いつもゴロゴロしている猫ですが、ときには相手を「シャー」と威嚇するときがありますよね。
意味なく威嚇することはありませんから、猫は猫なりに何かを訴えたいのです。
「シャー」というときの猫の心理を考えてみましょう。
1縄張りに入らないでほしい
シャーと言ったときシチュエーションを考えてみると、猫の気持ちを推察することができます。
まずは、家の庭に他の猫が入ってきたときのシャー。
これは縄張りに入らないでほしいという気持ちが込められたシャーです。
「俺のテリトリーだぞ。入ってくるな」と言って警告しています。
警告ですから、すぐに飛びかかったりすることはありません。
相手の出方次第ということでしょう。
界隈のボス猫のように、相手が自分より明らかに強い場合は、シャーはでません。
追い払えるような相手のときだけ出ます。
オスとメスでどちらがよくやるかというと、それは断然オス猫の方です。
オス同士が道ですれ違うときは、シャーシャー威嚇しあっています。
気安く触らないでほしい
良い気持ちで寝ているときに子どもが触ろうとしたらシャー。
これは、気安く触るなという気持ちが込められた威嚇のシャーです。
猫は子どもが苦手です。
要するに配慮のない無神経で乱暴な行動が苦手です。
そんな相手には容赦ないシャーが浴びせかけられます。
痛い
猫踏んじゃった、というときのシャーは、痛みに対する反射的な怒りのシャーです。
人間でも一瞬にしてカッとなる方がいますが、猫も身体を傷つけられたときはそうなります。
痛みに対するシャーはこれだけではありません。
持続する痛みに対しても、攻撃の感情が表れます。
例えば怪我や病気で苦しんでいるときに、一人でシャーシャー言っていることがあります。
これは疼く痛みに反応しています。
もちろんそんなとき手を出したら、またシャーとやられます。
痛いときに触られたくないから威嚇します。
びっくりした
猫が喜ばせようと思って、買ってきたねいぐるみを目の前に置いたらシャー。
突然のシャーに、飼い主は驚くやら、悲しむやら複雑な気持ちになりますよね。
そんなに怒るなよと言いたくなりますが、これは怒っているわけではありません。
初めて見るものに対して、びっくりしているだけです。
でもびっくりしたあとには、威嚇しなきゃと気持ちを切り替えるので、徐々に毛が逆立ったりします。
うちの子に手を出しさないでほしい
子育て中の母猫に近づいたらシャー、これは母性が言わせている怒りのシャーです。
猫が見知らぬ相手との間にとる安全距離は2メートル程度です。
それを切ると逃げ出したり威嚇したりするのですが、子育て中はその距離が長くなります。
遠くにいてもこの声で威嚇されます。
あっちへ行ってほしい
掃除機をかけると、シャーシャー言う。
これはとても見られる光景です。
猫は大きな音や、予想のつかない急な動きに対して強い恐怖を感じます。
ですから、掃除機はちょっとした天敵と言っても良いでしょう。
掃除をしている人間に怖がらせよういう気持ちはなくても、猫にとってはいい迷惑なわけです。
こんなふうに、どうしようもないほどの大きな恐怖が襲ってきて、逃げることができないとき、猫はまずこの威嚇音を出します。
そもそも威嚇というのは、相手を怖がらせて、自分の身を守るという行為です。
それで、なぜシャーという音なのかというと、ヘビが出す威嚇音を真似しているのだという説があります。
砂漠に住んでいたネコの祖先が、天敵のヘビに対して、自分は強くて大きい蛇だぞ、と威嚇したのですね。
たしかに威嚇は怖くなければ意味がありません。
相手が恐怖を感じるからこそ、自分の身を守ることができます。
威嚇という行動の裏に怖いという感情があることは確かです。
怖がりで小心者の猫ほど、シャーシャー言ってしまいます。
これは私のもの
猫を複数で飼っている場合、古株の猫が新入りの猫にシャーということがあります。
これは一つしかないものを奪い合う攻撃のシャーです。
これは子供のケンカと一緒だと考えて良いでしょう。
おもちゃの取り合い、エサの取り合い、飼い主の愛情の取り合い、日当たりの良い場所や高いところの取り合い・・・。
先輩猫に「貸してあげなさい」と言っても無理ですから、ケンカを避けるためには猫の数だけそれを用意することです。
子供はケンカしながら成長していきますが、猫は成長してもケンカをします。
シャーという気持ちを汲み取ってあげよう
飼っている猫に面と向かってシャーといわれると、飼い主は凹んでしまいますよね。
でも猫の気持ちは複雑です。
シャーの裏に隠された猫の気持ちを読み取ってあげてください。
ただ怒っているだけではありません。