普段、飼い主や家の家具などに猫が身体をこすりつけている仕草を見かけることがあるのではないでしょうか?
猫と一緒に暮らす上で、一体猫がどんな心理でこのようなことをするのか気になるところですよね。
そこで、考えられる理由をいくつか挙げてみました。
好意があるという猫の愛情表現
猫は頬や顎、肉球、肛門付近といったところに自分のにおいを分泌する臭腺があります。
気を許せると感じた相手に対し、その部分をこすりつけ、友好の証として自分のにおいを付ける習性を持っています。
いわゆるマーキングと呼ばれる行為です。
これは猫同士でも人に対してもする行為で、一緒にいて安心する、心地よいといったことを意味します。
猫の性格によっては、このような行動を見せるまでに時間がかかる場合もありますが、飼い主の足や手にすり寄ってくるその様子は、愛おしく感じるものでしょう。
時には、頭突きのように勢いよくこすりつけてくることもありますが、決して機嫌が悪いのではなく、愛情が溢れる故のことなどで、しっかりその気持ちを受け止めてあげて下さい。
こちらからもたくさん撫で返してあげると飼い主のにおいがして猫のほうも安心します。
飼い主を慕っているという最愛の証です。
安心感を得たい
飼い主が外から帰って来たとき、知らないにおいが飼い主に付いていたとします。
猫にとって、それらのにおいは一体何なのか、怖い敵なのかわからない存在なので不安を感じ、飼い主に身体をこすりつけマーキングをし、「これは私のもの」とアピールします。
こうすることで安心感を得て不安を取り除こうとしています。
また、飼い主の持ち物等にも同様に、このような行為をして自分の存在を主張したりします。
いずれも、飼い主が好きだからこそする行為です。
猫は変化に対して敏感なので、特に飼い主が外で他の猫を撫でたりしたときなどは愛猫が不安にならないように注意が必要です。
また、寂しがり屋の性格の猫などは、飼い主が帰ってきたという安心感から身体をこすりつけてきたりします。
猫にとって、信頼している相手やその周りに自分のにおいがあるかということは重要なことの一つです。
何かしてもらいたい要求がある
猫はマイペースで気まぐれ、そして単独行動を好み、そんなに構う必要がないというイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、何か要求したいことがあるとき、飼い主とのコミュニケーション手段として身体をこすりつけて、それらを訴えかけてきます。
例えば、甘えたいときや撫でてもらいたいとき、また一緒に遊びたいときやおなかが空いたときなどです。
いつものように猫が足元にすり寄って来たとき、ふっと時計を見ると猫にご飯をあげる時間がもう間もなく、ということもよくあります。
また、飼い主と遊ぶことが好きな猫の場合、要求を満たしてもらおうと何回も飼い主の後を追って身体をこすりつけてくることも珍しくありません。
一見クールに見える猫ですが、気持ちを伝えるためにする健気なその姿は、微笑ましいものです。
安心できる居場所を確保している
猫は縄張り意識が強い生き物です。
そのため、いつも過ごす場所に自分のにおいがすると「ここは自分の居場所」ということを確認でき安心するので、家具や柱に身体をこすりつけて自分のにおいを付けます。
そのにおいは人には感知できない位のにおいですが、猫にとっては安心して過ごすための重要な行為です。
「毎日、飽きもせずによくマーキングしているな」と思うことがあります。
しかし、毎日自分のにおいがするということは、そこが毎日安心できる居場所であるということを意味しています。
身体の異変がある
猫は身体に不調があると、それを隠そうとするとも言われていますが、一概にそれに当てはまらない場合もあります。
何かちょっとした身体の異変を感じたとき、例えば目に異物が入って気になる、肛門が痒い等といったようなことがある場合。
猫は身体全体というより、その異変を感じる部分を床や家具等、そして飼い主の身体の一部にこすりつけてくることがあります。
何かを訴えたいからというより、むしろ、いつもと違うムズムズとした感じが気になって、ついつい身体をこすりつけてしまうといった様子に見受けられます。
一見、いつものようにマーキングしているように見えるかもしれません。
しかし、執拗にどこか身体の一か所だけをこすりつけているときは注意が必要です。
身体をこすりつける猫の気持ちを知ろう
身体をこすりつけるという行為一つとっても、そこには様々な理由が含まれています。
身体を使って自分の気持ちをその都度、表現しています。
猫が安心して日々過ごせるためにこういった行動の中から、どのような心理を表しているのか、その気持ちを汲み取ってあげることが大切です。
愛猫と良い関係を築きながら楽しい毎日を過ごしていって下さい。