猫がフレーメン反応をする理由とは

最終更新日:2016年7月27日

何かの匂いを嗅いでいた猫が、急に口を半開きにして、唇を引いて牙が出たような「ぽかーん」とした表情のまま固まってしまっているのを見たことはありませんか?

まるで笑っているような表情で、どこか間抜けな表情にも見えます。

我が家の猫がこの表情をすると、家族がみんな「ベンちゃん(我が家の猫の愛称)、お顔が変だよ~」と言うので、猫は決まり悪そうに毛づくろいを始めます。

猫のこの独特の表情は「フレーメン反応」と呼ばれています。

これは、鼻とは別に口の中にある「ヤコブソン器官」という嗅覚を感知するための器官で匂いを感知する時に起こります。

それを踏まえて、猫はなぜフレーメン反応を示すのかをご紹介します。

1.匂いの元の安全性を確かめている

猫が飼い主の足や靴下の匂いを嗅いだ後にフレーメン反応になることがあります。

そんな時は「自分の足はそんなに臭いのか…」と、少しショックを受けます。

しかし猫は、決して飼い主の足が臭いから「クサッ」という顔をしているわけではありません。

猫は基本的に、物の安全を匂いで判断します。

飼い主が帰宅すると、猫が飼い主の持ち物や洋服の匂いをしきりに嗅いでいることがあります。

これは「本当に飼い主が帰ってきたのかな」と、匂いで確認しています。

そこで、「この足は本当に飼い主の足かな?」「この足は安全か?」と、ヤコブソン器官を駆使して思いきり匂いを嗅ごうとすることで、フレーメン反応になってしまいます。


2.性フェロモンの匂いを嗅ごうとしている

猫は発情期になると、性フェロモンが分泌され、オスもメスも異性を引き付ける匂いのする尿を撒いて歩くようになります。

この臭いを嗅ぐために思い切りヤコブソン器官を働かせようとして、フレーメン反応になることがよくあります。

特に、オス猫がメス猫の尿やお尻の匂いを嗅いだ時に起こることが多くなります。

メスは、発情が始まる少し前から性フェロモンの匂いを出すようになり、それを嗅いだオスが発情します。

メスの出す「良い匂い」を思い切り嗅ぐためにヤコブソン器官を働かせ、匂いを味わおうとすることでついつい口まで「ポカーン」と開いてしまうということです。

これは猫だけでなく、ライオンやトラなどの大型猫科動物にも共通する特徴です。

3.他の猫の匂いを識別

また、他の猫がマーキングした匂いから、「ここは誰の縄張りか」「相手がどんな猫か」「オスかメスか」「自分の仲間か」「自分より強いか弱いか」「危険な相手かどうか」などを確認する時にも起こります。

マーキングは尿だけでなく、ヒゲの付け根や爪の付け根にある臭腺から出る匂いを付けることでも行われます。

去勢をしてある猫でも、家の中や外で爪を研いだり、顔をこすりつけたりしてマーキングを行っていますね(時には飼い主にまで顔をゴシゴシスリスリして、熱心にマーキング)。

その匂いから相手を識別しようとする時に、口も開いて「フレーメン反応」になってしまいます。

時には、自分のお尻付近の毛づくろいをしていて、突然フレーメン反応になってしまうこともあります。

「自分のお尻がそんなに臭かったのかな?」と、思わず心配になってしまいますが、自分のお尻が臭かったというよりは、「あ、これ自分の匂いだ」と改めて確認した、と言った方が正確でしょう。


4.その他のヤコブソン器官を刺激する匂いを嗅いだ

これらの他にも、マタタビやイヌハッカ(西洋ハッカ)などの匂いを嗅いだ時にも、猫はフレーメン反応を示すことが知られています。

これは、マタタビの匂いに含まれる成分にヤコブソン器官が反応し、それによって猫が性的に興奮したような、酔ったような状態になるからと言われています。

マタタビやイヌハッカ意外に、似たような成分は果物のキウイにも含まれていることが知られています。

ですから、キウイの匂いを夢中で嗅いでフレーメン反応になってしまうという変わった猫も、世の中には存在します。

マタタビは常用すると呼吸不全を引き起こして死亡することもありますし、マタタビアレルギーの猫も存在するので、使用には充分な注意が必要です。

フレーメン反応を示す猫の気持ちを知ろう

初めて飼い猫の「フレーメン反応」を見た飼い主は、「そんなに臭かったのかな?」とショックを受けるかもしれません。

猫が嗅いでいたのが自分の足や脱いだ衣類などだった場合は、尚更でしょう。

しかし、本当に猫が嫌うとされる匂いを嗅いだ時の猫は、フレーメン反応にはなりません。

例えば、猫はミカンなどの柑橘類の匂いが嫌いですが、猫の鼻にこれらを近付けてもフレーメン反応にはならず、顔を背け、目をパチパチさせて逃げていってしまいます。

ですから、猫が一度嗅いでみて「この匂いは、良く嗅いでチェックしなければ」と感じた時に、ヤコブソン器官を駆使しようとするため、意図せずして口まで開いてしまうということが言えるでしょう。

「匂いを嗅いだから」あの表情になるのではなく、「匂いをよく嗅ぐために」あの表情になります。

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