近年、ペット医療の高度化が進むにつれて、医療費も高くなってきています。

そこで、医療費の負担を減らす為に生まれたペット保険が注目を浴びています。

しかし、加入が増えるにつれて、保険にまつわるトラブルが増えているのも事実です。

どのようなトラブルがあるのでしょうか。

保険が適用されない

一番よく見られるのは、ペットがかかった病気に対して保険の補償が適用されないケースです。

これは主に、加入前の確認や認識不足に基づくものですが、飼い主だけの責任だけでなく、パンフレットの隅に小さく書いてある、担当プランナーの説明不足によるトラブルも発生しています。

特に多いケースだと、歯周病関係の病気が挙げられます。

歯周病は犬が良くかかる病気で、成犬の8割はかかっているとも言われています。

この治療には全身麻酔による治療が主となるため、治療費が高額になることも多いのですが、ペット保険の適用となるケースは多くありません。

そのため、全ての病気の確認は無理でも、飼っているペットがかかりやすい病気が適用されるかどうかは事前に確認が必要です。

今治療している病気にも保険の適用が効くと思ってしまう

ペット保険は加入義務がある保険ではないため、あくまで加入後にかかった病気や怪我の治療費に対して補償されます。

しかし、中には保険加入時の治療に対しても補償されると思い請求するというケースがあります。

この場合は補償の適用外であることはもちろんの事、もし仮に加入時に通院の事実を隠ぺいしていたとすれば虚偽行為となり、保険の強制解約や過去の補償金の返還請求となってしまいます。

加入時には、いつから保険が適用されるのかを確認するようにしましょう。

通院している動物病院に保険の販売を求める

現在通院している動物病院がペット保険を販売してくれたら安心です。

しかし、現在のところ動物病院がペット保険を販売することは認められていません。

あくまで第三者として、紹介や推奨レベルに留められています。

無理に動物病院に販売を求めても不可能なので、自身で加入することが必要です。

ペット保険はインターネットから自分で申し込むか、ペット保険の販売代理店となっているペットショップやサロンで加入するという2つの方法があります。

ただし、飼っているペットが特殊なペットの場合は加入できる保険も限られてくるため、動物病院で相談してみるのは一つの手です。

口コミによるトラブル

ペット保険は、日本においてまだ普及段階には至っていないため、加入を検討する際の貴重な判断材料にネット上の口コミや知り合いの口コミがあります。

しかし、口コミを信用して加入したが自分のペットには適用外だった、サービスに不満を感じる、料金が高かった、などのトラブルが発生しています。

ペット保険というのは非常に細かく、同じ病気でもペットの種類や進行状況などによって適用条件が異なります。

口コミは非常に参考になることもありますが、あくまで他人の感覚ということを忘れず、参考程度に留め、自分のペットにはどの保険が一番適切かを調べることが大切です。

思ったより補償金額が低い

これは先述の保険が適用されないにも似たケースになりますが、月々の掛け金が安いタイプのペット保険でよく見られるトラブルになります。

保険は傷病が発生しなくても月々の掛け金が必要となるため、中には月々の掛け金が低額で済む保険も販売されています。

ただしこの保険の場合、補償金額の限度額が低かったり、傷病の症状によっては補償率が下がり思ったよりも補償が受けられなかったりということがあります。

経済的負担を考えると毎月支払う掛け金が低いのはありがたいことですが、その際に実際に補償される金額と内容をよく確認するようにしましょう。

保険の対象外のペットを加入させてしまっている

ペット保険の加入には、人間と同じく加入条件があります。

例えば、年齢や現在の健康状態、直近の通院歴などです。

この条件を満たすことが出来なければペット保険に加入することができません。

しかし、加入後に対象外と発覚し、補償が適用されないというトラブルが発生しています。

それは、ペットが先天性または後天性の疾患を抱えている場合です。

特に、先天性の疾患を抱えていたために、別の病気の補償が適用外となってしまうトラブルが頻発しています。

このようなケースについては保険の約款に書いてあるので、飼っているペットが当てはまる場合は注意が必要です。

通知義務を怠り適用外となる

通知義務とは、ペット保険に加入しているペットの状況が変わった場合、ペット会社に通知する義務を定めたものであり、代表的な物には、ペットの譲渡、転居、死亡などがあります。

中でもペットの譲渡や長期預かりに伴う転居の通知を怠ったことによる保険の補償適用外のトラブルが見られます。

これは、例えば保険加入者がペットを誰かに譲渡する、もしくは長期出張や旅行などで誰かに預ける際に、一時的でも飼い主が変わるため、保険会社に通知が必要になる事などが挙げられます。

頻繁に起こるケースではありませんが、誰かに長期で預ける際には保険会社に問い合わせをしてみると良いでしょう。

ペット保険についてしっかり調べて、トラブルを事前に回避しよう

人間の保険と同じく、ペットの保険も日々様々な商品が開発されて便利になっていく反面、様々なトラブルが発生しています。

そして、トラブルが起きた際の多くは加入者の過失とされます(約款に書いてあるが読んでいなかった等)。

無用のトラブルを避けるためにも、保険の加入前にしっかりと内容を理解し、必要であれば説明を求めることが必要です。