赤と黒の毛のモザイクが美しいサビ猫。
雑巾猫とも言われ汚い柄と思う人が多い反面、その独特な魅力に魅かれるコアなファンも多い猫です。
好き嫌いの分かれるため飼い主のつきにくいサビ猫ですが、実はとても魅力的な性格をしています。
ミステリアス
他の柄の猫より一匹一匹の模様の違いも大きく、顔つきも個性に溢れているサビ猫。
チラチラとしたランダムな模様で表情がわかり辛く、ミステリアスな印象を抱かせます。
三毛猫は染色体の関係でほぼメスである事は周知の事実ですが、じつはサビ猫も三毛猫と同様の理由でほとんどメスしか生まれません。
メスらしい振る舞いと模様でわかりにくい表情は、サビ猫の神秘的な雰囲気をより強くしています。
また、隠れ美猫が多い事もサビ猫の特徴です。
サビ猫に限っては子供の時が一番可愛いという通説はあまり当てはまりません。
サビ猫は、子猫の時は毛色が薄く毛並みも揃っておらず、汚いイメージを持たれやすい毛並みをしています。
しかし年を取るごとに毛色が濃くなり模様もハッキリしてきて、手入れをするとまるでビロードのような毛並みの美しい猫になります。
醜いアヒルの子とまでは言わないまでも、大人になるとどんどん美しくなるサビ猫。
子猫のうちはどんな猫に育つかいまいち予測しにくいところは、まさにミステリアスです。
やさしい
初めて猫を飼う人はあまりサビ猫を選びませんが、実はサビ猫は猫初心者が飼うにはちょうど良い、飼いやすい性格の猫です。
サビ猫の飼い主には、動物病院で良い子だと褒められた経験がある人が多くいます。
サビ猫は比較的優しい性格をしているので、診察中もあまり暴れない猫が多くなります。
ほとんどがメス猫なので必然的に母性が強い猫が多く、母親らしい面倒見の良い気性を備えているからかもしれません。
他の猫にも優しく接する事が出来るサビ猫は、多頭飼いを始める時の2匹目にも適しています。
この穏やかな性格は、メス猫の気質だけでなく毛色による子猫時代の環境も関係しているでしょう。
サビ猫の多くは、その見た目から貰い手を探してもなかなか見つからない事が多いため、他の猫より親元にいる期間が長い傾向があります。
子猫は母猫からルールを教わるので、母猫と一緒の期間が長かった猫ほど社会性がしっかり身に付いているのです。
母猫からしっかり教育を受けた猫は、いたずらや飼い主を傷つけるほど興奮してしまう事が少なく、他の猫への気遣いができる優しい猫に育ちます。
頭が良い
昔は雑巾猫とも言われ、人気が低く貰い手がつかずそのまま捨て猫になりやすかったサビ猫。
野良猫出身も多いためか、サビ猫は優れた洞察力を持っており、ふと気付くとじっと飼い主を観察しています。
サビ猫はその鋭い洞察力で人が何を考えているかちゃんと理解できるので、空気を読む事がとても上手です。
人の気持ちを感じ取って精確に判断できるため、いたずらをしても「それはやってはいけません」と態度で示せばしっかりと理解してくれます。
物覚えも早いので、苦労せずにしつけができる所もサビ猫の長所の一つです。
ただし、やってはいけないと理解しても、やりたい事はやるのが猫です。
サビ猫にも、怒られるいたずらは人に隠れてすれば良いという猫らしい考え方を持つ場合も多々あります。
賢さゆえに人にわからないように上手にいたずらできてしまうので、飼い主はその賢さに困ってしまう事もあります。
ツンデレ
賢いサビ猫は、飼い始めたばかりの頃の警戒心は高く、懐くまで時間を必要とします。
飼い主に慣れるまでは、迷彩のような体の模様を生かして姿を完全に隠してしまいますが、心を開くとツンデレな性格が露わになります。
信頼関係を築くと深い絆を持てるのも、頭の良いサビ猫の良い所です。
サビ猫のデレ方は控えめで、子犬のような懐っこさはありませんが、信頼している事がよく伝わる甘え方をしてくれます。
抱っこするとしっとりとくっついて体を預けてくれたり、頭を撫でると目を細めて、あなたを信頼していますと全身で表してくれます。
初めはサビ柄を嫌厭していた飼い主でも、このツンデレにはすっかりメロメロにされてしまいます。
ただし、一度デレると嫉妬深い所も見え始めます。
臭いですぐにバレてしまうので、他の猫と浮気する時は十分気をつけましょう。
浮気がバレると手痛いしっぺ返しを食らう事になります。
サビ猫は見た目からは想像できない人たらし
雑巾やサビと汚いものに例えられるサビ猫ですが、英語ではトーティーシェル(鼈甲猫)と呼ばれ、海外ではその美しい毛並みに高い人気があります。
一見受け入れにくい柄だからこそ、見れば見るほどその独特の美しさに夢中になります。
個体差はありますが、サビ猫の性格はその見た目からは想像できないほど穏和で気遣い屋です。
この意外な性格に猫好きの多くが骨抜きにされてきました。
これから猫を飼うなら、是非サビ猫も視野に入れてみてください。