猫と言えば魚が大好きというイメージがあります。
しかし実際には、魚をまったく受け付けない猫や食べたとしても魚を好まない猫がたくさんいます。
どうして好物のはずの魚を食べない猫がいるのでしょう。
考えられる猫の気持ちをご紹介します。
1.魚に対してトラウマがある
例えば、過去に魚を食べてひどい目にあったり、飼い主の焼き魚を食べようとしてひどく怒られたという経験があると、猫の中でトラウマになってしまい魚を食べなくなります。
猫はとても神経質な動物です。
過去にした不快な経験は、ほとんどの場合忘れることがありません。
以前魚を食べたときに骨が刺さった、お腹を壊したという経験も魚を食べない原因となります。
飼い猫が魚にトラウマがあるなら、無理に食べさせようとする必要はありません。
無理に魚を食べさせなくてもキャットフードを与えていれば健康には問題ありません。
2.猫にとって魚は見ためが怖い
飼い猫の場合、普段は粒状に加工されたドライフードや食べやすいようしっかりとほぐされたウエットフードを与えられているでしょう。
ほぐしていないそのままの姿の魚は、猫によっては怖いと感じてしまいます。
ある日突然そのままの姿の魚を与えられれば、猫もびっくりしてしまいます。
頭の付いた魚は怖くて食べられないという人がいるように、そのままの姿の魚を怖いと感じてしまう猫もいます。
目の付いたままの魚やサンマのような細長い魚は、猫の警戒心を刺激してしまう可能性があります。
また、骨を取らずに魚を与えると猫の喉に骨が刺さる可能性があり大変危険です。
猫に魚を与えるときは、火を通したあと骨を取り、しっかりとほぐしてから与えてください。
3.魚の鮮度が悪い
猫にお刺身をおすそ分けしてあげたら、ちょっと匂いをかいだだけで興味を失ってしまったという経験がある人も多いでしょう。
猫の鼻は大変敏感です。
人にはわからない程度の傷み具合でも、猫の鼻は食べ物の傷み具合を正確に嗅ぎ分けます。
スーパーや商店で購入した刺身は、人が食べるには何の問題もない場合でも、猫の鼻のセンサーでは鮮度が落ちていると判断されてしまうことがあります。
生の魚は鮮度が落ちやすく、新鮮なフードを食べて育った飼い猫だと少しでも傷んだ生魚を食べればお腹を壊してしまいます。
飼い猫は生魚や肉はうまく分解できない場合も多いので、新鮮なものでもお刺身や生魚を猫に与えることはあまりオススメできません。
4.子猫のときに食べなかった
猫は子猫のときの食生活で自分が食べられるものを覚えていきます。
子猫のときに食べたもの以外はほとんどの場合、成猫になってから与えても警戒して食べようとしません。
中には、決まったキャットフードの同じ味のものしか食べない頑固な猫もいます。
特にドライフードで育ち、ウエットフードもあまり食べずに育った猫なら、魚の食感や生臭さは警戒してしまいます。
警戒心の強い猫なら、初めて見たものはなかなか食べようとしません。
成猫になって初めて魚を与えられた猫は、そもそも魚を自分のごはんとして認識していないかもしれません。
子猫のうちからいろいろなものを食べさせてあげると、成猫になってからも好奇心を持っていろいろなものが食べられる猫に育ちます。
5.そもそも猫は魚が好物ではない
実は猫は魚が好きというイメージは世界共通ではありません。
「猫の好物は魚」というイメージは日本特有のものです。
これは日本人がもともと肉をあまり食べず、魚食であったことが関係しています。
キャットフードのような猫のためのエサがなかった時代は、猫に人の食べ物の残り物を与えていました。
海に面した地域の多い日本では、猫も自然と魚を食べる機会が多くなり、そのために「猫は魚が好き」というイメージがついてしまいました。
肉食動物の猫は魚より鳥や牛などの動物性の肉を好んで食べます。
ライオンやトラといったネコ科の動物は肉が好きであることと同様に猫もやはり肉が好きです。
飼い猫が魚を食べなくても不自然なことではないので心配する必要はありません。
6.魚のあげ過ぎは毒
もし飼っている猫が魚を好んで食べても、猫に魚を与えるときは注意が必要です。
魚に含まれるチアミーゼという成分は、猫の体の健康に必要なビタミンB1を壊してしまいます。
あまり魚を食べ過ぎると運動障害や知覚過敏の原因になります。
さらに、魚には酸化しやすい成分が多く含まれており、大量に食べればイエローファットの心配もあります。
特に魚の内臓は、寄生虫がいることもあります。
生のまま摂取すれば、アレルギーや内臓疾患を誘発する心配があります。
飼い猫に魚を与えるときは、寄生虫を死滅させるためにしっかりと火を通して、適度な量を与えてください。
たまに与える程度なら問題はありませんが、猫の健康のために毎日魚を与えたりたくさんの量を食べさせることはやめましょう。
猫が魚嫌いでも大丈夫
魚好きのイメージがある猫ですが、実際の彼らは肉食動物です。
魚より肉の方が好物である場合がほとんどです。
飼っている猫が魚を食べなくても心配する必要はありません。
もし猫が喜ぶものを与えたいなら、茹でたササミやしっかりと火を通した赤身肉を与えましょう。