猫の健康のためにキャットフード選びは大切です。
値段が高ければ良いというものではありませんが、極端に安いものはそれなりの品質で、猫の健康に良くありません。
なぜ安いキャットフードが猫の健康に良くないか、どんな危険性があるのかをご紹介します。
1.なぜ「低価格=危険」なのか
低価格のキャットフードは猫の健康を損ないます。
キャットフードがなぜ低価格なのかという理由を調べると、その危険性が浮かび上がってきます。
低価格のキャットフードは以下のような理由で危険です。
1.安価で低質な材料を使用(低質の肉、多量の穀類)
2.保存料・酸化防止剤を多量に使用
3.多量の油脂、合成調味料を使用
4.合成着色料を使用
5.原材料の表示が曖昧
なぜ低価格かということは1の「安価で低質な材料」が大元の原因なのですが、それをごまかすために2~5のような操作が行われ、危険性をさらに増しています。
2.安いキャットフードだと低質の肉の危険性
安いキャットフードの肉は最低ランクの肉を使用しています。
家畜の体で人間が食べられない部分(毛、蹄、角、内臓、血液など)を粉砕して混ぜ合わせたもので、肉といっても肉の栄養価はありません。
こうした肉はキャットフードには「ミートミール」「肉副産物」などと表示されています。
そして最低価格のキャットフードは「4Dミート」を含んでいる可能性があります。
「4Dミート」とは、Dead(死んでいる)、Diseased (病気の)、Dying(死にかけている)、Disabled(障害がある)を意味します。
こうした肉は加熱処理されているとはいえ、病気の動物に使った薬品が残存していたり、遺伝子に異常がある肉の可能性があります。
しかも家畜以外の肉や、その他の異物が混ざっている可能性も否定できません。
こうした肉が含まれたキャットフードは猫が十分な栄養を摂れないばかりでなく、含まれている有害物質で健康を損ねる危険性があります。
3.多量の穀類の危険性
穀類の方が肉よりも低価格なので、低価格のキャットフードには多量の穀類が入れられますが、猫は肉食動物なのでこれでは十分な栄養が摂れません。
トウモロコシやビートパルプ(サトウダイコンの繊維)が便秘を防ぐという理由で入れているフードもありますが、あまり大量に含んでいるものはただのかさ増しのためでしょう。
穀類を摂り過ぎると猫は動物性たんぱく質が摂れないだけではなく、胃腸に障害を起こしたり、アレルギーを引き起こします。
4.保存料、酸化防止剤の危険性
低価格のキャットフードほど、多量の保存料や酸化防止剤を使用しています。
元々質が悪く劣化しやすい材料を使っているため、また大量生産して工場や店でストックしている時間が長いためです。
特に質の悪い油脂を多く使っているキャットフードは、危険な酸化防止剤を多量に含んでいます。
特に危険な保存料と酸化防止剤は「亜硝酸ナトリウム」「ソルビン酸カリウム」「エトキシキン」「BHT」「BHA」などです。
これらは発がん性、消化器や肝臓への影響、催奇形性が認められています。
酸化防止剤には天然由来の体に害が少ないものもありますが、そうしたものは高価なので、安いキャットフードには使われません。
5.多量の油脂、合成調味料の危険性
低質の材料で作られたキャットフードはそのままでは味が悪いので、猫が喜んで食べるように多量の油脂を入れています。
最低質の肉を粉砕して「ミートミール」を作る過程で油脂が搾り取られますが、大抵そうした油脂を使っています。
特に質が悪いキャットフードには、人間が使えなくなった廃油が含まれている可能性もあります。
そうした油脂が含まれたキャットフードには、しばしば酸化防止剤が大量に使われています。
猫が油脂を大量に摂取すると、肥満、循環器障害などを起こします。
また味付けをするために合成調味料が添加されています。
「グルタミン酸ナトリウム」「グリシリジンアンモニエート」は発がん性や脳神経への影響があり猫に有害なものです。
多量の油脂や合成調味料を使ったキャットフードは、そのものが有害なだけではなく、猫が低栄養のものをだまされて食べてしまうので、ますます健康に良くありません。
6.合成着色料の危険性
低価格のキャットフードほど合成着色料を多く使用しています。
猫は色を識別できないので、飼い主にアピールするためでしょう。
赤色○号、青色○号、黄色○号、などと表示されたものは、すべて合成着色料で、有害かつ不要なものです。
発がん性、赤血球破壊、甲状腺や肝臓への影響、催奇形性などが確認されています。
7.原材料の表示が曖昧な危険性
低価格のキャットフードは、原材料の表示が曖昧で、わかりにくい表現が多用されています。
例えば「ミートミール」「肉副産物」は、何の肉か明示していないうえに、「ミール」や「副産物」が何であるかが一般消費者にはよくわかりません。
「穀類」「植物繊維」という表示も、穀類や植物の種類がわからず、アレルギーを起こした場合には物質の特定ができません。
これは特定して明示できないようなものがキャットフードに含まれている証拠と見て良いでしょう。
安いキャットフードには注意しよう
安いキャットフードは猫の健康に悪影響を及ぼして病気になるリスクを高めます。
高い医療費がかかってしまうと、安いキャットフードを買っても節約になりません。
何より猫が病気でつらい思いをしたり、寿命が短くなるのが問題です。
猫が元気で長生きできるように、良いキャットフードを選んであげましょう。