「空前の猫ブーム」とも言われている昨今。

猫を飼っていく時に知っておきたいのは何をあげれば良いのかということですよね。

猫の成長に必要な栄養素についてご紹介します。

絶対に必要不可欠な「タンパク質」

ネコ科の動物の代表と言えるライオン、トラを見ればお分かりのように、猫という動物は肉食です。

肉の成分であるタンパク質は猫には絶対必要な栄養素です。

猫は人間の5~6倍のタンパク質を必要とします。

タンパク質の主要な働きは何と言っても筋肉、内蔵、血液、皮膚、毛などの猫の体そのものを作ることです。

これがない事には成長することなど不可能です。

そのため、幼猫用のキャットフードには特に、多くのタンパク質が含まれています。

それ以外にもタンパク質は、内蔵が正常に機能するために必要なホルモンや酵素の材料にもなっています。

主要なエネルギー源となる「脂肪」

脂肪と言えば油をイメージされる方は多いと思いますが、ご存知のように油はよく燃えます。

よく燃えると言うことは高いエネルギーを持っているという事であり、脂肪の主要な役割はエネルギー源となることです。

この他、脂肪にはビタミン類の吸収を助けたり、食べ物にコクや旨味を与える役割を果たします。

これは人間の食べ物でも美味しいものには脂肪が多いことからでもお分かりいただけると思います。

脂肪は複数の脂肪酸が組み合わさって出来ているものなのですが、いくつかの脂肪酸は動物の体内で作り出す事ができます。

ただ、猫の場合は人や犬などと比べると体内で作ることの出来る脂肪酸が少ないため、より多くの脂肪が必要になります。

また、猫が体内で作り出す事ができない脂肪酸は、植物よりも動物の脂肪に多く含まれています。

猫が肉食である事の理由はこの点にもあります。

骨を作るのに必要な「カルシウム」と「リン」

タンパク質が猫の体のほとんどを作っていることは先に触れましたが、骨の材料となるカルシウムも猫の成長に絶対必要な栄養素です。

特に発育の盛んな幼猫や妊娠中の母猫にはより多くのカルシウムが必要で、これらの猫には特にカルシウムを多く含んだ専用のキャットフードを与える必要があります。

そして、カルシウムと並んで重要な栄養素がリンです。

実はカルシウムだけでは骨を作ることが出来ず、カルシウムとリンが結合したリン酸カルシウムという物質が骨の主成分となります。

また、カルシウムとリンはバランス良く与える必要があります。

比率としてはカルシウム1に対してリンは0.8の割合が理想で、リンが多すぎると余分なリンを排出するためにカルシウムも使ってしまうため、与えるカルシウムとリンのバランスには注意が必要です。

人間ほど重要ではない「炭水化物」

人間の場合米、小麦などに代表される炭水化物は主要なエネルギー源となり、三大栄養素のトップに挙げられる重要な栄養素ですが、猫にとってはそれほど重要ではありません。

猫の場合は、タンパク質と脂肪を効率良くエネルギーに変える事ができるので、炭水化物はほとんど必要ありません。

逆に猫の体は炭水化物を上手く消化できない構造をしているので、与えすぎると下痢になることもあります。

人間と同じく健康維持に必要な「ビタミン」

ビタミンは人間の場合と同じく、猫の成長に直接関与する栄養素ではありませんが、健康な体を維持するためには欠かせない栄養素です。

ビタミンAは目を保護する働きがありますが、与えすぎると筋肉の萎縮や体の痛みを起こします。

ビタミンB類が不足すると猫は食欲が減るなど体調を崩します。

特にビタミンB1は人間の6~7倍必要で、これが不足すると体重が減り、まっすぐに歩けなくなったり痙攣を起こしたりします。

この状態が長く続くと昏睡状態から死に至る事もあるので、ビタミンB1の不足には特に注意が必要です。

ビタミンCは皮膚や毛、歯茎などの健康に欠かせない栄養素です。

人間にとっても肌の健康に欠かせない栄養素なので、同じようなイメージで分かりやすいと思います。

猫は体内でビタミンCを合成できるので、人間ほど意識して摂る必要はありません。

ビタミンEは不足すると黄色脂肪症という病気になり、これにかかると皮下脂肪が変成してしこりができたり、炎症を起こして痛みがでます。

原因の一つに考えられているのが魚(特に青魚)の食べ過ぎです。

人間の場合は血液をサラサラにする青魚の脂肪分は健康に良いのですが、本来肉食の猫にとって青魚の脂肪分は皮下脂肪の変成の原因になります。

人間の健康に良いもの=猫の健康に良いものとは言えないので気をつける必要があります。

猫に必要な栄養素を知っておこう

猫が健康に成長するためには、やはり猫が本当に必要な栄養素をバランス良く含んだ食事を与えることが大切です。

これらの栄養素は現在市販されているほとんどのキャットフードにバランスよく含まれていますので、これから猫を飼ってみようと思う方も特に難しく考える必要はありません。

ただ、人間に必要な栄養素が必ずしも猫に必要な栄養素ではないという事にだけは気を付けるようにして下さい。