灰色で光沢のある毛並みが美しいロシアンブルーという猫は日本でも人気のある種類です。

しかしあまり知られていませんが、長毛のロシアンブルーとも呼ばれる品種がいるのです。

それがネベロングという猫種です。

ネベロングとは

ネベロングの起源は今から30年ほど前の1984年にあります。

当時アメリカのコロラド州デンバーにコーラコブという女性がいました。

彼女の二匹の飼い猫(短毛と長毛の黒猫)から突然、灰色の毛並を持つ子猫が生まれたのです。

コーラはその後も何度か子猫を誕生させました。

1984年に生まれた母譲りの美しい被毛と、父譲りの長い胴体を持つ子猫を、TICA(世界的猫の血統登録団体)に登録することにしました。

その後アメリカの愛猫団体(AFCA)やドイツの愛猫団体(WCF)においても、、その存在を認められるようになりました。

正式にはロシアンブルーではなく異なる新種の猫なのですが、品種改良の過程においてロシアンブルーの遺伝子も入っているという、少々ややこしいところがあります。

ちなみにネベロングという名前の由来は、ドイツ語の霧という言葉と、同じくドイツの叙事詩ニーベルゲンの歌、そして英語のロング(長い)などの意味を足して名付けたと言われています。

ネベロングの特徴、性格

ネベロングはロシアンブルーに似ている猫とも呼ばれ、被毛は長く美しい灰色です。

カラータイプはこの色一つだけしかありません。

その被毛はまるで絹のような手触りで、尻尾に近づくにつれ毛が長くなっています。

また、ネベロングの雄の個体は首回りに飾り毛があります。

体つきに関してはサイズは平均的な猫の大きさですが、胴と尻尾が長いという特徴が見られます。

耳は顔の大きさに比べて大きく、目のカラーはイエローやグリーンです。

ネベロングの性格は基本的に遊び好きで愛情深く、穏やかな性格です。

鳴き声もうるさくありません。

しかしながら神経質なところもあるようで、知らない人が来ると隠れたり、うるさくするので小さな子供などもあまり得意ではません。

本当に信頼できる人と狭く深い関係を築くタイプの猫です。

犬や猫とも共存できる種類ですが、一緒に飼いたい場合、ネベロングが一匹で静かにくつろげる部屋などを与えてあげる必要があるでしょう。

ネベロングの値段、購入

ネベロングの値段は日本ではまだ珍しいのか、明確な情報が提示されていません。

しかしながら、非常に似たタイプであるロシアンブルーの販売価格が15万円~20万円となっています。

ロシアンブルーより珍しいタイプのネベロングは、これ以上に高額になる可能性が高いと言えます。

購入に関しては、日本国内でネベロングを見つけることは、販売店、ブリーディングにおいてもかなり困難でしょう。

飼育するなら輸入代行業者に依頼して海外から取り寄せるということになるかもしれません。

個人輸入もできますが、手続き、安心度などの面で不安や難しさが多々あるので、オススメではありません。

ネベロングの寿命、健康

ネベロングの寿命は15年~18年です。

平均的な猫の寿命がだいたい15年ですから、かなり長命な部類に入るでしょう。

最も長命な個体では20年近く生きたという話もあります。

健康に関しては比較的新しい種類の猫なので、まだ分かっていない点が多いのが現状です。

神経質な性質があることから、トイレが汚れていることなどを特に気にするようで、汚いと用をたさなかったりして膀胱結石や膀胱炎になることが判明しています。

毎日きちんと排泄しているかどうかよく観察してあげる必要があるでしょう。

また長毛であり長めの被毛なので、毛を飲み込むなどの症状にも気をつけてあげましょう。

ネベロングの被毛等のケア

ネベロングの被毛は見た目ほど毛玉になったりはしないようです。

しかし、長毛の猫なのでよく毛が抜けるという面がありますので、最低でも週一回はブラッシングしてあげる必要があります。

コーミングなども週に2~3回はしたほうがよいでしょう。

ネベロングは寂しがり屋で、放っておかれるとすねてしまう性格をしています。

ブラッシングなどをまめにすることは猫とのコミュニケーション不足防止にもなります。

夏は長毛ということもあり暑くて熱中症になってしまったり、皮膚病などの心配もあります。

よく様子を見ることはもちろんのこと、頻繁になでたり抱っこしたりして体の状態チェックしてあげましょう。

ネベロングの特徴を知ろう

ネベロングはロシアンブルーにも似て、グレーの美しく長い毛並を持つ優雅な猫です。

美しい猫、気品のある猫が飼いたい人には大変オススメの品種です。

また性格は見た目に反して気取ったところがなくよく懐きます。

日本ではまだ希少な種類ですが、興味を持ったなら海外からの輸入も含めて検討してみましょう。