ペットとしての猫というと、多くの人は可愛らしいアメリカンショートヘアなどをイメージするかもしれません。
しかし、そうした猫以外にも、野生のヤマ猫に似たワイルドなルックスの猫も魅力的だと思いませんか?
今回は、ちょっと大きめで野性味あふれるピクシーボブの特徴をご紹介します。
ピクシーボブはどんな猫?
ピクシーボブは、ごく最近になってアメリカで作り出された猫種です。
アメリカの女性がカナダの山中でしっぽが短く、多指症の猫を保護しました。
そのすぐ後に、同じような場所で、しっぽが短く体の大きな猫を相次いで発見しました。
そのため、この周辺に土着するしっぽの短いボブキャットの遺伝子を持つ子孫だと思ったそうです。
ボブキャットは北米に住むヤマ猫の一種。
1mにもなる大きな体と、体の斑点模様や飾り毛のついた耳などの特徴的な容姿をしています。
このヤマ猫の血を引く新たなイエ猫を育てようと、様々な交配が試されて生まれたのがピクシーボブです。
しかし、遺伝子検査においてヤマ猫の遺伝子はまったく存在しないことが判明しています。
そのため、現在ではボブキャットのような特徴を持つイエ猫の一種とされています。
正式な猫種としての登録は、その登録団体によって判断が分かれています。
ピクシーボブの外見
ペットとして飼われる猫としては、かなり大きい体をしています。
中には10kg以上になるものもおり、普通の猫の倍くらいの大きさがあります。
名前にもある通り、ボブテイルと言って、しっぽはほとんどないか短いものが多いです。
体の被毛は明るいブラウンをベースに、黒い斑点模様や縞模様が入っています。
大きくピンと立った耳の先端に黒い飾り毛が伸びるというのもピクシーボブの大きな特徴です。
基本的には短毛種ではありますが、少し長めの被毛を持つものいます。
ピクシーボブは意外と社交的な性格
野生のヤマ猫に似せるために交配が重ねられてきましたが、性格はいたってペットらしい猫です。
とても人に社交的で、飼い主や子どもなどの小さな家族にもよく懐いてくれます。
また高い社会性を持ち、まるで人間のように家族の一員に溶け込みます。
人の言葉がわかるとも言われ、とても賢く、コミュニケーションが取れる猫としても有名です。
そうした知性や性格もあってか、一方で寂しがり屋や、嫉妬心もあるとも言われます。
他の人やペットに嫉妬したり、長時間相手をしてもらえないと拗ねてしまうこともあります。
ピクシーボブの寿命と気を付けたい病気
ピクシーボブの平均的な寿命はだいたい10〜14年と言われています。
知られるようになってから日が浅いということもありますが、体のサイズを考えると平均的と言えます。
大きな病気にもかからず、健康で長生きしてくれる猫が多いです。
ピクシーボブには遺伝的な病気や先天的に抱えている体のトラブルはほとんどありません。
こうした丈夫な猫である背景には、たくさんの猫と交配されているという生い立ちが一因と考えられています。
交配された猫の多くはアメリカやカナダの自生種の猫であり、多様な猫種の遺伝が混じり合っています。
そうした猫と交配されることで、純血種の抱えるような遺伝疾患は起きにくいとされています。
ピクシーボブを飼っている時の注意点
ピクシーボブは運動や遊びは好きですが、体の割に多くの運動を必要としません。
また自分で歩いたり、高いところに登ったりと、自発的に行動ができるタイプの猫でもあります。
もちろん、運動しなくて良いわけではないので、キャットタワーなどを用意する必要があります。
体が大きい分、倒れたりしないようにしっかりと固定したりして設置してあげましょう。
ボール遊びが好きだったり、散歩をするのも好きな猫です。
ハーネスにリードをつけて、外をお散歩するようなこともできたりします。
こうしたピクシーボブの特徴を挙げていると、まるで犬のような猫にも思えてしまいますね。
ピクシーボブの値段は?
ピクシーボブは日本ではほとんど知られておらず、見つけるのはとてもレアと言えます。
国内にも少数のブリーダーがいますが、良いタイミングで子猫と出会えるかは運次第です。
飼いたいなと思った場合は、ほとんどは海外からの輸入に頼らざるを得ません。
個体の値段や、輸入に関する手続きなどで、比較的値段は高くなってしまいます。
だいたい30〜60万円ほどはするものだと思っていてください。
また体が大きい分、普通の猫よりも食欲は旺盛で、エサもたくさん食べます。
筋肉質な体や、丈夫な骨格を育てるためにも、栄養価の高いキャットフードを与えたいものです。
飼育する時にも、そうしたエサ代などがかかるということを心得ておきましょう。
ピクシーボブの特徴を知ろう
体やその生い立ちは非常に特徴的なピクシーボブですが、すごくペットとしては魅力的な猫ですよね。
見た目はワイルドなのに、とても利口で人に懐いてくれるというのは驚きです。
あまり荒っぽい性格だと、「飼えるのかな?」と思ってしまいますが、一度飼うとその魅力にメロメロになることでしょう。
ピクシーボブを飼うと溺愛してしまう人が多く、そのハマりっぷりから「ボブキチ」と呼ばれたりします。
それを聞くと、「いつかは飼ってみたいな」と思う憧れの猫ではないかと思います。