メインクーンといえば「大きい」「長毛種」というのが真っ先にイメージされますよね。

オスの場合、大きいものだと体重が10キロを超えることも珍しくありません。

そうした明確な特徴を持っている猫種だけに、飼う際の注意点もある程度は予想がつくでしょう。

とはいえ、あらかじめ注意点を知っておくことは決してマイナスにはなりません。

メインクーンを飼う際の注意点についてご紹介します。

成長に時間がかかることを知っておく

一般的な猫は、成猫になるためには1年ぐらいかかるとされています。

このため、1歳になったのを契機にキャットフードを成猫用に替えることが多くなります。

ただ、これはメインクーンには当てはまらないということを知っておいてください。

メインクーンの場合は成猫になるまでに2~3年の時間がかかってしまいます。

この特徴はメインクーンに限らず、大型の猫種には共通するものです。

いわゆる日本猫や、血統種でもアメリカンショートヘアやロシアンブルーといった平均的な体格の猫は、生まれてから1年経てば、それ以上大きくなることはありません。

このため、エサについてもいかに成長させるかではなく、いかに肥満を防止するかということが重要になってきます。

比較的カロリーの高い子猫用のエサを与えていては、あっという間にカロリーオーバーになってしまいます。

1年を契機に成猫用のエサに切り替えるべきなのは、このためです。

ところがメインクーンの場合、生まれてから2年ぐらいは体長がどんどん伸びていきますし、体重に至っては3歳を超えても増えていく場合があります。

体が大きいだけに完成に時間がかかるということなのかもしれませんが、いずれにしても他の猫種と同じように扱っていては、栄養失調でちゃんと成長できないということになりかねません。

メインクーンなど大型の猫種については成猫になるまでに時間がかかってしまうことを心得たうえで、他の猫よりも長期にわたって子猫用のエサを与えていくべきだと言えるでしょう。

長毛種のためブラッシングはこまめに

メインクーンが長毛種であることは一目見ただけでも分かりますが、長毛種ゆえにブラッシングを初めとする体毛のケアはこまめに行う必要があるということは、理解しておいた方がいいでしょう。

体毛のケアをちゃんとしておかないと、すぐにもつれてしまうのが長毛種の特徴で、場合によっては毛玉ができてしまうこともあるでしょう。

これに加えてメインクーンの場合はもともと野生種だったこともあり、水をはじくような毛質になっており、なおさら毛玉になりやすくなっています。

ブラッシングについては必ず1日に2回行い、2週間に1度は体を洗ってあげるべきです。

可能であればペット専門の美容室に連れて行き、体毛のケアをしてもらうことが良いでしょう。

長毛種の良さを最大限に出すためには、それなりの手間がかかってしまうということです。

また、猫が体を舐めるグルーミングを行うのは短毛種も長毛種も同じです。

長毛種の場合、グルーミングによって毛が消化管に溜まって吐いてしまう毛玉症が起きやすいということも、注意しておかなくてはなりません。

毛玉ケア用のエサを与えるなど、普段から対策をしておくことも重要になってくるでしょう。

遺伝性の心疾患を持っていないかどうか観察が必要

メインクーンは基本的に丈夫な猫種だとされています。

スコティッシュフォールドやマンチカンのように関節に異常が出る種でもなければ、ペルシャやヒマラヤンのように鼻の疾患にかかりやすい種ということもありません。

ただ、肥大性心筋症(HCM)という遺伝性疾患を持っている個体がいるということだけは、ちゃんと把握しておいた方が良いでしょう。

HCMを発症すると心臓の筋肉が肥厚し、心不全や四肢の麻痺を起こしたり、血栓ができてしまったりします。

突然死を招いてしまうことすらある危険な病気です。

現時点では根治療法は見つかっていませんので、利尿剤を使用して心臓に水が溜まらないようにしたり、痛み止めなどで症状を抑えていったりする対症療法以外に打つ手がないのも痛いところです。

遺伝性の病気のため予防法はありませんので、この病気と付き合っていきたくなければ、遺伝子を持っている家系の個体の子を避ける以外の方法がありません。

ただ、そうした家系かどうかを把握することはなかなかできるものではありません。

心配な人は、レントゲンやエコー検査などを行い、HCMを発症していないかどうか確認していく方が良いでしょう。

遺伝子検査を行っている獣医さんもいますので、可能であればHCMの遺伝子の有無を確認してもらうのも良いかもしれませんね。

メインクーンを飼おう

メインクーンは丈夫なうえに、賢い猫種でもあります。

水道の蛇口を自分で開けて水を飲んでしまう個体もいることが報告されています。

血統種の中では、どちらかといえば飼いやすい部類に属すると言って良いので、上記の注意点をしっかりと守っていけば、理想的な関係を築くことは難しくないのではないでしょうか。