耳ダニとは、耳の中に寄生してしまうダニのことを言います。
主にミミヒゼンダニという種類で、0.3~0.4mmと小さいのが特徴です。
猫がそんな耳ダニにかかってしまった場合、どのような治療方法があるのかをご紹介します。
駆除薬をつかう
ミミヒゼンダニがいる場合、激しいかゆみをともないます。
猫が壁に頭をこすりつけていたり、頭を揺さぶっていたりする場合はダニが寄生している可能性があるので、すぐに病院で診てもらいましょう。
ミミヒゼンダニは繁殖力が強いため、放置は厳禁です。
悪化すると慢性の外耳炎になる恐れもあります。
多くの場合は病院で診てもらい、駆除薬を使って治療します。
耳の洗浄を行い、駆除薬を使ってダニの数を減らしていきます。
ひっかいてしまい傷が出来ている場合などは、塗り薬や抗生物質での治療が別途必要です。
かゆみが治まってきたな、と思っても最低3週間ほどは治療を続けた方が良いでしょう。
ダニの卵には駆除薬が効きづらく、治療を止めたあとに卵からかえってしまうことがあります。
猫の耳ダニの治療は、根気が要るので辛抱しましょう。
また、猫を多頭飼いしている場合、他の猫に感染している可能性もあります。
治療の際はすべての猫を診てもらい、できるだけ猫同士が接触しないようにしましょう。
耳掃除をする
耳掃除をすることで、感染の予防にもつながります。
特に油分の多い猫種は、汚れが溜まりやすい構造をしているため、ダニの繁殖がしやすいです。
既に感染してしまい、治療を行っているのに完治しない場合は、耳垢などの汚れがたまっている可能性があります。
耳の中に汚れがあると、薬を投与しても全体に行き渡りません。
ダニに感染している場合の猫の耳垢は真っ黒で、ひどいと耳の中全体が汚れでびっしり、なんてこともあります。
黒い原因はダニの死骸、フン、卵などなので、すぐにでも掃除してあげましょう。
しかし感染中に自分で耳掃除してしまうと、耳垢などの汚れ、ダニの卵などを奥にやってしまう危険性もあるため、不安な場合は動物病院で掃除してもらうのが良いでしょう。
感染してしまっている場合、卵をカーペットや床など様々なところに撒き散らしている可能性もあります。
また、ミミヒゼンダニの感染、繁殖力はとてつもなく強いので、人間に寄生してしまうこともあります。
耳だけではなく、家の中の掃除も綿密に行う方が良いでしょう。
外に出さない
ミミヒゼンダニの主な感染源は、既に感染している母猫から子猫がもらうか、外でもらってくるかの2つです。
治療中の場合は絶対に外に出さないことが重要です。
予防策としても完全室内飼いが適切だと言われています。
そうはいっても室内飼いが難しい場合は、いずれダニをもらってくることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
しかし予防薬もあるので、きちんと飼い主が予防すれば感染を防ぐことは可能です。
それでも感染してしまう場合もあるので、こまめにチェックしましょう。
市販薬より病院の方がオススメ
予防薬、治療薬共に市販でも買うことができます。
値段も安いものなら500円前後、高いものではセットで6,000円前後など、幅広く揃っています。
点耳タイプのものからミストタイプ、シャンプータイプと用途に合わせて購入できます。
なかなか病院へ連れて行く時間が作れない場合は、市販薬でも対処しましょう。
しかし、既に感染してしまって悪化している場合はそうとも限りません。
薬ならどれも同じ、と思いがちですが、市販薬と病院で出せる薬では、圧倒的に病院薬の方が効き目が強いのです。
人間の薬も、病院で処方箋も貰わないと手に入らない薬がありますよね。
それと同じで、市販薬では治療に限界があります。
効き目が強いということは、それなりのリスクもあるということですが、きちんとした病院で正しい処方をされていれば大丈夫なので安心しましょう。
病院だと高くなりそうと思っているかもしれませんが、1回の治療で1,000~3,000円ほどです。
他に病気があったり重症化している場合は更に高くなるかもしれませんが、効果の薄い市販薬で猫にストレスを与えるよりは、きちんと通って治療した方が結果的に安く済むかもしれません。
ダニを甘く見ていると、外耳炎を悪化させ、運動障害になってしまう危険性もあります。
ダニを見つけたら、まずは病院で診てもらいましょう。
猫の耳ダニを治療・予防しよう
耳ダニは完治することが出来る病気ですが、治療は長引く事を覚えておきましょう。
また、一度寄生してしまうと繁殖率も非常に高いのが厄介です。
素人目で見ても耳の中の汚れ、黒ずみはすぐに分かるので、異常があればすぐに病院に連れて行ってください。
人間が使う布団やカーペットなどにもダニは発生するので、家の掃除も適度にしつつ、日頃より猫とスキンシップをとって早めに病気に気付けるようにしましょう。