現在は、空前の猫ブームだと言われています。
独身の人が増える中、散歩が不要で人ではなく家に付くので一人で留守番の出来る猫は、一人暮らしの寂しさを紛らわせてくれる理想のペットだと言えるのかもしれません。
また、近年では多数の毛や瞳の色を持つ新しい種類の猫を人為的な交配によって、作り出そうとしています。
そのために、市場には非常に多くの種類の猫が存在しているので、自分好みの毛や瞳を持つ猫を捜し出すことも容易に出来ます。
今回はその中でも特に人気のある愛らしい瞳と長い毛を持ち、毛長種の代表格としてよく紹介されるペルシャとチンチラに注目します。
一見似た外見を持つため、同じ種類の猫だと誤解を受けることも多々あるペルシャとチンチラですが、その違いをご紹介します。
チンチラとペルシャの歴史
ペルシャ猫はその豪華な長い毛と悠然とした動きから「猫の女王」と呼ばれ、高い人気を誇っていました。
当初はチンチラはおらず、ペルシャ猫は1,500年以上昔にはすでに存在していたとされていますが、未だに詳しい発祥地などは謎に包まれています。
しかしながら、アジア発祥の猫であることは確定しています。
その後、人気のあるペルシャ猫の毛の色を多様化しようと行った幾度かの交配の末に誕生した新たな品種のひとつがチンチラになりました。
同様に発生した品種の中で、現在も人気があるものにはヒマラヤンやエキゾチックショートヘアなどがあります。
また、チンチラが初めて世間に登場したのは1800年代のイギリスで行われたキャットショーでした。
当時はその美しさに皆の羨望を受け、一気にチンチラの知名度は世界に広がり、現在も愛される猫へとなったわけです。
毛の違い
ペルシャ、チンチラ共に長い毛を持っています。
二種類共に毛の生え方は同様で、特に首周りと尻尾周辺には一層毛が密集しており、豪華で華やかな印象を与えています。
毛の色に関しては、もともと毛色のバリエーションの少なかったペルシャ猫の毛色のバリエーションを増やすために行った人為的交配の末にチンチラが生まれました。
その時には、毛の先が黒味かかった「スモーク」とよばれるペルシャ猫と縞模様の「シルバータビー」とよばれるペルシャ猫を交配させました。
現在ではペルシャ、チンチラ共にホワイト、シルバー、シェーデットカメオなどの他、縞模様が入ったものなども含めるとその毛色の種類は100種類以上に昇ります。
長い毛をもつ為、毛づくろいの際に自分の毛玉を詰まらせて吐いてしまうことも多々あります。
それを予防する為にも、毛玉排出を促すペットフードを与えたり、ブラッシングをこまめにするなど気をつけてあげる必要があります。
顔の形の違い
ペルシャとチンチラを見分ける時に、一番分かりやすいのが両者の顔の形の違いです。
ペルシャの顔は、正面から見ると鼻を中心としてクシャリと潰れているように見えます。
しかし、チンチラにはそのような凹みは見当たりません。
この愛らしい鼻ぺチャ顔は「ピークフェイス」と呼ばれ、ペルシャの大きな特徴です。
しかし、この顔の形によって涙の管が詰まってしまうことも多々あるので、こまめに目を拭いてあげなくてはなりません。
目の違い
ペルシャ、チンチラ共に大きな目が若干離れてついているのが特徴的です。
しかし、ペルシャに比べてチンチラの方が目が大きく、印象的に見えることが多いです。
何故なのでしょうか。
それは、チンチラの目の渕に特徴があるからです。
チンチラの目をよく見てみると分かるのですが、チンチラの目の際は黒くなっています。
言ってみれば、女性がお化粧で施すアイラインがもともと引いてあるといったところでしょうか。
それでは目力も上がりますよね。
女性ファッション誌などで猫の目メークの特集を見てみると、大抵チンチラの目の周りと同じ形でアイラインが引いてあります。
そんなチンチラの丸くて可愛らしく小悪魔的な目で見つめられては、飼い主もその可愛さに骨抜きにされてしまいますよね。
耳の違い
どちらも、小さめの耳が若干離れた所についています。
また、耳の先は少し丸くなっているいるという特徴があります。
性格の違い
ペルシャ、チンチラ共に非常に似た性格をしています。
それは、どちらもおっとりとしていて、大人しい性格をしているからです。
子どもでも高いところに登ってヤンチャな遊びをすることも少なく、ほとんど鳴きません。
発情期でさえも鳴かないオスがいることで有名なくらいです。
絡まりやすい長い毛を持っているのでブラッシングは必須なのですが、特に嫌がることもなくやらせてくれるので、飼い主の手を煩わせることの無い優等生だと言えます。
猫の中でも特別温和な性格で有名なので、とても飼育しやすいと言えます。
また、飼い主への愛情が深く、猫にしてはよく飼い主のいうことを聞いてくれるので、可愛いですよ。
ルーツは同じペルシャとチンチラ
一度見たら忘れられないほど可愛らしいペルシャとチンチラ。
世界中では根強いファンが多く、血統書付きのものだと他の種類の猫よりはるかに高額になります。
しかし、そのルーツが同じことから海外では同一品種だと分類されることも多々あります。
今回改めて比べてみると、確かに顔の形意外は似ている部分が多いため、それも納得できますよね。