猫にとって危険が少ない室内飼い。

でもずっと家の中に閉じ込めておくのは、ちょっと可哀想な気もしますね。

猫を外に出すのに一番安全な方法は人が付き添って散歩させることです。

犬のようにはいかないかもしれませんが、手順を踏むことが成功への道です。

小さいときから散歩の準備

猫は犬と違って、人間と一緒に行動したがる動物ではありません。

ですから、喜んで散歩についてくるということは猫の習性上まずないと言えます。

外に行きたがる猫もいますが、それは自分のテリトリーの巡回パトロールが目的で、散歩に行きたいというのではありません。

はっきり言ってしまえば、飼い主との散歩というのは、猫にとって自然な行動ではないのです。

ですから、幼いときから慣らしていくしか方法はありません。

成猫になってからではハードルが高くなってしまいます。

刷り込み

よちよち歩きの赤ちゃんはお母さんを追っかけます。

それは猫も同じです。

この習性を利用しない手はありません。

ペットショップで売られている生後数か月の子猫。

おいでおいでと呼んで、よちよち歩いてくるような子だったら、散歩の素質は十分です。

赤ちゃん時代は、「おいで」と呼んで、来たら、撫でて可愛がりましょう。

これを繰り返して、本物の親子のような信頼関係を築いてください。

公園デビュー

少し大きくなって、歩き方がしっかりしてきたら、暖かい日を選んで、公園に行きます。

芝生広場とか野球場のような、何もないところが良いでしょう。

頼るものが飼い主しかないという状況に猫をおくためです。

赤ちゃん猫ですから、リードをつける必要はないと思います。

猫があらぬ方向に行ってしまっても、すぐに追いつけます。

それでも不安ならリードをつけることをオススメします。

まず周りを見て、危険なものはないかを確認してください。

犬や野良猫が近寄ってきたら危険なので、十分注意しましょう。

カラスも要注意です。

安全確認ができたら、猫を地面にそっと置いて、少し離れてみてください。

1メートルぐらいで良いでしょう。

すると猫は不安になって、飼い主の方へ歩き始めます。

最初は手元までやってきたら、抱き上げて可愛がってあげしょう。

次は、猫を見ながら、猫が近寄ってきた分だけ、後ろ歩きで後退します。

「おいで、おいで」と声をかけながら、1メートルの距離をキープしましょう。

猫が立ち止まらずついてくることを確認したら、前方を向いて、猫を先導する形で歩いてみます。

距離を短くして、すぐ後ろをついてくる感じで歩いてみましょう。

これが散歩の練習になります。

飼い主と一緒に歩くことができればOKです。

慣れてきたら、リードをつけて、公園の色々な場所で一緒に歩いてみましょう。

周りに人がいるところや、木立の中、遊具の近く、・・・etc。

犬の散歩は社会性を身につけさせることが大事ですが、猫の場合はそれは必要ありません。

とにかく外界の刺激に慣れるということが大事です。

近所の散歩

公園より難しいのが住宅街の散歩です。

とにかく猫は警戒心が強いので、道の真ん中を歩くのが苦手です。

道をまっすぐ歩かせようとしても、身を隠すことができる場所に逃げ込もうとしてしまいます。

停まっている車の下や、街路樹の影、家の玄関のへこみや、塀の下。

猫の散歩は、犬の散歩と違って、リードを引っ張って誘導することはできません。

基本、猫まかせですから、人間が入れないような場所に猫を行かせない工夫が必要になってくるのです。

そこで大事なのがコースの選び方です。

公道に面して、庭や駐車場がたくさんあるようなコースは選ばない方が良いでしょう。

車や子どもも苦手なので、人や車の通らない静かな裏道が一番です。

一方に高い塀が続いているような、一本道のコースが良いでしょう。

散歩とおやつ

散歩を好きになってもらうには、場所と食欲を関連させると良いと思います。

散歩という行為のご褒美ではなく、あそこに行ったら、おやつがもらえるという感じです。

目印となる場所を決めて、そこでいつもおやつをあげる。

そうすれば散歩が好きになってくれるかもしれません。

ここで、かもしれないと書いたのは、何をやっても散歩が好きにならない猫がいるからです。

そういう場合は、無理をせずに諦めましょう。

外に出るのが嫌いな猫もいます。

歩かなくなったら

警戒心の強い猫は、ちょっとしたことがきっかけで足が前に出なくなってしまいます。

車が通りすぎたり、突然物音がしたり。

歩かなくなったら、引っ張らないことです。

引っ張ったら、歩き出すということはまずないと思って間違いないです。

それに、無理に引っ張って、首輪が抜けたら、脱走という絶対にあってはならない事態を招いてしまいます。

首輪が抜ける心配がある人は、猫用のハーネスをオススメします。

歩かなくなったら、抱いてあげてください。

無理は禁物です。

猫と一緒に楽しく散歩しよう

どんなときもマイペースなのが猫。

散歩もマイペースです。

止まったり、歩いたり、まっすぐ行かずに、よそ道にそれて道草ばかり。

それが猫の散歩の面白いところです。

歩いた距離も、歩いた時間も気にする必要はありません。

猫のために歩くのではなくて、猫とともに歩く、それが猫の散歩の鉄則。

そして飼い主にできることは危険のないように注意してあげることです。