫が入ったのをたまたま目撃したのがきっかけだそうです。

試してみたところ、紐が丸まっていても入るということで、「円」が理由ではないかと思い、赤いテープでぐるっと床に円を作られました。

すると、やはり猫が入ったのです。

そのことが先に海外のサイトredditで紹介され、人気が出てから日本でも注目を浴びるようになりました。

ところで、夏休みの工作よりも簡単なこの転送装置に、なぜこのような大層な名前が付いているのでしょうか。

これはやはり考案者であるguremikeさんによるもので、guremikeさんは普段から何かに入る行動を「転送」と呼んでいるそうです。

その流れで、猫転送装置と言う呼び名になったということです。

名前だけでも興味をそそられますが、見た目とのギャップにさらに興味が増すネーミングとなっています。

だからこそ、ここまで流行しているのでしょう。

今や世界中の猫飼いさんたちが、自宅の猫を転送しているそうです。

けれど、どうしてただの円に入りたがるのでしょうか。

狭いところが好きだから

猫と言えば、狭いところに入りたがる印象があります。

袋や箱、家具の隙間などなど、猫を発見するのは大抵、そうした狭くて暗いところ。

これは、猫が本来は狩りをする生き物だからです。

その狩りの仕方は、獲物を追い立てるよりはむしろ待ち伏せスタイル。

獲物が充分に狙える位置に来てから、そっと近づいて一気に仕留めます。

この習性から、猫は隠れられる狭いところが大好きです。

猫飼いさんなら、普通に家の中を歩いていたら、物影から飛び出してきた猫にアタックされた方は多いのではないでしょうか。

猫転送装置にも、同じことが言えるかもしれません。

先ほどご紹介したguremikeさんも、試してみたところ大きい円より小さい円を好むことを確認されています。

突然現れたなんだか狭そうな仕切り(円)は、猫にとっては狭いところと認識されているのかもしれません。

視力が悪いから、近くで確認したい

猫はあまり視力が良くありません。

人間で言うなら、だいたい0.3程度の視力しか持たないのです。

それに加えて、色を見分けるのも苦手です。

その分、動体視力は優れていて、素早く動く対象に対しては敏感に反応します。

だから視力が悪くても獲物を追いかけられるのです。

そんな猫にとって、猫転送装置は認識しづらいものです。

そこに何かあると分かっていても、全体を把握するには近づかなくてはなりません。

視覚以外の情報、嗅覚や聴覚も使って確認します。

よく猫が初めて見るものなどに対して、匂いを確認することが多いのも、見ただけではよく分からないからです。

そうして転送装置に近づいて、対象が自分に危害を加えないことをまず確認します。

円にした紐やテープなので、もちろん猫を襲うことはありませんが、猫は真剣です。

よく自分の猫も転送させようと思っても、円に入ってくれなかったということがあります。

その中でも最もよくある失敗が、近くまで来てじっと見てるだけというパターンです。

よほど警戒心が強いのか、あまりに賢すぎて「なんじゃこれ」と呆れているのかはさすがに分かりません。

猫転送装置の作り方

先ほども書きましたが、猫転送装置の作り方について改めてご紹介します。

基本はいたって簡単で、紐やテープで床に円を作るだけです。

紐の種類は問いません。

荷造りに使うビニール紐やロープ、ベルト、電気コードなど、紐状のもので作れます。

テープを床に貼る場合も、ガムテープ、ビニールテープなど、お好みで作れます。

ようは円の形になっていれば何でも良いので、自分の家の猫が興味を持ちそうなもので作ってみるというのが一番良いかもしれません。

他の猫飼いさんたちによる転送装置が、twitterなどSNSに多くアップされているので、それらを参考にするのも良いでしょう。

注意点を挙げるとすれば、猫が噛んでボロボロにしても惜しくないものを使うこと。

また、猫がうっかり食べてしまいそうな小さなものは使わないことです。

コンセントが刺さったままの電気コードなんてもってのほかです。

紐は猫にとっては楽しいおもちゃでもあります。

転送せずに遊びだしても、紐を取り上げたりせず、猫の好きにさせましょう。

転送するかどうかは、猫次第

世界中の猫飼いで人気の猫転送装置ですが、転送する(円に入る)猫と転送しない(円に入らない)猫がいます。

思い通りに転送しなかったからと言って、無理矢理転送するのは控えましょう。

強引なやり方では、猫に愛想を尽かされてしまいます。

転送しないことも含めて、猫転送装置を楽しみましょう。