日本にも尻尾の短い三毛猫がいるように、世界中のさまざま国に、そこで生まれた猫というのが存在します。

今回はその中から、イギリスで生まれた猫を紹介します。

イギリスでは昔から猫を飼うという習慣があり、世界初のキャットショーは19世紀のロンドンで行われました。

そんな猫との馴染みの深いイギリスでは、どんな猫が飼われているのかご紹介します。

ブリティッシュショートヘア

その「ブリティッシュ」という名前の通り、イギリスで古くから親しまれている猫がブリティッシュショートヘアです。

これも名前の通りですが、毛は短く、しっかりとした体つきで、運動能力も高い活発な猫です。

他にも長毛種もいますが、最近のブリティッシュショートヘアは交配が進んでいて、様々な毛色の猫が増えてきています。

それまではブリティッシュブルーという、ブルーの毛色が特徴で、いまでもいちばん人気のある色です。

よく動いたり、猫らしい猫ではありますが、性格は大人しく、もの静かでもあります。

飼い主にはとてもよく懐いてくれて、従順な性格をしていると言われています。

なんとなくこの辺りの性格が、単に「イギリス生まれ」というだけでなく、猫にイギリスという国の気品を感じさせる所以ではないでしょうか。

ブリティッシュショートヘアはイギリスだけでなく、アメリカや日本でもとても人気がある猫のひとつです。

スコティッシュフォールド

もうひとつ、イギリス生まれの猫として代表格なのは、スコティッシュフォールドではないでしょうか。

この猫は、スコットランドで偶然発見された猫をルーツとしています。

「折れ耳」という意味のフォールドという名前のつく通り、垂れた小さな耳がとても可愛らしい猫です。

折れ耳と同じくらい特徴的なのは、そのクリクリっとした目で、表情にとても愛嬌がありますよね。

この目や体の大きさは、先に紹介したブリティッシュショートヘアとの交配が進んだ影響だと言われています。

性格はとても温厚で、見た目通り人懐っこいので、猫の愛好家だけでなく、多くの猫好きに愛されています。

他の猫と比べると少しおっとりしている感じもしますが、そのおかげで他のペットとも仲良くすることができます。

そうした扱いやすい性格や世話のしやすさから、家で飼うペットとしてともて人気があります。

スコティッシュフォールドのような折れ耳の猫は遺伝性の病気になることがあるので、飼うときには必ず定期検診を受けることをオススメします。

ロシアンブルー

日本でもとても高い人気のあるロシアンブルーは、20世紀にイギリスで改良が進んで普及した品種です。

元々はロシアにいた自然種だと言われていますが、第二次世界大戦以降にイギリスで交配が進んだ結果、現在の市民権を獲得しました。

ロシアンブルーの特徴は、何と言ってもその品格のあるブルーの色と、ふわふわの触り心地の被毛ですよね。

シュッとしているスリムな体型や、凛と澄ました表情にも独特の雰囲気があります。

一見とっつきにくいように見えてしまいますが、ロシアンブルーは飼い主に対しては非常に従順です。

しかし、やはり人懐っこい性格ではないらしく、飼い主以外には警戒心を抱くというシャイな性格をしています。

また、家の中でほとんど鳴き声を出すことがなく、本当に静かで大人しい上品な猫だと言えます。

身体能力も高く、体も丈夫なので、猫を飼う初心者でも比較的飼いやすい猫だと言われています。

ヒマラヤン

ヒマラヤンは、その面影にあるように、ペルシャとシャムの交配によって生まれた新しい品種の猫です。

ペルシャの美しい毛並みをそのまま引き継ぎ、顔と尻尾のポイントカラーが特徴的なルックスをしています。

ヒマラヤンの名前の由来は、その毛並みがヒマラヤうさぎに似ているからだと言われています。

長毛種特有の出で立ちの優雅さや、その穏やかな性格から、長毛種の代表格とも言えるでしょう。

ペルシャに由来する温和な性格で、環境の変化にはそれほど敏感ではなく、それほど神経質なタイプではありません。

大きな声で鳴くこともなく、静かに座っていたりすることが多いので、集合住宅でも飼いやすい猫です。

運動量は多くないのですが、毛足が長いので毎日のブラッシングは必要になってきます。

長毛種に共通するものですが、毛玉ができたりすると皮膚炎などにかかりやすくなるので注意が必要です。

デボンレックス

デボンレックスは、イギリスのデボン州で発見された突然変異の猫をルーツにしている猫です。

全身の短く、そしてうねるようにカールした毛、それから小さな頭と細身の体がとてもインパクトがあります。

頭の大きさのわりに、ぎょろっと目立つ大きな目も、見る人の視線を惹きつけます。

先に紹介した他の猫とはちょっと雰囲気が違いますが、ファッションモデルのようなシュッとした出で立ちで、非常にスタイリッシュな印象を受けます。

その見た目からすると神経質や繊細なのかな?と思ってしまいますが、意外によく人に懐く性格をしています。

少し警戒心が強いとも言われますが、同時に非常に好奇心の強い猫でもあります。

そのせいか、その長い手足としなやかな筋肉を使って元気よく動きまわるので、家の中ではキャットタワーなどがあるといいでしょう。

デボンレックスにはときどき遺伝性の疾患があったり、ストレスで病気になる猫がいるので、健康管理にはじゅうぶんに注意しましょう。

イギリス原産の猫たちを知ろう

ブリティッシュショートヘアやスコティッシュフォールドなど、イギリス産の猫には広く親しまれている種類がたくさんあります。

ロシアンブルーやヒマラヤンといった、とても美しい被毛を持つ猫も、イギリスで交配が進んだものが多くなります。

そう言われてみると、どの猫にも、私たちが「イギリス」と聞いて連想する上品さが洗練された感じが備わっているような気がします。

イギリスでは、古くから猫の飼育は交配がされてきており、多くの人がこうした猫を親しんできています。

大人しい性格や、飼いやすさというのは、こうしてイギリスで長く交配されてきた間に培われてきたものかもしれませんね。

性格や体の丈夫さなども考えると、初めて猫を飼う人にも、こうしたイギリス産の猫はぜひオススメです。