スコティッシュフォールドは、スコットランドで生まれたスージーという突然変異で耳が折れた猫を起源とする猫の品種で、fold(折りたたまれた)という英語名から折れ耳が最大の特徴です。

しかし、実はスコティッシュフォールドには折れ耳だけでなく立ち耳の猫もいて、どちらも人気です。

ここではスコティッシュフォールドの立ち耳と折れ耳との違いについてご紹介します。

どちらもスコティッシュフォールドだけどキャットショーでは折れ耳が高評価

スコティッシュフォールドの品種の認定条件は、両親がスコティッシュフォールドであることの他に、どちらか片方の親猫が、ブリティッシュショートヘアーもしくはアメリカンショートヘアーである場合も生まれた子猫はスコティッシュフォールドとして認定されます。

スコティッシュフォールドの認定要件はこれだけなので、スコティッシュフォールドにはあらゆる毛色がいて、毛の長さも長毛短毛それぞれが存在します。

スコティッシュフォールドの折れ耳は優性遺伝によって子猫に受け継がれるので、これらの交配によって、折れ耳だけでなく一定数の立ち耳の子猫も生まれてきます。

キャットショーなどでは、より折り畳まれた耳の猫がスコティッシュフォールド部門で高評価となりますが、品種認定の場合は耳の折れ方は全く関係なくどちらもスコティッシュフォールドで、丸顔、ずんぐりした体形、人懐っこい性格などの特徴も変わりありません。

立ち耳は骨の病気になりづらい

スコティッシュフォールドが折れ耳になる理由は、軟骨形成不全という先天性の突然変異が原因と言われています。

軟骨の部分が柔らかいという特徴から耳が折れるのですが、同時に生まれつきや、成長に従って骨の病気になりやすいという弱点があります。

骨瘤という骨の病気は折れ耳スコティッシュフォールドに発生率が高いですが、立ち耳スコティッシュフォールドの場合は、軟骨形成不全ではないため耳が立っているのでこの病気にはなりづらいです。

もちろん折れ耳だから病気になって、立ち耳なら骨瘤にならないということは必ず言い切れるものではありませんが、軟骨形成不全がはっきり表れるのが耳の形なので、傾向としてはあります。

現在は折れ耳と立ち耳の親猫を交配することで、折れ耳の子猫が生まれる確率を下げても、遺伝病のリスクをカバーする形の交配が基本となっています。

上記のブリティッシュショートヘアーやアメリカンショートヘアーの血統をスコティッシュフォールドに取り入れるようになったのも、この理由からと考えられます。

立ち耳は耳の病気になりづらい

折れ耳のスコティッシュフォールドは、見た目の通り耳が畳まれた形になっているので耳垢が溜まりやすかったり、蒸れて痒くなりやすかったりします。

また、一度耳の病気になってしまった後も、通気性が悪いので治りづらい傾向があります。

その点立ち耳のスコティッシュフォールドは耳の形は他の品種の猫と変わりありませんので、折れ耳特有の耳の病気のなりやすさはありません。

ただ、折れ耳のスコティッシュフォールドでも折れ具合によって、完全に折り畳まれているダブルフォールドから半分くらいのシングルフォールド、季節によって立ったり折れたりする猫まで様々なので、一概には言えません。

とはいっても、定期的な耳掃除によって耳を清潔に保てば耳の病気になりづらいことはどちらも同じで、仮に耳の病気になってしまっても早めに治療すれば完治するので、折れ耳スコティッシュフォールドの飼い主さんも安心してください。

立ち耳スコティッシュフォールドの方が価格が安い

耳の形以外は、性格も顔の形も変わらずどちらも可愛いのですが、親猫のキャットショーでの受賞歴、もともとスコティッシュフォールドの人気が爆発した由来の、折れ耳の方が人気があることもあって、ペットショップやブリーダーなどでの販売価格は立ち耳の子猫の方が若干安いです。

丸顔、丸い目、ころころとした体格、人懐こくて飼いやすい性格を変わらず持っていながら、耳の形の違いだけで安く家族に迎えることができるのは、未来の飼い主さんたちにとっても嬉しいのは間違いありません。

折れ耳スコティッシュフォールドの方が体が柔らかい

上記の軟骨の件と関係がありますが、折れ耳の猫の方が関節が柔らかく、猫とは思えないくらいクネクネした面白いポーズをしたり、スコ座りと言われている、人間のようにちょこんと床に直接腰かけて座ったりするスコティッシュフォールドがいます。

あくまで傾向なので、折れ耳でもスコ座りしなかったり、立ち耳でもスコ座りしたり様々ですが、やはりネットなどでスコ座りの画像を検索すると、折れ耳の猫が圧倒的なので、やはり体の柔らかさと軟骨形成不全には関係がありそうです。

スコティッシュフォールドの立ち耳と折れ耳の違いを知ろう

スコティッシュフォールドの立ち耳と折れ耳の違いは、生まれつき持っている耳の形を決める遺伝子の違いだけですが、病気のリスクや体の柔らかさなどそれに影響する違いが少しあります。

どちらも、可愛らしい顔と体形、ペットに最適な飼いやすい人懐っこい性格を持った猫なので、飼い始める前に正しい知識を身に着けてから、スコティッシュフォールドとの楽しい暮らしを始めましょう。