猫を飼っている人は、飼い猫が自分をじっと見つめていたという経験のある人が多いと思います。

猫が他の猫をじっと見る場合、それは威嚇や警戒を意味し、けんかになることもあります。

しかし、飼い猫が目を見開いて飼い主をじっと見ていたら、それは全く異なる意味があります。

エサの要求

猫は基本的に見つめたり見つめられたりするのを嫌がる動物なので、猫同士で見つめあう場合は敵意の表れになります。

しかし、飼い主をじっと見ていたら、それは飼い主が猫にとって、ストレスなく見つめられる相手であり信頼できる相手であるためです。

猫が飼い主を見つめる最も大きな原因は、何かしらの欲求を飼い主に訴えているということです。

ならば鳴けばいいじゃないかと思われる人もいるかもしれませんが、猫は無言のアピールをすることで飼い主に気づいてほしいと思っているのです。

欲求の中でも基本的なものの一つが、「お腹が空いたからエサをくれ」というものです。

エサ皿を常に出しているお宅は、エサ皿が空になっていないか確認してみましょう。

また、決まった時間にエサを与えている家庭は、軽いおやつをあげるのが良いでしょう。

おやつが習慣付くのが嫌だという人は、遊んであげるなどして猫の注意を食事からそらしてみましょう。

一緒に遊んでほしい

2つ目に考えられるのは、「私にかまってアピール」です。

最近は家の中だけで飼っている猫も多いですし、家で猫を1匹しか飼っていないという家庭も多いでしょう。

そのような場合、遊び相手の猫もおらず、家の中で猫と遊んであげられるのは飼い主しかいません。

特に、座ってテレビを見たり本を読んだりしてじっと動かないでいる時には、猫から見れば飼い主は何もしていないフリーの状態です。

「今真剣にテレビを見ている」という言い訳は通用しません。

一緒に遊んでほしいというのは飼い主に甘えているということでもあります。

室内飼いの猫にとって猫にかまってあげられるのは飼い主だけだということを頭に置き、できる限りかまってあげましょう。

仕事や育児でそんなに猫にかまってあげられないという人は、一人でも遊べるおもちゃなどを探してみるのもいいでしょう。

トイレを掃除してほしい

猫は本来狩猟動物なので、とてもキレイ好きで、自分のにおいが強く残ってしまうのを嫌います。

自分のにおいが強く残っていると、獲物が自分を警戒し、逃げてしまう可能性があるからです。

猫がトイレをした後に砂をかけるのも、獲物となる小動物たちに自分の存在を気づかせないように自分のにおいを消すためだと考えられています。

また、自分のにおいを強く残すと、そこを縄張りとしている他の猫との諍いが生じる危険性もあります。

そのため、トイレの後に片づけないで放置していると、自分のにおいが強く残ってしまいます。

すると猫はストレスを感じ、飼い主に掃除をお願いしにきます。

トイレはすぐに片づけ、常にキレイな状態にしておくといいでしょう。

早く一緒に寝にいきたい

飼い主と猫が夜、一緒に布団で寝たり、同じ寝室で寝ることが毎日の習慣となっている家庭もあるでしょう。

そのような習慣がある場合、猫は自分が眠くなっても一人で勝手に布団へ行かず、飼い主が寝に行くのを待つことがしばしばあります。

最初は飼い主のそばで一人で丸くなって寝ていたりもします。

飼い主が寝に行くそぶりを全く見せずに眠気が限界に達すると、しびれを切らして、「早く一緒に寝に行こうよ」とアピールします。

早く起きてほしい

4とは反対に、朝、まだ寝ている飼い主をそばでじっと見つめている場合もあります。

これは言わずもがな、飼い主に早く起きてほしくて、じっと起きるのを待っているのです。

猫は朝早くに起きて行動を開始する動物です。

しかし、飼い主がみんな寝ていると寂しさを感じ、飼い主にも早く起きて自分をかまってほしいのです。

特に休日など、普段の日よりも遅くまで寝ているときには、猫はしびれを切らして飼い主をじっと見つめ、「早く起きて」とアピールします。

部屋の温度を調節してほしい

猫は温度変化にも敏感な動物で、わずかな温度調節をするために寝る場所をころころと変えたりもします。

猫が飼い主をじっと見つめたら、寒い、あるいは暑いから、部屋の温度を調節してほしいというサインを送っているのかもしれません。

特に、季節の変わり目や、自分で体温調整がうまくできない老猫の場合、注意してあげましょう。

愛情表現

特に何かを欲求したいわけではないけれど、飼い主に親愛の情を表したいというときもあります。

このときには欲求アピールの時のように目を見開きじっと見つめるのではなく、目を薄目にして、細かく瞬きをしながら飼い主を見つめているのですぐにわかるはずです。

いつもは誰かに見つめられるのが苦手な猫ですが、このときには飼い主も猫を見つめ、どのくらい見つめあい続けられるか試してみるのもいいでしょう。

臨機応変に猫の要求を察知しよう

猫が飼い主のじっと見ていたら、それは飼い主に何かしらの要求があってアピールしていることが多いです。

猫の様子をよく見たり、飼い主が動いた時の反応をチェックしたり、時間やエサやトイレなどを確認したりして、臨機応変に猫の要求が何であるか探ってみてください。

猫の要求がよくわかり、それに対応できるようになれば、猫との絆がより一層深まるでしょう。