ある日突然、何の準備も心構えもなく、子猫と出会ってしまったら、あなたはどうしますか?
大人の猫とは違い、小さな子猫はまだ自分の力では生きていくことができません。
もし、あなたが子猫を拾ったらまずどうすれば良いのか、そのポイントをまとめました。
状況を確認し、保温する
子猫との突然の出会いに慌ててしまうとは思いますが、まずはしっかりと保温してあげることが先決です。
人間が寒いと感じない気候であっても、まだ体温調節がうまくできない子猫にとって暖かい環境を整えてあげることはとても大切なことです。
例えば雨などで身体が濡れてしまっている場合は、清潔なタオルやハンカチで拭いてあげるなどして、すぐに水分をとってあげましょう。
余りに不衛生な場合を除いては、洗う必要はありません。
風の当たらない場所へ移動し、衣類などで暖をとってあげましょう。
出来るだけ暖かいものを置いてあげるのが望ましいですが、暖まり過ぎて低温やけどを起こさないよう注意してあげる必要があります。
カイロを使用する場合は噛んだりしないように注意し、暖かいペットボトルは温度の低下が早いため、こまめに取り換えてあげましょう。
室内で保護し、エアコン等の暖房を使用する際も直接温風が当たらないよう配慮が必要です。
一目で判断できるようなケガや病気、衰弱がないなど、緊急性がないと感じたら生まれてからどれくらいの子猫なのかを確認していきます。
眼や耳が開いていなければ生後10日未満と、かなり注意が必要な時期です。
立ち上がったり歩いたりという動作がまだおぼつかないようであれば、かなり幼いと判断されます。
自宅に保護し、先住の動物がいる場合は放して様子を見るようにしましょう。
病院に連れて行く
一見、健康そうに見える子猫も、病院で診察をしてもらわないとわからない病気や感染症が潜んでいることもあります。
些細なことと考えていたことが、子猫の命に関わることもあるため、出来るだけ早く動物病院で診察してもらうをオススメします。
診察にかかる費用はおおよその目安でいうと、3,000円程度です。
加えて予防接種や血液の検査などが必要な場合は、プラス5,000円程度費用がかかる場合があります。
動物病院は大きくなった後も予防接種などでお世話になるため、家から通いやすいところを選ぶようにしましょう。
また子猫の時期は身体も弱く体調不良を起こしやすいため、色々と相談に乗ってくれる病院であることも大切です。
そして、病院に連れて行った際にも他のペットと接触のないよう気を付けましょう。
子猫が何らかのウイルスを持っている場合や、逆に病気が感染することもあります。
ワクチン接種をしていない子猫は免疫力が弱いため、他の動物に触れた時はその都度手を洗って接しましょう。
猫用ミルクを与える
猫に限らず、幼い動物を拾ったらとりあえずミルクというイメージがあり、人の飲む牛乳と勘違いされやすいのですが、子猫に牛乳を与えるのは危険です。
牛乳を飲ませてはいけない理由として、子猫の成長に必要な栄養が含まれていないことや、お腹を壊して下痢をしたりすることが挙げられます。
下痢は子猫の体力を大幅に奪ってしまいます。
生後1か月未満であれば猫用ミルクを飲ませましょう。
メーカーによって与える量や回数が違うため、よく読んでその通り与えることに注意です。
哺乳瓶でなかなか上手に飲めない場合は、小さなスポイトや針のない注射器などで飲ませてあげましょう。
あまりの飲まない場合は獣医さんに相談を。
そして1か月を過ぎた頃から離乳を始めるため、離乳食やその後のフードを買えるお店などをチェックしておきましょう。
排泄のお手伝い
ミルクを飲む時期の子猫はまだ、自分で自由に排泄をすることができません。
本来は親猫が舐めて排泄を促すのですが、この代わりをしてあげる必要があります。
ガーゼや脱脂綿を人肌に温めたお湯で濡らし、お尻のあたりをトントンと優しく叩いてあげましょう。
焦らずゆっくりと繰り返してあげることがポイントです。
肌のかぶれる原因にもなるので、強い刺激は与えないよう気を付けましょう。
便は少し緩いと感じる場合でも問題はありません。
水溶性の場合や、1週間以上排便が見られない場合は獣医さんに相談しましょう。
優しくお腹をマッサージしてあげたり、水分を十分摂らせてあげることで排泄がスムーズになることもあります。
3週間くらい経過すると、自力で排泄することも考えられるので、ケージにペットシートを敷くなど準備が必要になります。
飼育の環境を考える
子猫を拾うのは、猫が飼える環境の人ばかりではありません。
住んでいる場所がペットの飼育を禁止している場合、家族にアレルギーの人がいたり、先住のペットと合わないことも考えられます。
どうしても飼えないという時には早めに里親を探してあげなければなりません。
最近ではインターネット上で里親募集をすることも珍しくありません。
多くの人に情報を知ってもらえるメリットがある一方、相手の素性がわからないというデメリットがあります。
出来るだけ知人のコミュニティの中で貰い手を見つける方が安心です。
いずれにしても、猫は環境の変化に弱いため、生後1か月半くらいまでは本人が面倒をみることが望ましいです。
トイレトレーニングをし、ワクチン接種を済ませ、健康な状態で引き取ってもらえるようのしましょう。
子猫を拾ったら優しく手を差し伸べよう
小さな子猫の命は誰かが手をかけてあげない限り、救われることはありません。
費用も時間もかかる子猫の保護ですが、もしもそんな子猫を見かけたら、これもひとつの出会いかもしれません。
どうか、優しく手を差し伸べてあげて下さいね。