日本でも海外でも、猫が登場する絵本は数え切れないほどあります。

絵本の中の猫たちは、お昼寝したりごはんを食べたりするだけでなく、冒険し、知恵を絞り、時には戦い、大活躍します。

かわいい猫、賢い猫、ちょっとおまぬけな猫、たくましい猫。

絵本の世界に入って色々な猫たちと出会ってみませんか。

うきわねこ

表紙で、少し空気の抜けた風船を抱えている子猫がこの絵本の主人公です。

柔らかいタッチで描かれた絵はどれも温かく、ふわふわした手触りが伝わってくるようです。

猫の「えびお」に届いた、おじいちゃんからの誕生日プレゼントはうきわでした。

でもただのうきわではなく、そこには特別な魔法が隠されていたのです。

満月の夜、うきわを抱えて出かけた先で待っていたものは・・・。

まるでフェルメールのような柔らかい光と薄い影の世界で、うきわに乗った猫の姿には思わず頬がゆるんでしまいます。

夜の海や夜明けの森が印象的な一冊です。

いたずらこねこ

1964年に初めての日本語版が出版されて以来、重版を繰り返されているベストセラーの絵本です。

登場するのは子猫とカメだけ。

まるで定点カメラからの映像のように動かない舞台で、物語は淡々と進みます。

初めてカメを見た子猫の好奇心と驚きが、シンプルで静かな線画の中にあふれています。

猫って新しいものを見るとこうなりますよね。

そしていよいよ最後に大事件が起こります。

子猫のかわいさがぎゅっと詰まった、思わず笑ってしまうラストです。

よるのねこ

人間たちが寝静まった夜に猫たちが何をしているのかを想像した絵本や物語はたくさんあります。

中でもこれは、絵本であることが最大に生かされた作品です。

夜眠れない猫たちは、もちろんお散歩に行くのです。

まず、人間が見ている夜の世界が描かれます。

まるで切り絵のような、町の黒いシルエット。

そしてページをめくるとそこは猫の目でみた夜の世界が描かれます。

なんてカラフルで驚きに満ちた世界でしょう。

本当に猫にはこんなふうに夜が見えているのだとしたら、とても素敵だと思いませんか。

そうして冒険を終えて帰ってきた猫が寝ていると、飼い主さんは思うのです。いつも寝ている猫だなと。

くろねこさんしろねこさん

真っ黒な毛にきらきら光る金色の瞳を持つ猫と、真っ白な毛に透き通った水色の瞳を持つ猫。

仲良しのくろねこさんとしろねこさんがお散歩に行くと、黒い場所ではくろねこさんが見えなくなり、白い場所ではしろねこさんが見えなくなります。

どこに行ったの?と探す絵本です。

でも大丈夫、ちゃんとかわいいおめめは見えています。

最後はふたりいっしょに土埃をかぶってしまって・・・あまりのかわいさに思わずにっこりしてしまいます。

裏表紙のイラストもかわいくて、最後まで楽しめる絵本です。

すーちゃんとねこ

「100万回生きたねこ」でおなじみの佐野洋子さんの絵本です。

猫好きの作者らしく、彼女の絵本に登場するのは個性的でリアルで、心惹かれる猫たちです。

この本に出てくる猫は、友達である人間の子ども「すーちゃん」と遊んで、けんかして、仲直りして、精一杯生きているいじらしい子猫です。

落ち込んだり得意になったり、くるくる変わる表情に引きつけられます。

なにより表紙に描かれた、すーちゃんと猫の表情がとても良いでしょう。

この絵だけでも二人の気持ちがよく分かって、小さな友情を応援したくなります。

くつやのねこ

まるで水彩画の画集のような美しい一冊です。

「長靴を履いた猫」をモチーフに、知恵を絞って飼い主を助ける猫の物語が描かれています。

ボローニャ絵本原画展でも高く評価されたスタイリッシュでスマートな絵本で、登場する猫にも凛とした強さが漂います。

魔物と戦うラストには、ちょっとゾクッとするような一場面も。

その一方で、ほっぺの赤い点や白くて小さな手に猫のかわいらしさがぎゅっと詰まっていて、何度も見入ってしまいます。

よくばりすぎたねこ

表紙の猫は、蝶ネクタイをして、ひげをなでながら、ある考えにふけって笑いをかみ殺しています。

その横には小さな鳥の姿が。

実はここでもう種明かしがされているのです。

ニワトリのたまごだと思って育てていたのに思わぬ結末になり、あっと驚き笑ってしまう話です。

それにしてもこの「よくばりすぎた」猫の想像力の豊かさには感心してしまいます。

まるでトムとジェリーのトムのような、憎めない猫です。

大人も子供も楽しめる絵本です。

ねこのゴンサ

最後にご紹介するのは、一緒に暮らしていた人間のおじいさんと離れ離れになってしまう猫のおはなしです。

二人はとても仲良く暮らしていましたが、おじいさんはだんだん忘れっぽくなって一人暮らしは危ないと、施設に入ることになります。

ゴンサは別の家に引き取られ「ゴンサなんて変な名前ね」とおじいさんがつけてくれたのとは違う名前で呼ばれるようになります。

ある日、仲良しのカラスがおじいさんのいる場所を教えてくれ、ゴンサは見たこともない大きな道を一人、駆けだすのでした。

さて、おじいさんに会うことはできるのでしょうか。

ラフに描かれた小さな猫の、大きな瞳が印象的で心に残ります。

子猫のいじらしさに心がぎゅっとしめつけられ、読後は爽やかな気持ちになれる絵本です。

バリエーション豊かな猫の出てくる絵本たち

現実の猫とは違う、絵本のなかの猫たち。

かわいい猫、賢い猫、勇気のある猫。

あなたはどの猫に会いに行きたくなりましたか?

絵本の中で、泣いたり笑ったりして一緒に過ごしたら、猫がますますかわいく大切に思えてくること間違いなしです。