飼っている猫がくしゃみをしていると、少し心配になります。

それが何回も何日も、あるいは慢性的に続くようであれば尚のこと気になって来ます。

猫のくしゃみにはどんな原因が考えられるのでしょうか。

生理現象としての猫のくしゃみ

人間はたまに、何も病気にかかっていなくても自然にくしゃみをするときがあります。

それは鼻の中によくない物質が入ってきたため、それを外に排出しようとして反射的に反応しています。

猫にも同じことがいえます。

変な物質を鼻の穴の狭い空間の中にたまたま吸い込んでしまったとき、それをすぐに出そうとくしゃみします。

その際、人間と猫で違うことといえば、人間の場合は頭部を縦に振る形でツバを飛ばさないようにくしゃみするのに対し、猫の場合は頭部を横(左右)に振りつつツバを飛ばします。

そのため猫がくしゃみしているときはあまり近寄らないようにし、一緒に寝ていたときはツバがかからないように顔をそむけましょう。

猫の鼻の中で炎症が起こっているから

生理現象としてのくしゃみでしたら、連続性がなく単発で終わるために何も心配いりませんが、くしゃみが長く続く状態では何らかの病気にかかっていると考えるべきです。

例えば、鼻水をたらたら流しながらくくしゃみするようなら、それは「鼻炎(猫風邪)」である可能性が高いです。

鼻の中にある粘膜が細菌やウイルスなどによって炎症を起こし、免疫物質を含んだ鼻水が流れてきます。

その時点ではまだ軽度の症状で済みますが、猫は人間と違って鼻の長さが短いため、病気の原因となっている物質が猫の脳まで到達しやすい構造になっています。

炎症が酷くなれば鼻水に血が混じった状態となり、深刻な症状を見せるようになります。

たかが鼻炎といって侮らずに病気へと連れて行き、獣医師の診察を受けさせましょう。

アレルギーによる猫のくしゃみ

侵入してはいけない異物が体外から体の中に侵入した場合、それに対して免疫反応を起こし、異物に攻撃を加え除去しようという働きが人体には備わっています。

この免疫反応が何らかの要因(先天的なもの・ストレスなど)で過剰に起こることを「アレルギー」と呼びます。

その症状として花粉症やアトピー性の皮膚炎などがあります。

本来は病原体に成り得ないものにまで過剰に反応してしまうことで、様々な悪い症状が出てしまいます。

猫の場合も、この「アレルギー反応」としてくしゃみをしているケースがあります。

一般的には鼻炎(猫風邪)になりやすい時期は冬です。

これに対してアレルギー反応を起こしやすい季節は、一年中もしくは限定した季節においてです。

部屋のほこりがアレルゲン(アレルギーの原因物質)となっているときは、部屋を掃除してキレイにしない限り、ずっとくしゃみをし続けるでしょう。

また、何かの花粉などがアレルゲンとなっているときは、その花粉が飛び回る季節だけくしゃみをすることになります。

季節限定の一過性のくしゃみなので、あまりに酷いくしゃみ(血が出るような)でない限りはそれほど心配する必要ないでしょう。

ただし、花粉を取り除く部屋の掃除は必須です。

このように、「アレルギー」という視点からくしゃみの原因を疑ってみるのも必要なことです。

タバコや芳香剤などの化学物質に反応しての猫のくしゃみ

その煙やニオイに慣れた人間にとっては一時的な安らぎの効果があるものでも、猫にとっては「毒」でしかないものが存在します。

その代表的なものに「タバコ」や「芳香剤」が存在します。

これらのものには人工的に作られた化学物質が多量に含まれています。

人間はそういった化学物質に囲まれた生活環境にあるため、ある程度まで慣れることによって感覚を麻痺させています(ダメな体質の人も存在します)。

しかし、猫の場合は人間よりも嗅覚が鋭いです。

それはあるニオイを強烈に感じる能力があるという意味ではなく、人間が感じ取ることができなくなった微量のニオイでも、猫は感知することができるという意味です。

だから、タバコや芳香剤のニオイが人間にとって感じられないレベルになっても、猫はその鋭い嗅覚でしつこく感じ続けてしまいます。

くしゃみが出るのはその猫にとってクサくて、有害なニオイを嗅いだために起こる防衛反応ということになります。

よって、猫と一緒に暮らしている空間の中でタバコを吸ったり、芳香剤を過剰に設置したりするのはやめましょう。

そうすることで、愛猫のかわいい鼻を守ってあげることができます。

猫のくしゃみの原因を知ろう

これまで見てきたように、猫のくしゃみには心配が必要なものとそうでないものがあることが分かります。

心配が必要なくしゃみには、鼻水や涙・目ヤニが伴っていたり、何日も続いて慢性化したりする症状が現われます。

その場合は原因が何かを考えて対策し、飼い主の手には負えないと判断した場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。