少し前まで元気だった猫の腰が立たない、またはふらつくとき、そこにはいろいろな原因が考えられます。

病院に連れて行く前に以下の原因を参考にして、猫の状態を観察してください。

猫の状態を獣医さんにきちんと説明できるようにしておくと、その後の処置の助けになります。

加齢により足腰が弱くなっている

猫も年を取ると筋力が弱まり、足腰がふらつくようになります。

最近、高所からの着地が心もとない、後ろ足で立ち上がるとすぐに倒れてしまうといった下半身に衰えが見え始めたら、一度病院で検査してもらいましょう。

高齢の猫に合わせた食事や接し方を知っておけば、これからの事故の防止になります。

もともと高所を好む動物である猫は、足腰の筋肉が弱まると怪我を負いやすくなります。

老いてくると自然と高所から飛び降りることは少なくなります。

7~8歳を過ぎたら部屋の大きな段差を減らしたり、床に緩衝材代わりの絨毯などを敷いて転倒や落下時の怪我を予防してあげましょう。

足腰がふらつくようになってきた老猫とは、猫じゃらしを使うような激しい遊びは控えてあげましょう。

体に負担のかからないよう一緒にゆっくりとした時間を過ごすようにしてあげてください。

猫が中毒をおこしてしまった

魚介類や観葉植物、人には無害な野菜にも猫にとっては猛毒となるものもあります。

そういった猫にとって有害な食べ物の中には、猫が誤って食べてしまうと中毒症状によって腰が立たなくなってしまうものもあります。

猫の腰が突然ふらつくようになってしまったら家の中を点検し、猫か中毒の原因になるものを食べてしまっていないか確かめてください。

病院へ行く前に獣医さんに電話をして、いつ、何を、どれくらいの量を食べてしまったか、できるだけ詳しく説明してください。

中毒の原因となったものは、食べ物によってすぐに吐かせた方がよいものもあれば、吐かせると逆に症状を悪化させる結果になってしまうものもあります。

中毒に気づいたら、動物病院に電話をして応急処置の方法を聞きましょう。

応急処置をしたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

猫にとって毒になる食べ物はイカや貝類、ネギなどメジャーなもの以外にもたくさんあります。

中毒を起こさせないためにも人の食事を分けて与えることはやめましょう。

病気や薬の副作用

心筋症などによる血栓症になると、ある日突然下半身に力が入らなくなり、腰がふらつくようになります。

血栓症は若い猫から高齢の猫まで幅広い年齢でみられる病気です。

血栓症は痛みが伴うため、ほとんどの猫がパニックになったり、大きな声で鳴いたり暴れたりします。

心筋症は緊急を要する病気のため、すぐに病院へ連れて行くべきです。

緊急外来も考慮に入れできるだけ早く処置してもらえる病院につれていきましょう。

心筋症のほかにも脳や神経の病気、感染症などでも症状の一つに腰のふらつきがみられます。

自然に治る病気ではないので一度獣医さんに診てもらいましょう。

また、抗てんかん薬などの病気治療のための薬物でも、副作用で腰がふらつくようになることもあります。

強い薬の場合は仕方のないこともありますが、獣医さんに相談して薬の種類を変えてもらうなど対処できることもあります。

てんかんの症状に変わりがなく、腰がふらつく症状があるなら他の病気である場合も考えられます。

改善が見られないなら、セカンドオピニオンを受けてみることをオススメします。

怪我

猫が高いところから落ちてしまったとき、見た目には怪我がなくても腰がふらつくのは、内臓や骨に損傷を負っているからとも考えられます。

長時間放置すると悪化して、血を吐いてしまったり、命にかかわることになりかねません。

なんともないように見えても、念のためにとりあえず病院で診てもらうと猫も飼い主も安心できます。

腰のふらつきがひどく、立てないほどふらついている時は、応急処置をしてすぐに病院へ連れて行く必要があります。

病院に連れて行く前に電話で応急処置の仕方を指示してもらいましょう。

慌てて抱き上げたりケージにそのまま入れたりすると怪我を悪化させてしまうかもしれません。

できるだけ体制を変えないように注意して、平らな板にタオルなどを敷いたうえに乗せてそっと病院へ連れて行きましょう。

怪我の部分に誤って触れてしまうと、痛みのあまり暴れてしまい傷を悪化させてしまうだけでなく飼い主を傷つけてしまう事もあります。

怪我をした猫を触るときは傷のある部分にはできるだけ触れないよう、また猫を興奮させないように静かに移動させてください。

猫の腰がふらついたらすぐに病院へ

猫の腰のふらつきは多くの場合、命にかかわるものです。

猫の腰がふらついている事に気づいたら、できるだけ猫を動かさないよう気を付けてすぐに病院へ連れて行きましょう。

いつから、どのような症状か、どうしてそうなったかをしっかりと整理して、メモ帳などにまとめておくと、獣医さんがより早く適切な処置を進めやすくなります。