人の体の上ならどこにでも乗ってくる猫。
背中や足、肩などバランスを取るのも大変そうなのに、どうしてそこまでして体の上に乗るのでしょうか。
ここでは、猫がどんな気持ちで体の上に乗ってくるのかをご紹介します。
安心できる
大好きな飼い主の近くは猫にとって、とても安心できる場所です。
飼い主の温もりの感じられる体の上なら、安心感もひとしおです。
猫が人の体の上に乗り、さらに寝てしまうのは、飼い主を守ってくれる存在と認識しているからです。
猫は飼い主と一緒なら何も警戒しなくても良いので、ぐっすりと眠る事ができます。
また、体に乗る事で飼い主の心音や息遣いを直に感じられ、飼い主もリラックスしている事が分かる事も猫にとっての安心材料の一つになります。
飼い主に安心を感じている猫は、飼い主の動きが激しくなければ体のどんな部分にも乗ろうとしてきます。
バランス感覚の良い猫にとっては、背中の上でも膝の上でも居心地にそれほど変わりはありません。
人の体温は温かさも丁度良く、放っておけばいつまででもその状態で居続けます。
飼い主以外の人間に警戒心を抱かずに体の上に乗る猫はあまりいませんが、子猫や室内飼いの猫には人慣れしていて、来客の上にも乗ってくる猫もいます。
所有権を主張している
朝起きるとお腹の上が妙に重く、目を開けてみると猫がドーンと乗って、顔を舐めていたりお尻を近づけてくる事は、猫を飼う人間には日常茶飯事です。
猫が体に乗ってくるのは安心や暖をとる目的もありますが、飼い主を自分の物として所有権を主張する目的もあります。
多人数の家族に飼われている猫や多頭飼いの家の猫は特に、気に入っている飼い主の所有権を主張するために人の体の上に乗ります。
所有欲の強い猫の中には、他の猫を押しのけてでも飼い主の体に乗り、そのまま擦り付けるように体をくねらせ、飼い主に一生懸命自分の臭いをつけます。
長い間家を空けたり、他の猫を可愛がったりすると、所有権を主張するために猫が体に乗る事が多くなります。
その時は優しく撫でたり話しかけたりしてあげましょう。
満足感を感じて、ごろごろと喉を鳴らして喜びます。
あまりに独占欲が強まると体の上で爪研ぎをしてしまう猫もいるので、半袖や薄着の服装の時は十分に気を付けて下さい。
構って欲しい
エサが欲しい、遊んで欲しい、特に要求はないが何となく飼い主が自分の方を向いていないのが気に食わないという理由から、体に乗る場合もあります。
体の上に乗ってきて、飼い主の目をじっと見つめてきたりにゃーにゃーと鳴いてきたら、おやつを与えたり一遊びしてあげてみてください。
要求が通れば満足して体から離れますが、あまり無視されるとイライラし始めます。
そのまま諦める事がほとんどですが、大声で鳴き始めたり甘噛みを始めたりしてしまう事もあるので、出来れば要求を叶えてあげましょう。
トレーニングやヨガの最中、パソコンで仕事をしていたり家事をしているといつの間にか近付いてきて背中や肩、足にしがみつくようにして乗ってくる猫もいます。
これは飼い主が自分以外の事に集中していると気になってしまい、つい邪魔をしたくなってしまうためです。
飼い主が遊んでいるように見えて自分も仲間に入れて欲しいと思っている事もありますが、ただ単に飼い主が自分に背中を向けている状態が何となく嫌というだけで、構われるとそれはそれで面倒臭くなりフイッとどこかへ行ってしまう事もあります。
このような場合には、一言声をかけてもらうだけで満足します。
疲れたらおろしても良い
猫の体重は成猫で5~6kg前後とかなりの重さがあります。
猫が体に乗ってくる喜びは何とも言えませんが、あまり長く乗せたままだと飼い主も疲れてしまいます。
また、仕事中や出勤前の忙しい時に乗られてしまうのも困りものです。
無理矢理どかしたら嫌われてしまうのではないかとギリギリまで乗せてしまったり、仕事を中断して猫と遊んでしまったりしては、猫の思うつぼです。
疲れていたり忙しかったりする時は、心を鬼にして猫を体から下ろす必要があります。
実はほとんどの場合、猫は飼い主にとって体に乗られる事は結構大変だと理解した上で乗っています。
したがって、体から下ろされても人が思っているほどには理不尽とは感じていません。
少し撫でてあげたり、「どかすよ」と一声かけてあげたりすれば、構ってもらえたと満足し、下ろしても不満には思わないのです。
猫が体に乗った時は、あまり無理はせずに与えられるだけの愛情で節度を持った関係を築きましょう。
猫が体に乗るのは信頼の証
警戒心の強い猫は、本来人や他の生き物には近付く事がありません。
猫が体に乗るのは、飼い主は自分に危害を加えない面倒を見てくれる人だと信頼しているという証です。
重かったりちょっと痛い思いをさせられたりする事もありますが、気持ちの良い関係が気付けている証拠なので、喜んで受け入れてあげてください。