モデルのようなスタイリッシュな細身の体に小さな顔、透き通るようなブルーの瞳を持つシャム猫は、愛猫家の間で人気の猫種です。
その歴史は古く、発祥はアジアのタイ王国です。
中でも、シャム猫はタイ王朝の王族や高い地位の僧侶のみが飼うことが許された特別な猫でした。
その後イギリスを通じて世界中に広がったシャム猫とは、どのような性格でどのような特徴を持ち、いくらで売られているのでしょうか。
性格
猫は犬とは異なり「人に懐かず、家に懐く」と言われています。
しかし、シャムネコに関してはそうは言えません。
シャムネコは、非常に寂しがりやで活発です。
それ故に、一人で遊ぶよりも飼い主と一緒に遊びたがります。
飼い主にすり寄ってきたり、鳴き声で飼い主を呼んだりとコミュニケーションがとりやすく、とても愛らしい性格をしています。
とても甘えん坊の猫なんて、珍しいですよね。
しかしながら、警戒心が強い一面もあるので、飼い始めからすぐに懐いてくれるわけではありません。
シャム猫は時間をかけてじっくりと飼い主を観察し、飼い主が信頼するに値する存在だと認めると一気に心を許します。
そのため、飼い主と猫の相性も非常に大切になってきます。
また、シャム猫は遊びが大好きです。
中でも高い所に登るのが大好きで、木を登ることも非常に上手です。
そのため、家の中に猫が登って怪我をしそうな所はないか、飼い主は注意する必要があります。
好奇心旺盛でよく動くので、シャムネコはほかの猫に比べると怪我が多い猫種と言えます。
また、シャム猫は子供をあまり得意としません。
好奇心が旺盛な者たち同士仲良く遊んでくれそうなものですが、子供が家の中を走り回っている所で生活するのには向いていません。
子供の声や動きがシャム猫にはストレスとして伝わってしまうので、注意が必要です。
これらのことから、シャム猫は子育て中のにぎやかな家で飼われるよりも、大人だけの落ち着いた環境を好むと言えます。
特徴
スラリとした体に小さな顔を持つシャムネコは、非常にスタイルの良い種類の猫だと言えます。
そのスタイルをキープしている理由は、DNAに運動をしろという命令が組み込まれているからです。
ほとんどの猫は、日中太陽の光を浴びながら昼寝をしています。
しかし、シャム猫はとても活動的で、運動量も群を抜いて他の猫種より多いのが特徴です。
暇さえあれば、飼い主に「遊んで」とすり寄ってきます。
また、シャム猫の体重は成人した雄猫でも3~4キロしかなく、一般的な猫と比べると非常に軽いです。
そのため、木にも身軽に登ることが可能なのでしょう。
体力もかなりあるようで、その鳴き声は他の猫より大きく遠くまで聞こえるほどです。
一軒家では問題ありませんが、マンションなど共同住宅で飼育するには向いていない種類の猫だと言えます。
また、シャムネコは短毛種ですので、ブラッシングは週に一度行えば十分です。
しかし、非常に尖った爪を持っているので、こちらはこまめにチェックしケアをしてあげなければ危険です。
顔、尾っぽ、手足などがポイント的に濃い毛色になっているのもシャム猫の特徴です。
生まれた時は真っ白だった子猫も体の温度が上がってくると、末端の耳や尻尾から毛の色が濃くなっていき、じきに顔にもポイントが現れてきます。
価格
一般的にシャムネコは早熟だと言われています。
そのため、他の種類の猫よりも早くから繁殖が可能です。
繁殖しやすいことから飼育しているブリーダーさんも多いので、見つけるのが簡単な猫種だと言えます。
一般的に趣味として一般家庭で飼う為の個体の値段は、15~20万円ほどで手に入ります。
また、シャム猫は、顔や尾っぽに入ったポイントの濃さなどが個体によって大きく異なります。
そのため、将来的に繁殖させてその子供を売りたい、ショーに出したいと考える場合は、ブリードタイプと呼ばれる個体を飼う必要があります。
そちらの方だと一匹30万円前後で販売されています。
ブリードタイプの方が、ポイントがよりはっきりくっきりと入っており、見栄えが良いとされています。
寿命
一般的な猫の寿命は15年と言われていますが、シャム猫の寿命は10~13年です。
他と比べてやや短い傾向があると言えますが、それはシャム猫の活発さに問題があると言えます。
他の猫たちと比べて、圧倒的に怪我や事故に遭うことが多いからです。
大切なペットを守るためにも、シャム猫を飼う場合は安全を心がけてあげてください。
高貴で歴史あるシャム猫
猫としての歴史も古く、高貴な人の特権として飼育されていたシャム猫。
しかし、その繁殖力の強さから、現在の日本ではシャム猫の特徴である顔や尻尾、手足に濃い色の毛(ポイント)を持つノラ猫が出てきました。
このような事態を避けるためにも、シャム猫を飼う場合は早い段階で将来子供を産ませるのか、避妊手術を受けるのかの選択をすることが非常に大切です。