垂れ耳が特徴で可愛らしいスコティッシュフォールドですが、実は垂れ耳自体が異常な遺伝子となっています。
そのため、他の猫の種類に比べ軟骨形に疾患がおきやすく、体も弱い個体が多いのです。
そこで今回は、スコティッシュフォールドがかかりやすい病気についてまとめました。
遺伝性骨形成異常症
主に下半身、足から尾にかけての骨や、軟骨が変形してしまう病気です。
骨の成長期に伴い発症することが多く、生後3ヶ月~2年ほどの間に多く症状が見られます。
大人になっても発症することがあり、スコティッシュフォールドでは避けられない病気です。
骨の変形と共に痛みを伴う場合もあり、最悪の場合歩行が困難になることもあります。
そもそも垂れ耳自体が骨の変形のため、耳のみに症状が出る場合もありますが、下半身などの骨に症状が出てしまった場合は、病院で診てもらう必要があります。
骨の変形は完治することが出来ず、鎮痛剤などで痛みをとる方法しか現在では施しようがありません。
肥大型心筋症
心臓の筋肉が必要以上に厚くなり、体に血液を送る際に異常をきたす病気です。
その結果、血圧が上がったり心拍数が上がってしまう症状が見られます。
多くの猫でこの病気を発症するリスクはありますが、特にスコティッシュフォールドはこの病気になりやすいと言われています。
骨だけではなく内臓の変形も発症することがあるため、注意が必要です。
しかし見た目ではなかなか気付きにくく、気付いた頃には重症化しているケースが多いのも現状です。
この病気の怖いところは、心臓が厚くなり血液関係に問題が起きるだけでなく、肺気腫や血栓などの合併症を起こしやすいことです。
血の流れが滞っている場合、肉球が青白くなっている場合もあるので、様子がおかしい場合は確認してみましょう。
少し動いただけで息切れしたり、エサの食いつきが悪くなった、いつもダルそうにしているなどの症状があれば、病院で診てもらいましょう。
外耳炎
スコティッシュフォールドに限らず、猫も外耳炎を発症します。
特に油分が多い毛や垂れ耳の場合だと、より発症しやすいです。
症状としては、耳のあたりが赤く腫れかゆみを伴います。
重症化すると鼓膜を破ってしまうこともあるので、侮れない病気です。
家具などに頭をこすり付ける頻度が多かったり、後ろ足で蹴っている場面が多い際は注意です。
耳に寄生するガビやアレルギー、湿気を好む雑菌などが主な原因ですが、これらは日頃の耳掃除などで防ぐことができます。
コットンやティッシュ、綿棒などで軽くこするだけでも汚れは十分にふき取ることが出来ます。
耳掃除専用の薬剤もあるので、使うようにしましょう。
いくら柔らかい布だといっても、耳は繊細な部分なので、かえって炎症を起こしてしまう場合もあります。
掃除道具や掃除の方法、汚れの見方などは病院などでも教えてもらえるので、直接指導を受けるのも良いかもしれません。
尿路結石症
こちらも様々な猫がかかりやすい病気ですが、内臓疾患のリスクが高いスコティッシュフォールドは、よりかかりやすいと言われています。
人間でも発症するように、腎臓や尿管、膀胱・尿道といった広い範囲で結石や結晶が出来てしまう病気です。
排泄の回数が増えたり、我慢できず色々なところで粗相をしてしまう症状があらわれます。
また、痛みを伴うので腹部を触ると痛がったり、血尿、排泄の際の姿勢がおかしいなどの症状が出てきます。
マグネシウムやカリウム、リン等の摂取を控え、水分を多く取ることで予防・改善ができるので注意しましょう。
また、トイレを常に清潔に保ち、いつでも排泄できる環境を整えておくことも大切です。
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
眼瞼(がんけん)とはまぶたのことで、まぶたが内側にひっくり返ってしまう病気です。
特にスコティッシュフォールドは生まれつき発症しやすいとも言われています。
まぶたが内側に入ってしまっているため、眼球や結膜にまゆ毛やまぶたの毛が常に触れてしまいます。
そうすると、目の炎症が起こりやすくなるため、様々な病気を引き起こすことにもなります。
涙が出やすかったり、いつもまぶしそうにしているなどの症状があれば、一度目の周りを確認してみましょう。
また、かゆみや痛みもあるので、常に足で目の周りをかいてしまいます。
足でかいてしまうと、余計に目を傷つけることもあるので早期発見が重要です。
まぶたの食い込みは手術で治す事ができるので、専門家の先生と相談しましょう。
食い込み具合や猫の体調などによっては複数回時間をかけることがありますが、治せる病気を言うことを覚えておいてください。
スコティッシュフォールドの病気を未然に防ごう
スコティッシュフォールドの主な病気は、遺伝に起因することが多いです。
症状の多くは産まれてすぐ発症することが多いので、よく観察しておくことが大切です。
予防が難しい病気もありますが、異変に気付いたらすぐに処置してあげる事が重要です。