大人しく撫でられていると思っていたら、急にカプリと噛みついてくる猫の甘噛み。
猫を飼っている人ならきっと味わったことのある痛みです。
噛まれる、といっても大して痛くないのですが、それが度重なると「自分は猫に嫌われているのだろうか?」と自信がなくなり不安になってくる方もいるのではないでしょうか。
猫はどういう理由で甘噛みをするのでしょうか?
愛情表現
子猫は生まれてからずっと親子兄弟の間で甘噛みを繰り返し、生活してます。
そうした中で成長していく内に、相手を噛む力の加減を身につけていきます。
甘噛みは猫同士の愛情表現で、猫の本能的な行動です。
相手を傷つけようと考えてはいません。
例えば飼い主さんが優しく猫を撫でている時に猫が急に甘噛みしてくるのは、猫があまりにも気持ちよく感じて思わず噛んでしまったのかもしれません。
決して怒ったり叩いたりしないでください。
きつく叱ると、猫は本当に飼い主さんのことを嫌ってしまうかもしれません。
子猫がしつこく甘噛みしてくる場合、しっかりしつけなくてはなりません。
甘噛みの癖がついたまま大人になってしまうと、噛む力が強くなる分飼い主さんは大変な思いをすることになるでしょう。
人間に噛みつくことはいけないことだと教えないといけません。
猫の本能
猫は元々狩猟動物です。
「噛む」という行為は猫にとって仮の一連の行為の中の一つで、本能的行動です。
飼い主さんが猫を触っている時に甘噛みしてくるのは、猫が急に「狩猟モード」に入ってしまったせいかもしれません。
飼い主さんの手がひらひらと動くところを見ている内に、我慢できなくなってしまったのでしょう。
猫が甘噛みしてきた時には、慌てて足や手を引かないようにしましょう。
猫の歯で指や手が傷つく可能性があります。
また猫が獲物が逃げたと思い、ますます追って噛みつくかもしれません。
噛みつきながら手や腕を後脚で蹴り出したなら、そっと猫から離れましょう。
そして、猫が興奮状態にある時はあまり近寄らないようにしましょう。
耳が横にピンと立ち、瞳孔が開いている時、猫は臨戦状態に入っています。
そんな時は、静かに見守っていましょう。
触ってほしくない
猫の気持ちは驚くほど変わりやすいことはよく知られています。
猫の方から甘えてきて、さっきまでゴロゴロ喉を鳴らしながら撫でられていた猫が、態度を急変させてカプリと甘噛み、そのままプイッと離れていくといったことは何度も経験されているのでは?
猫は全身がセンサーと言って良いほど敏感な動物です。
長い時間ベタベタ触られることを好みません。
触ってほしくない部分も沢山あります。
可愛いからと、飼い主さんがいつまでも触り続けたり、触ってほしくない部分を触ってしまった時、猫は「やめろ」という気持ちを込めて甘噛みしてきます。
そんな時は一旦猫を解放し、甘噛みをやめてから再度撫でるようにしましょう。
逃げていく猫をしつこく追いかけることは、猫に嫌われる原因になります。
吸い付き行動
吸い付き行動とは、離乳が終わった子猫がいろいろなものに吸い付いたり噛みついたりする行動です。
自分の体や他の猫、ぬいぐるみや人間の手足などに吸い付き、甘噛みしてきます。
ほとんどの猫が成長すると共にこれらの行動は落ち着きいずれ無くなっていきますが、一部の猫は大きくなって噛む力が強くなった状態で続けている場合もあります。
猫の吸い付きたくなる欲求を収めるために効果的なことは、飼い主さんが猫とたくさん遊んであげることです。
また吸い付き用のおもちゃを与えて対象をそらすことも効果的です。
猫の甘噛みをやめさせる方法
猫の甘噛みは愛情表現と言っても、やはりしつけて直す必要があります。
猫がしつこく甘噛みをしてくる時は以下の方法を試してみて下さい。
・指を甘噛みしてきたら、手前に引かずそっと猫の口の奥に指を入れましょう。
甘噛みしたら苦しくなると猫に覚えさせます。
指が奥に入りすぎて猫の喉を傷つけてしまわないように注意してください。
・猫が甘噛みしてきて歯が指や手に触れた時、猫の目を見つめながら大きな声で「痛い」と言ってください。
甘噛みしてくるたびにこれを繰り返していく内に、「痛い」という声を聞くとすぐに噛むのをやめるようになります。
直後に舐めてくるようにもなります。
根気よく続けてみましょう。
多頭飼いの環境なら、猫同士をじゃれさせてみましょう。
これが一番効果的です。
猫同士で甘噛みの痛さを覚えてもらいます。
猫が甘噛みをする理由を知ろう
猫の甘噛みは、本来なら親子や兄弟と過ごすことで自然に加減を覚えるはずです。
しかし、人間の勝手で、幼い頃から親兄弟と離された猫が、なかなか甘噛みの加減を覚えられないことは仕方ないことです。
けれど仕方ないで放置するれば、飼い主も猫も不愉快な気持ちで過ごさなければなりません。
猫と暮らすのであれば、しっかり根気よく甘噛みすることはいけないことだと教え、お互いに快適で楽しく、そして優しい時間を過ごしたいですね。