「猫と喋る事ができたら良いのに・・」と思う、飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ですが、実は言葉で意思を伝える事はできなくても、猫は自分の体を使って気持ちなどを表現しています。
それが「カーミングシグナル」です。
ここでは代表的な猫のカーミングシグナルをご紹介します。
シッポの状態で分かるカーミングシグナル
シッポが上にピンと立ち上がっている時は、精神の状態が安定しています。
ご機嫌な時もシッポを上に上げる傾向にあるのが特徴です。
飼い主などの足にシッポを上げて近づいてきた時は、甘えているだけでなく、遊んでほしい時やご飯が食べたい時など、何か催促しているケースも多くなります。
逆にシッポが下にだらんと下がっている場合は、落ち込んでテンションが低い状態となっています。
もし、シッポが脚の間に挟まっているような状態になっていれば、恐怖心を感じているかもしれません。
このようなシッポの状態になるのは、防御反応を取っている時です。
自分より強い相手からケンカをしかけられた時や、飼い主さんに強く怒られた特に、このようなシッポの状態となりやすいです。
シッポが大きく膨らんでいる時は、興奮状態にあります。
急に大きな音がしたなど、びっくりしたり恐怖心を感じるとシッポが大きくなるケースが多くなるのです。
シッポが膨らんで大きくなっている時は、興奮して攻撃的になっている事があるので注意しましょう。
ただ、稀にですが飼い主さんに甘えて、シッポが膨らむ猫もいます。
シッポの動きで分かるカーミングシグナル
シッポの状態だけでなく、猫はシッポの動きによっても気持ちを伝えています。
ゆっくりと大きくシッポを振っている時は、リラックスしている状態です。
飼い主さんが抱っこしたりしている時に、シッポを大きく振る事がありますが、これはリラックスして安心感を得ているからでしょう。
1匹で座っている時に、シッポを左右に大きく振っている場合は、何か考え事をしている事が多くなります。
逆に細かくシッポをパタパタと振っている場合、少し落ち着かない気分となっています。
また軽い緊張状態でも、このようなシッポの動きをします。
シッポを大きくバタバタと早く振っている時は、かなり機嫌が悪くなっています。
座っている時には床にシッポを、パタンパタンと打ち付けるような形となります。
もし、撫でている時や抱っこしている時に、シッポをブンブンと早く振っている場合、止めて欲しいと思っているかもしれません。
このようなシッポの動きになったら、かまうのを止めましょう。
あくびによるカーミングシグナル
あくびをと言えば、眠い時にするものというメージがあります。
猫も眠い時や退屈している時に、あくびをしますがこれ以外でも、あくびをするケースがあります。
猫を叱った後にあくびをされた経験のある、飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫は恐怖心やストレスを感じると、あくびをする事があります。
ストレスに耐えきれなくなると、あくびをして今の状態を忘れようとします。
あくびをした後は、怒られた事を忘れてしまうのです。
怒っている最中に猫があくびをしたら、怒りすぎかもしれません。
その後は猫のご機嫌を取る為にも遊んであげましょう。
爪とぎによるカーミングシグナル
猫は爪とぎをする動物ですが、実は爪とぎにもカーミングシグナルが隠されています。
気持ちを落ち着かせたい時に、爪とぎをするケースが多くなります。
また、爪とぎだけでなく毛づくろいも、気持ちを落ち着かせたい時によく行うカーミングシグナルと言われています。
例えば、テーブルに飛び乗ろうとして、誤って落ちてしまったという時の動揺した気持ちを落ち着かせる為に、爪とぎや毛づくろいをします。
鼻と鼻をつけるカーミングシグナル
猫同士、まるでキスをするかのように、鼻と鼻をくっつける事があります。
俗に言われる「鼻チュー」ですが、この動作もカーミングシグナルの1つです。
鼻と鼻をつけるのは、ネコ同士の挨拶です。
また、仲の良い猫にしか行わないので親愛の証でもあります。
飼い主さんの場合、指で鼻チューと同じ挨拶をする事もできます。
指を出して相手の猫が鼻を近づけてくれたら、信頼しているという証拠です。
瞬きによるカーミングシグナル
猫がゆっくりと瞬きをしている場合、「自分は敵じゃないよ」という事を伝えています。
猫はジッと目を見つめる動作は、挑発行為となります。
ケンカをする前のネコ同士が、長く見つめ合っているのもこの為です。
猫が可愛いからといって、ジッと見つめ続けていると嫌われてしまうかもしれません。
目を逸らしたり、猫と同じようにゆっくりと瞬きをして、敵ではない事を伝えましょう。
喉を鳴らすカーミングシグナル
猫のカーミングシグナルと言えば、独特なゴロゴロという喉の音でしょう。
ゴロゴロと喉をならすのは、リラックスしたり甘えている時が多くなります。
一説には子猫の時、母猫に自分がどこにいるか知らせる為や、母猫に安心感を与える為に喉を鳴らすと考えられています。
成猫になった後も赤ちゃんがえりで、ゴロゴロと喉を鳴らすのです。
この他にも「お腹が空いた」・「遊んで欲しい」など、何か要求がある時にも喉を鳴らします。
また、同居している猫や飼い主に元気が無い時も、喉をゴロゴロならすケースもあります。
このような時は相手を心配していると考えられます。
逆に、自分がストレスを感じた時や、体に痛みがあったり何等かの病気になっている時も、ゴロゴロと喉をならすケースがあります。
実は猫のゴロゴロという喉の音は、リラックス作用や治癒作用を高めると言われているのです。
猫のカーミングシグナルの意味を知ってより良い猫ライフを
このように猫は行動で、自分の気持ちを伝える動物です。
カーミングシグナルを知る事で、より猫の気持ちが分かり良い関係が築けるでしょう。