性格や年齢によって、エサに対して掘る行為をする猫がいます。
エサがこぼれてしまったり、エサ皿ごとひっくり返してしまったりして、飼い主は片付けに一苦労させられる事もしばしばあります。
猫はなぜエサに対して掘る行為をするのでしょうか。
感触が好き
子猫のうちの掘る行為の中で最も多い原因は、エサを掘る感覚が楽しく感触が好きだからという理由です。
軟らかい離乳食のウエットフードからドライフードに変えたばかりの頃は、特にこの行動が見られます。
ドライフードを与えられ始めたばかりの子猫は、まだドライフードを食べ物として認識しておらず、感触の良い砂遊びのオモチャのように扱ってしまいます。
猫はもともと砂漠の生き物です。
トイレで砂をかけるように掘るという行為は、猫の本能の中に備わっている行為のため、エサ皿のドライフードのように小さくてパラパラしたものがたくさん集まっていると掘りたくなってしまうのは仕方のない事です。
エサ皿の下に布を引いたり、大きめのトレイを置くと飛び散ってしまったフードを片付けやすくなります。
どうしても猫がエサで遊んでしまう事に困ってしまうのなら、エサをウエットフードに変えてみたり、しっかりとエサの時間を決めて、残したエサをすぐに片付けたりするようにしましょう。
あとで食べるために隠そうとしている
エサをある程度食べた後掘る行為をするのは、後で残りのエサを食べるために穴を掘ってエサを隠そうとしていると考えられます。
多頭飼いの家の猫には特に見られる行為で、他の猫からエサを隠そうとしています。
残したエサを穴を掘って隠そうとする行為は、多くの動物に見られる本能的な行動の一つです。
おやつを貰った後やその日の気分によって、猫のお腹の空き具合は変わります。
それなりの量をきちんと食べている様子なら、今はお腹いっぱいなので後で食べようと思っているだけでしょう。
毎日のようにこの行為をするようなら、一般的な猫より小食なのかもしれません。
一度に与えるエサの量を減らし、その代わりに回数を増やしてこまめに与えるようにすると、掘る行為は少なくなるかもしれません。
猫によっては、隠そうと一生懸命になるばかりに、新聞紙や毛布など部屋にあるものを引っ張り出してしまう猫もいます。
必至に隠している姿はとても可愛いものですが、衛生管理のためにも隠したエサはしばらくしたら片付けてしまいましょう。
猫のほとんどはエサを隠した事自体を忘れているので、片付けても特に問題はありません。
嫌いなエサを隠したい
エサを食べる前に掘る仕草をしている時は、飼い主に対する”このエサは気に食わない”というアピールとも考えられます。
栄養バランスが考えられた高価で品質の良いフードでも、猫によっては口に合わない事もあります。
掘る行為の他にエサの匂いを嗅いだ後に鼻を舐めたり、匂いを嗅いだりしただけでエサに口をつけずにどこかへ行ってしまうようなら、そのキャットフードは猫の口に合わなかったのだと考えた方が良いでしょう。
今まで普通に食べていたキャットフードでも、このような仕草や掘る行為をする場合もあります。
どんなにおいしいエサでも、毎日食べていると猫でも飽きてしまう事もあるからです。
また、キャットフードが湿気っていたり古くなって痛んできている時も、猫は人間にはわからない変化を敏感に察知して口にしなくなります。
好き嫌いのわがままと判断して無理に食べさせようとするのは、食あたりや下痢の原因になるのでやめましょう。
エサに飽きさせないために猫の好きなキャットフードを2~3種類用意しておき、ローテーションで食べさせてあげるとキャットフードに飽きにくくなり、掘る行為が減らせます。
エサ皿が食べにくい
エサをお皿から掻き出してしまったり、エサ皿をひっくり返してしまったりするほど掘る場合、使っているエサ皿が高すぎる、もしくは低すぎてうまく食べられないのかもしれません。
この場合、食べにくいエサ皿からエサを外に出して食べるために掘る行為をしているのでしょう。
食べにくいエサ皿は猫にとってストレスになります。
飼い主と猫両方のストレスを減らすためにもエサ皿を変えてみてはいかがでしょうか。
他にもエサ皿が軽すぎて食べる時に皿が動いてしまったり、小さすぎてヒゲがエサ皿のフチにあたるのが不快だったり、皿の深さが合わなかったりと、猫がエサ皿を使いにくいと感じる要因は多くあります。
エサ皿を買い替える前に台の上にエサ皿を置いて高さを調節したり、滑り止めをつけてエサ皿を動きにくくしてみてください。
案外簡単な事で問題が解決するかもしれません。
猫がエサを掘る理由を知ろう
猫がエサに対して掘る行為をする理由は、特に理由もなく本能による行為の場合がほとんどです。
しかし、中には飼い主に対する何らかのアピールという事もしばしばあります。
掘る行為でエサを散らかしてしまっても、あまり怒らずに理由に沿った対策をしてあげましょう。