肉球は他の部分のように毛が生えておらず、そのまま外部に接触するためケガをしやすい部分です。
ここでは、猫が肉球にケガをしてしまった時のための対処法をご紹介します。
肉球のあかぎれ、やけどには市販のクリームを塗る
猫の肉球で最も多いケガはあかぎれです。
肉球をよくチェックしてみると、皮膚が白くなり、あかぎれになっている事があります。
放っておくと更に乾燥が進み、出血する事もあるので早めの治療が必要です。
あかぎれの治療には、市販の犬猫用保湿クリームがあります。
市販のクリームは、あかぎれだけでなく、やけどにも効果的です。
あまりペットショップでは見かけられませんが、常備しておくと、いざという時にとても便利です。
気になる場合は獣医さんに取り扱っていないか相談してみてください。
人用のハンドクリームは商品によって色々な成分が入っています。
それらは、猫が舐めてしまうと毒になるものもあります。
人用のクリームは使わず、猫が食べてしまっても害のないものを使いましょう。
肉球のあかぎれにはオリーブオイルを塗る
市販の犬猫用クリームが手に入らない場合、家に常備している食品で対処する事もできます。
食用のオリーブオイルは肉球の保湿に丁度良く、あかぎれの対処に効果的です。
猫が舐めてしまっても害がありません。
猫の肉球にオリーブオイルを塗る時は、手のひらに数滴たらし、猫の足を包み込むようにして肉球に優しくなじませてあげましょう。
冬場の肉球はあかぎれになりやすいので、こまめにオリーブオイルを塗ってあげると予防になります。
オリーブオイルの他にも、保湿効果がある物は他にアロエの果肉、馬油などがあります。
植物性のオイルを塗布する時、原料の植物が猫にとって毒にならないか調べてから使いましょう。
肉球のやけどにはアロエをつける
野良猫や外に出る飼い猫に多い肉球のケガは、やけどです。
外を歩く猫は真夏のアスファルトを素足で歩くので、知らず知らずのうちにやけどをしたり、思った以上に熱せられたフェンスなど思わぬ所で肉球にやけどをしたりしてしまう事があります。
肉球の皮膚が赤くなっていたり、猫がかゆそうな素振りをみせていたら、やけどをしてしまった可能性が高いと考えられます。
やけどをすると炎症によりかゆくなるため、猫が肉球を舐めたり噛んだりしてしまいます。
エリザベスカラーをつける等、できるだけやけどに触らせないでください。
また悪化の原因につながるので、やけどが治るまでは外を歩かせないようにしましょう。
軽いやけどであれば触らないようにすればそのままでも自然に治りますが、治療を早めるならアロエが有効です。
アロエの果肉は口内炎などの炎症系のケガの治療に効果的です。
しかし、アロエは猫がそのまま食べてしまうと毒になります。
皮と果肉の黄色い部分は、猫には毒になるのでキレイに取り除いてください。
内側の透明な果肉だけをすり潰して、肉球に塗布してください。
肉球に傷がある時は人用の薬を使う
植物の切れ端や種を踏んで肉球を傷つけてしまう事もあります。
小さなケガでも放置しておくと悪化して膿んでしまうので、猫が足をかばった歩き方をしていたり極端に触られる事を嫌がったりする時は、ケガはないかよく観察してください。
肉球から血が出ていたり棘が刺さっていたりする場合は、早めに病院へ連れて行く必要がありますが、すぐに連れて行けない場合は人の薬を使い応急処置をします。
しかし、人の薬は口に入る事を考慮されていません。
人間なら少量舐めても問題はありませんが、体の小さな猫が薬を舐めてしまうと他のトラブルにつながる心配があります。
どうしても使う必要がある場合は、エリザベスカラーを付けるなど、猫が薬を舐めてしまわないように十分注意しましょう。
また、消毒液は猫には強すぎる事があります。
消毒液が強すぎるとケガが治りにくくなってしまうので、消毒液を使うときは少量、もしくは薄めて使いましょう。
この2つに気を付ければ、肉球のケガは人と同じ方法で対処できます。
ただし、傷口が膿んでいる場合は絶対に触らないでください。
膿が他の部位にまで移ってしまったり、悪化の原因になったりしかねません。
膿に触らないよう気を付けて、すぐに病院へ連れて行きましょう。
治療後数日で治れば問題ありませんが、できれば後日病院で看てもらいましょう。
肉球に出血、腫れのあるときは病院に連れて行く
傷の深いケガを自分で対処してしまうと、悪化させてしまう恐れがあります。
出血があったり、腫れている、熱を持っているなど重度のケガの場合はすぐに病院へ連れて行きましょう。
出血がある場合は清潔なガーゼで傷口を押さえ、止血して病院へ運びます。
ケガを触ってしまうと痛がって暴れる事もあるので、病院へ運ぶ時は注意して運びましょう。
肉球は脂肪と繊維質でできているため、体の他の部分より治りにくく、治癒に時間がかかります。
特に出血の止まらない時は、出血量が少量でも人よりずっと小さい猫にとっては命に関わる場合もあります。
猫は痛みを隠そうとする生き物です。
普段通りに見えても重篤なケガをしている事もあります。
些細な変化を見逃さないよう、こまめにチェックしてあげましょう。
猫の肉球のケガ予防にできること
猫の肉球は生まれたばかりの頃はプニプ二として潤っていますが、8歳頃から乾燥しやすくなり、ケガを負いやすくなってしまいます。
あかぎれの予防に肉球をマッサージして血の流れを良くしたり、できるだけ室内飼いにしたりして、やけどや切り傷を負う心配を減らしてあげましょう。