猫の性格は毛色によって違うと言われています。
聡明で気が強い白、甘えん坊の黒、気分屋な三毛といった感じで、当たっていると思う人もいれば、そうではないと思う人もいるかもしれませんね。
では、キジトラはどんな性格だとされているのでしょうか。
今回はキジトラのルーツと、ルーツからくる性格や特徴についてご紹介します。
世界最初の家猫はキジトラだった
そもそも猫を飼うようになったのは紀元前5,000年ごろ、古代エジプトが最初だと言われています。
ネズミや蛇などの駆除のため、もともと野生の山猫だったものを飼い慣らしたと言います。
このあたりは、かつての日本と大きく変わるところがないのが面白いところです。
当時のエジプト周辺には、ジャングルキャットとリビアヤマネコの2種類がいたのですが、ジャングルキャットがあまりにも気性が荒くて飼い慣らすことができなかったのに対し、リビアヤマネコは次第に人になつくようになり、ついにはペットとして飼われるようになったのです。
実はこのリビアヤマネコ、毛色がキジトラのものしかいなかったのです。
当時は王墓に猫のミイラが納められることもあったのですが、この猫たちはすべてキジトラだったのです。
その後、突然変異などを経ていろいろな毛色が増えていくのですが、歴史上、最初にキジトラ以外の模様の猫が記録されている文献は6世紀のギリシャのものだとされています。
つまり、何千年も猫といえばキジトラの時代があったということです。
キジトラは全ての家猫のルーツとも言えるのではないでしょうか。
そのため、キジトラはそのルーツであるリビアヤマネコに近い、つまり野生種の面影を残している性格だとされています。
警戒心が強い
猫に限らず、野生種は基本的に警戒心が強いです。
ちょっと気を抜けば命に関わる事態を招きかねないので、生きていくためには常に周囲に注意を払っていないといけないからです。
そうした野性味の強さが影響しているのでしょうか、キジトラは比較的警戒心の強い個体が多いとされています。
飼っていてもなかなかお腹を撫でさせてくれなかったり、いきなり飼い主を威嚇してきたり、抱っこをすごく嫌がったりしてしまうのです。
もちろん、お客さんが来たらすぐに逃げてしまうので「愛想がない」と思われてしまうかもしれません。
野良猫を撫でようとし逃げられてしまった猫好きは数多くいますが、同じことを家猫でやられると、ちょっとへこんでしまうかもしれませんよね。
そういう意味では「慣れにくい」のがキジトラだと言えるでしょう。
ただ、警戒心が強いだけに、一度慣れてしまえばとことん甘えん坊になるのもキジトラの特徴です。
なかなか懐いてくれなかった子が、ある時を境に自分だけにはベタベタに甘えるようになるのですから、これは猫飼い冥利に尽きるというものではないでしょうか。
キジトラを飼うなら「辛抱強さ」は必要かもしれません。
なかなか懐いてくれなくても辛抱していれば、いつかは自分に甘えてくれるのです。
そうした醍醐味を味わうための辛抱なら、いくらでもできますよね。
「狩り」が好き
猫は基本的に肉以外のものは食べない、完全肉食動物だとされています。
野生種の場合、家猫と違ってエサをくれる飼い主というものは存在しませんので、エサである肉を食べるためには狩りをしなければなりません。
当たり前のことですが、畑に肉は実ってくれないからです。
野性味を残しているということは、そうした狩りの本能が強く残っているということになります。
具体的には虫や小動物を見つければ夢中になって追いかけますし、おもちゃも飼い主がちょっと引いてしまうくらい真剣に相手をしてくれます。
もともと猫のおもちゃは狩りの修正を利用しているものが多いため、野性味を強く残しているキジトラとは相性が良いのでしょう。
付け加えると、野性味が強いということは体力があるということにも繋がります。
ちょっと運動をしただけで音を上げてしまうようなことはなく、いつまでも遊び続ける子が多いのがキジトラだと言われています。
それだけに家の中では「暴れん坊」な側面があるのはちょっと困るかもしれませんが、可愛いペットのやることです、広い心で許してあげましょう。
キジトラの場合、遊びに付き合ってあげるためにも、飼い主の「辛抱」が必要になってくるということです。
満足するまで長時間遊び続けますので、時間をかけて遊びに付き合ってあげてください。
従順な「下僕」だと認識したならば、あなたにベタベタに甘えてくることもあります。
キジトラ猫を飼おう
キジトラは野性味が強く、慣れるまでのプロセスでも、遊びに付き合ってあげるときでも、飼い主の「我慢」が必要になってきます。
野性味の強い子に振り回されながらも、やがてベタベタに甘えてくれる醍醐味を味わいたい、そんな人にオススメなのがキジトラです。