水分を含ませて柔らかくしたカリカリは、夏場の食欲不審や離乳の始まった子猫、年をとって肝臓を悪くした老猫等、猫の様々な問題に役立ちます。

ここでは、食欲の落ちている猫に少しでも多くご飯を食べてもらうために、カリカリを柔らかく、より食べやすくする方法をご紹介します。

お湯に浸す

カリカリを柔らかくする時、まずはお湯でふやかして与えてみましょう。

猫は基本的に好き嫌いが激しい生き物です。

猫によっては他の匂いが足されてしまうと警戒して食べなくなってしまう事もあります。

カリカリを冷たい水で柔らかくしようとしても、なかなか水分が浸透せず時間がかかってしまったり、芯が残ってしまい上手く柔らかくする事は出来ません。

カリカリを柔らかくする時は、必ず温かいお湯を使うようにしてください。

水よりお湯を使う利点は他にも、野生のころ獲物を捕らえて食べていた本能からか、猫は冷たいエサより人肌程度の少し温かいものを好んで食べると言う点もあります。

時間がなく、すぐに柔らかくしたい時はカリカリを出来るだけ小さく砕いてあげるとより早く水分を含ませる事が出来ます。

時間に余裕があるなら、少し手間をかけて芯まで均一に柔らかいカリカリを作ってあげましょう。

細かく砕いたカリカリにヒタヒタになる程度の水を加え、冷蔵庫で数時間から半日漬けておきます。

カリカリが水分を十分に含んだら、猫に与える前に電子レンジで数十秒加熱してください。

指先で潰してみて芯まで温かくなっていたら出来上がりです。

猫の舌は猫舌という言葉の通り熱いものには強くありません。

柔らかくしたカリカリは、指で触って少し温かいと感じる程度まで冷ましてから与えてください。

温めた猫用ミルクで

離乳食を始めたばかりの子猫は、まだキャットフードの匂いや味に慣れていません。

離乳前に与えていた猫用ミルクをそのまま使ってカリカリを柔らかくしてあげれば、仮狩りから今まで食べていた物と同じ匂いがするので、子猫も安心して口をつける事ができます。

猫用ミルクでカリカリを柔らかくする時は、パッケージの指定の濃さだと濃度が高すぎて上手くカリカリとミルクがなじまない事があります。

粉ミルクは心持ち薄めに溶かして、液状のものは少しお湯を足してあげるとカリカリとなじみやすくなります。

この点に注意すれば、お湯で柔らかくする時と同じ方法でカリカリを柔らかくすることが出来ます。

また、猫用ミルクは栄養価が高いので老猫など栄養不足の猫にオススメです。

柔らかくしても十分な量が食べられないときも、不足した栄養を補ってくれます。

逆に糖尿病や肥満など栄養の摂取に注意が必要な猫には猫用ミルクを使う方法はオススメできません。

持病を持つ猫に柔らかくしたカリカリを与える時は、一度かかりつけの獣医さんに相談しましょう。

鰹節でとった出汁で

鰹節で取った出汁ならカリカリの匂いとの相性もよく、匂いに敏感な猫が喜んで食べてくれる可能性が高くなります。

柔らかくしたカリカリにさらに鰹節や海苔を振りかけてあげれば、夏バテで食欲の落ちてしまった猫の食欲増進にも効果的です。

マグロやサーモンなどの海鮮風の味を好む猫にもオススメです。

出汁は鰹節だけでなく煮干し等何からとっても構いません。

しかし中には加工方法の問題で、たくさんの塩分を含んでいるものもあります。

出汁をとる鰹節は人用のものは使わずに猫用の減塩の鰹節を使ったり、肝臓病など塩分の取り過ぎが健康に深く繋がっている猫には、使用を避けた方が良いでしょう。

ササミの茹で汁で

チキンなどの肉系の味つけのカリカリには、ササミを茹でた時の茹で汁がオススメです。

ササミの茹で汁を使うときは、ちょっとしたコツを押さえると茹でた後のササミでさらに猫の食欲を増進できます。

まずお湯が沸騰したら火を止め、あらかじめ室温にしておいたササミを切らずにそのまま入れます。

10〜20分ほどかけて余熱でゆっくりとササミに火を通して出来上がりです。

中心までしっかりと火が通っているかを確かめて猫に与えましょう。

熱を加え過ぎずに余熱で調理したササミは、しっとりとしていて柔らかく食欲の落ちた猫にもおいしく食べられます。

細かく裂いて茹で汁で柔らかくしたカリカリに加えてあげれば、食感のアクセントになります。

毎日の食事で使いたい時は、カリカリを加える前なら、製氷機に入れて冷凍しておけば一食ごとに茹で汁を保存しておく事も出来ます。

ただし、水気を含ませ柔らかくしたあとのカリカリは、そのままのカリカリと比べ腐りやすくなっています。

猫が残した時はすぐに捨てるようにしてください。

柔らかくしたカリカリは水分補給にも最適

柔らかくしたカリカリは食欲の無い時や消化機能の弱っている時だけでなく、普段の健康を保つために与えても効果的です。

ドライタイプだと不足しがちな水分をしっかりと摂らせる事が出来るため、脱水症状になりやすい夏、乾燥しがちな冬には健康な猫にも進んで用意してあげたいごはんです。