実際にはその姿と見たことがなくても、どこかでスフィンクスという無毛の猫については聞いたことがあります。

日本ではかなり珍しい猫ですが、そのユニークな特徴から熱心なファンが多い猫のひとつです。

見た目は私たちのイメージする一般的な猫の姿とはかなり異なる部分がありますが、愛嬌のある優しい性格をしています。

今回は、そんなスフィンクスの実際に飼うときに気になる体の大きさや、子猫の体の成長について紹介します。

1.スフィンクスの特徴と魅力

スフィンクスは、カナダ原産の中型の猫です。

最大の特徴は、冒頭でも触れたように、被毛が生えておらず、皮膚が露出していることです。

エジプトとの直接的な繋がりはありませんが、その神秘的な美しさや姿からスフィンクスと名付けられました。

実際のスフィンクスには、ごく短く細い毛が生えており、まったくの無毛ではありません。

ルーツとなっているのは、北米で突然変異で生まれた無毛の猫だと言われています。

猫種としての作出のために、同じくカナダが原産のデボンレックスと交配されていたことがあります。

一見すると繊細で気難しそうな印象がありますが、活発でやんちゃな性格でもあります。

一般的な猫が被毛の色や柄に違いが出ますが、スフィンクスは地肌の皮膚の色に個性が出ます。

また、体に出るシワも個性のひとつで、シワが多く入る猫が良いとされています。

2.成長したスフィンクスの体の大きさ

スフィンクスは、猫種として固定される過程でデボンレックスと交配されています。

そのため、体の特徴はデボンレックスとよく似ている部分が多く、非常に参考になるでしょう。

足が長く細身でありながら、しなやかな筋肉がつくセミフォーリンタイプの体をしています。

体を覆う被毛がないため、そのスタイルの良さがよく分かるでしょう。

大人のスフィンクスの平均的な体重は、だいたい2.5〜4kgくらいです。

ペットの猫としては平均的な大きさで、扱いに困るようなことはないでしょう。

スフィンクスの体の特徴は小さな頭と、細く長い足と尻尾です。

前足よりも後ろ足が長く、お尻が少し上がるようなスタイルをしています。

そのため、尻尾はとてもしなやかに動き、歩く姿は優雅な雰囲気を放ちます。

3.スフィンクスの子猫から大人への成長

スフィンクスはとてもユニークな外見を持っていますが、成長の過程は多くの猫と変わりません。

子猫は生まれてから1年ほどで大人と同じ大きさへと成長していきます。

特に生後6ヶ月までの成長や食欲は目覚ましく、日に日に成長を実感できるでしょう。

ブリーダーから子猫を引き取る場合には、だいたい生後3ヶ月くらいのタイミングが目安になります。

この時期の体重は、だいたい1kgくらいであることが多いです。

おうちにやってきてからは、丈夫な体を作るためにも、体重が増えている間は、高タンパクな食事を心がけましょう。

すくすくと成長して、生後6ヶ月を過ぎることには、体重が2kg〜3kgくらいになっています。

このくらいのタイミングで体重の増加や食欲はだんだんとおさまるようになってくるでしょう。

食事の様子や体重の変化をみて、キャットフードの量を調節するようにするようにしてください。

4.スフィンクスが大人になってからの変化

子猫の頃のスフィンクスには、多少被毛が生えていることが多いです。

しかし、成長とともに被毛は少なくなっていき、肌の色が目立つようになります。

1歳を迎えることには、ほぼ大人と同じ姿になっているでしょう。

その見た目から神経質そうにも見えますが、好奇心旺盛で遊ぶことが大好きな猫です。

生活環境になれてくると積極的に運動をするようになるので、お茶目な様子も楽しめるでしょう。

しかし、地肌を覆う被毛がないので、皮膚を傷つけないように気を付ける必要があります。

また、遺伝的に肥大性心筋症や僧帽弁形成異常などの心臓の病気を持ちやすい傾向があります。

大人になって一安心した2歳や3歳くらいに症状が出たりすることもあります。

普段から健康状態を観察しておき、元気がなくなったり、あまり運動をしようとしないときには、気をつけるようにしましょう。

5.スフィンクスの飼育や成長について気を付けるポイント

スフィンクスは、見ての通り、寒さを防ぐための被毛を持ち合わせていません。

特に子猫のときには寒さがとても大きな負担になるので、生活環境にはじゅうぶん注意しましょう。

また、直接肌に紫外線を浴びてしまうので、暑い季節の外出にも配慮が必要です。

普通の猫と異なる点として、被毛がない代わりに皮脂腺が発達している点があります。

皮脂は放っておくと雑菌が繁殖したりして、皮膚トラブルの元となったりします。

蒸しタオルなどで優しく拭き取るようにして、衛生的に保つようにしましょう。

スフィンクスはとても好奇心が強く、小さな子どもや他のペットにも興味を示します。

スフィンクス自体はとても社交的な性格ですが、他の猫やペットが同じような性格とも限りません。

ケンカするとすぐに皮膚に傷を負ってしまうので、一匹で飼育してあげたほうがよいと言えます。

スフィンクスの成長を知ろう

スフィンクスはその外見ばかりが人目を引いてしまいますが、とても愛情深い性格の猫です。

体の大きさも一般的な猫と変わりなく、ちょっとした工夫で飼育することのできる猫だと言えます。

被毛がなく、肌が見せるというのは、逆にそのプロポーションの良さが見て取れるでしょう。

あまりペットショップで見かける猫ではありませんが、これから猫を飼う人には是非とも検討してみてもらいたい猫のひとつです。