アメリカンカールは、その名の通り耳が外側にカールしているのが特徴的な人気の猫種です。
では、そんなアメリカンカールにはどのような特徴があり、どのような性格をしているのでしょうか。
飼育する上でのポイントや、購入方法などもご紹介します。
アメリカンカールの特徴
アメリカンカールは1981年に、カリフォルニア州レイクウッドに住んでいたルーガ夫妻の元に子猫が迷いこみ、「シュラミス(黒い美人)」と名づけられた猫がルーツとなっている新品種の猫です。
短毛・長毛どちらも確認されており、体重は2.5~5.5キロほどです。
頭部は丸みのあるくさび形、ボディはやや短くずっしりしているセミフォーリンタイプのボディです。
体は比較的大柄で筋肉質、目はやや大きめのくるみ型で色も様々、長毛種でもアンダーコート(長い毛の下に生える毛)が少ないのでもつれにくく、毛玉ができにくい猫種です。
手触りの良い毛並みと、飾り毛が豊富でふさふさとした長いしっぽを持ちます。
体格が完成するまでには2~3年、長毛種の被毛が完成するまでには3~4年かかります。
そして、アメリカンカール最大の特徴とも言えるのが、後ろ向きにくるんとカールした耳です。
カール耳の遺伝確率は50%で、カールの反り具合によって「ペットタイプ」「ショートタイプ」「ブリードタイプ」の3段階に格付けされており、完全な三日月形の耳を持つ猫はキャットショーなどで評価されます。
通常は普通の猫と同じようにストレートな耳で生まれ、生後2~10日ごろから耳に軟骨が入り始めて特徴的なカールが現れてきます。
カールが固定するのは生後4ヶ月ごろで、それまではカールが取れたり進んだりします。
また、カールした耳を触ると軟骨が傷ついてしまったり、カールがなくなってしまう原因になったりしてしまうので、極力触らないようにする必要があります。
アメリカンカールの性格
とても明るくて愛嬌たっぷりですが、それでいておとなしい性格をしています。
好奇心旺盛で順応性も高いです。
飼い猫がルーツであるため人間への警戒心も少なく、普通は苦手である子供に対してもすぐに懐いてくれることが多いです。
甘えん坊でいつまでも子猫のような性格も見られ、「猫のピーター・パン」「ピーターパンキャット」の愛称を持っています。
テリトリーへの執着心も少ないため、多頭飼いに適しているだけでなく、知能が高くしつけもしやすいので、初めて猫を飼う方や、マンションでの飼育にも適しています。
イタズラすることも少ないので、一人暮らしや家を空けることが多い場合でも問題なく留守番してくれます。
アメリカンカールの寿命
アメリカンカールの平均寿命は12~16年ほどと、猫の中ではやや長めです。
飼い猫がルーツのアメリカンカールは多様な遺伝子を持つため、遺伝性の病気や障害の発生が少なく、純血種としてはとても丈夫で健康であるとされています。
しかし、耳が外側に向いているため、外耳炎などの耳の病気が多い猫種です。
そのため、定期的な耳のケアが必要になります。
また、長毛種の場合は長い毛を飲み込むことで起きる毛球症にも注意してください。
1日数回のこまめなブラッシングと2週間に1度程度の定期的なシャンプー、毛玉ケア用のキャットフードを与えたり、いわゆる猫草を与えたりして毛玉の排出を促進してあげるのも効果的です。
アメリカンカールの値段
アメリカンカールの価格の相場は5~15万円ほどです。
さらに、キャットショーでの評価基準を満たしていて、アメリカンカールの特徴がきちんと出ている個体ほど価格は高くなります。
また、シールポイントと呼ばれるこげ茶色はとても人気が高いため、20万円以上することもあります。
ブリーダーからの直接購入の場合は、専門知識が豊富で信頼できるブリーダーを選びましょう。
専門ブリーダーのもとで育ったアメリカンカールは、病気の予防や対策が徹底されているため、より健康な子猫である可能性が高いです。
しかし、利便性が高いのはペットショップでの購入です。
ブリーダーからの直接購入に比べると価格は高いことが多いですが、猫用トイレやキャットフードなど必要なものをあわせて購入することができます。
ただし、親猫の情報や生まれた環境などが明確でないこともあるため確認が必要です。
里親制度を利用する場合は原則無償で引き取ることが可能ですが、アメリカンカールと出会えるまで時間がかかってしまうこともあります。
また、ワクチン接種1回あたり5千円程度、避妊・去勢手術に2万円程度の費用が別途発生します。
アメリカンカールと一緒に暮らそう
猫と一緒に暮らしていく上で大事なことは「人間も猫も幸せであること」です。
本来、猫は単独生活する動物のため、猫の性格によっては触られるのが苦手な猫などもいます。
そのため、アメリカンカールだからと言って、上記のような性格になるとは一概には言えません。
猫によって個性が様々あり、好きな食べ物や好きなおもちゃなど、嗜好も違います。
それぞれの個性を理解し、猫に寄り添い、人も猫も幸せに暮らせるように心掛けることが大切ですね。