2000年以上前から狩猟犬、番犬などの用途だけでなく食用や毛皮用としても中国で飼われてきたチャウチャウ。
もこもこした毛に包まれた子熊のような姿と特徴的な名前ですが、このチャウチャウはどんな犬なのでしょうか。
チャウチャウの原産地と歴史
チャウチャウは中国で生まれた種類です。
犬種名の由来は、イギリス商人が中国から輸入する際に雑貨一般をさした言葉を間違え、広がったなど諸説あります。
2,000年以上前から中国で飼育される犬だがその正確な歴史については不明な点が多く謎が多い犬です。
もとは番犬や猟犬として飼われていましたが、食用としても飼育されるようになりました。
狩猟犬としては不利である後足の真っ直ぐな関節は、食用に適した改良の名残であると考えられています。
18~19世紀頃からヨーロッパを中心に国外への輸出が始まり、輸出先のイギリスで家庭犬としての改良が始まり、世界へと広まりました。
チャウチャウの外見の特徴と性格
外見の特徴としては、がっちりとした筋肉質な体であり、青黒い舌を持ち、立ち耳でマズルが短く眉間にしわを寄せて悩んでいるような顔をしています。
意外と皺は多くありません。
体を覆う被毛は長毛で、上毛はラフコートタイプとスムースコートタイプがあります。
下毛は羊の毛のような柔らかい毛が密集しており寒さに強い構造になっています。
毛の色はブラック、レッド、ブルー(灰色)、フォーン(淡黄色)、クリーム、ホワイト、シナモンなどがあります。
標準体高はオスが48~56cm、メスが46~51cmで標準体重はオス、メスともに18~27kg程度です。
性格は番犬、猟犬などとして使役されていたこともあり、警戒心が強く、マイペースなうえに頑固で家族以外の人には近づかず、愛想が良いとはいえません。
しかし、飼い主や家族に対しては忠実で愛情深く、感情の起伏も激しくなく冷静で穏やかな性格のため番犬に向いている犬といえます。
チャウチャウの平均寿命と注意したい病気
平均寿命は8~12年程度とされています。
目が小さく奥目であるため、眼病の発症が比較的に多い犬種です。
緑内障や瞼が眼球側に向いてしまう眼瞼内反、まつ毛が二重に生えたり、不規則な方向に生える乱生などによる眼球への傷などに注意が必要です。
また、マズルが短いために鼻腔狭窄を発症したり、後足の関節がまっすぐなため股関節形成不全なども起こすことがあります。
体が厚い被毛に覆われているため体温調節が苦手であり、夏の暑い時期は熱中症にも気をつけ、温度管理はしっかり行いましょう。
皮膚炎も起こしやすい犬種であるため注意が必要です。
チャウチャウの価格と飼い方
販売価格は12~20万円程度ですが、繁殖が難しい犬種のため20万円を超える場合もあります。
また、ペットショップなどの店頭販売ではあまり見かけず、ブリーダーから購入する場合の方が多い犬種です。
毛色はレッドが一般的に多いとされ、ブラック、ブルー、シナモン、クリームなどの珍しい毛色の個体はさらに高値で販売されます。
室外飼いは可能ですが、被毛も厚く暑さに弱い犬種であるため、夏は室内で飼えるような環境を用意してあげる必要があります。
あまり運動を好む性格ではないため、運動量が足りず太りやすい犬種です。
適度な運動量を保つため1日2回、30分程度の散歩が必要です。
被毛の手入れは週に2~3回程度ブラッシングを行い、シャンプーの際は皮膚病のリスクを避けるために毛を乾かす際には下毛までしっかりと乾かしましょう。
基本的に警戒心が強く触られるのが得意な犬ではありません。
散歩の際に子どもや知らない人が近付いてきた場合、急に触られると犬がびっくりして噛みつき、怪我をさせてしまう場合もあります。
むやみに触らせるのは避けましょう。
チャウチャウのしつけのポイント
家庭犬として改良は進んでいますが、初心者向きの犬ではありません。
幼犬期のしつけをしっかりと行い、飼い主だけでなく家族全員と信頼関係と主従関係を構築することが必要です。
マイペースで頑固な性格であるため、すぐになんでも覚えるというわけではありません。
しつけには長い時間と根気が必要です。
また、警戒心が強いため、家族以外の人に威嚇したり、最悪の場合、噛みついて怪我をさせてしまう場合もあります。
そういった事態を引き起こさないためにも幼犬期にたくさんの人と触れ合い、経験を積ませて警戒心を緩める訓練をさせることが大切です。
力が強い犬種であるため、散歩の際に飼い主が制御できるよう歩行訓練が必要です。
また、車のクラクションや雷、子どもの声などによる刺激を受けた際、すぐに興奮しないよう耐性をつけるような訓練も行った方が良いでしょう。
心配であればトレーナーにしつけを頼むことも考えましょう。
チャウチャウは外見だけで判断せず、飼うならしっかり中身を理解してから
チャウチャウの特徴についていろいろ挙げましたが、家族として迎え入れるならその中身を理解したうえで飼う必要があります。
犬飼育初心者には飼うのは難しいかもしれませんが、ひとたび家族として認めてもらえれば外見も中身も愛さずにはいられない犬です。
力強く頼りになる、知れば知るほどいろいろな魅力があふれている犬種だといえるかもしれません。