最近、キャットフードでも「グレインフリー」を売りにした商品が増えてきました。
猫の体にメリットがあるとされていますが、どういうメリットなのかについては知らない人も多いのではないでしょうか。
そもそもグレインフリーとはどういうものなのかについて、知らないという人もいるかもしれませんね。
グレインフリーのキャットフードとは、具体的にどういうもので、猫の体にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
今回はグレインフリーについてご紹介します。
グレインフリーとは「穀物不使用」のこと
「グレイン(grain)」とは英語で穀物の意味です。
グレインフリーとは、この穀物を含んでいないということで、肉や魚といった動物由来の原料だけで作られたキャットフードということです。
実はキャットフードの原料を見ると、動物性の原料とともにトウモロコシや小麦、玄米といった穀物が使用されています。
これは安価なキャットフードに限ったことではなく、比較的高価なブランドの製品でも使用されているのです。
現状だと植物由来の成分が含まれているキャットフードの方が多数派で、グレインフリーの製品の方が少数派だと言っても良い状態です。
ただ、グレインフリーをセールスポイントにしている製品があるということは、猫にとって何らかのメリットがあることでもあります。
では、グレインフリーのメリットとはどういうものなのでしょうか。
猫は完全肉食動物
そもそも猫は人間や犬と違い、完全肉食動物です。
これは動物性の食べ物だけで生活していくことを意味しています。
例えば、腸の長さは牛や馬といった草食動物が一番長く、人間のような雑食動物は若干短くなります。
そして、猫のような肉食動物は極めて短くなっています。
実際、草食動物である牛は体調の20倍の腸の長さで、人間も10倍の長さがあります。
これに対して猫は4倍程度です。
これは植物性の食べ物の方が、消化の際に腸に負担がかかってしまうことを意味しています。
付け加えると、猫の歯は人間と違い、奥歯も先が尖っています。
つまり、繊維を多く含む植物性の食べ物を咀嚼するのには向いていません。
肉を噛みちぎり、引き裂くことに適した構造になっているというわけです。
猫は完全肉食動物であるため、体の方もそれに適した作りになっています。
猫が穀物を摂取することのデメリット
猫が本来、植物性のものは食べないことは上に書きましたが、穀物を与えることはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
まず重要なのは、猫の唾液にはデンプン質の分解に必要な酵素・アミラーゼが含まれていないことです。
これはデンプン質を多く含む穀物が、上手に消化できないことを意味しています。
つまり、穀物を摂取しても大して栄養にならず、穀物含有量の多いキャットフードだと量を与えても栄養不足になる可能性があるということです。
また、腸が短いため、食物繊維をうまく消化することができません。
穀物も植物性のものですから食物繊維を含んでいますので、消化は苦手だと言って良いでしょう。
つまり、穀物は猫にとっては極めて消化が悪いものだということになってしまいます。
消化が悪いということは、胃腸に負担を与えてしまう可能性が高いということで、結果として健康面で悪影響が出る可能性があるということになります。
その悪影響のひとつが、穀物アレルギーです。
皮膚に炎症を起こしたり、食べたものを吐いてしまったりします。
猫のためを思って買ったキャットフードが猫の体に悪影響を与えているとしたら、こんな悲しいことはないでしょう。
ではなぜキャットフードに穀物が含まれているのかと言えば見かけの量を増やしてコストダウンを図るためと言われています。
安価な製品に穀物が含まれているのはこのためで、猫の健康よりも製造コストを重視して穀物を原料に使用しているにすぎないということです。
グレインフリーは「猫が本来食べるべきもの」
イリオモテヤマネコをはじめとする野生の猫を見れば分かりますが、猫は本来、狩猟をして生きた動物を捕獲し、それを食べることによって生きています。
これは猫科全般についてもいえることで、ライオンだってトラだって狩猟動物です。
体のサイズが小さいだけで、猫だって基本的に大きく変わるところはありません。
そうした猫の歴史を考えると、動物性の原料だけで作られたグレインフリーのキャットフードは「猫が本来食べるべきもの」だと言えます。
猫が本来あるべきものを食べ、あるべき状態にすることが健康にとってもいいということで、それがグレインフリーのキャットフードのメリットです。
グレインフリーのキャットフードをあげてみよう
キャットフードは、そもそも猫が健康に生きることができるように作られたものです。
もし、猫をできるだけ野生の生活に沿って育ててみたいという方がいれば、グレインフリーのキャットフードをあげてみるのも良いのではないでしょうか。