足付近にいる猫

飼い猫に足を噛まれたら、飼い犬に手を噛まれるという諺と同じで、裏切られたと感じる人は多いでしょう。

でも、猫は裏切ってやろうなんて思っているわけではありません。

噛まれたときの状況ごとにその理由をご紹介します。

かまってほしい

ソファで携帯をいじっていたら足をガブッ。

これはかまってほしいという心理です。

「携帯なんかに夢中になってないで、遊んでよ」というアピールですね。

猫は自分が無視されていると感じると、飼い主の気を引こうとちょっかいを出すことがあります。

アピールの仕方としては、噛むほかに、体をすりつける、鼻をよせてくるというのもあります。

でもいざ遊ぼうとすると、「え、何か?」と全然乗ってこなかったりするんですよね。

猫の気持ちは、一瞬にして変わってしまいます。

獲物をみつけた

出勤前のバタバタ。

朝ごはんの準備など忙しくて大変なのに、猫が足にまとわりついてきてガブリ。

これは動き回る人間の足を獲物と勘違いして飛びついてきたのです。

猫はハンターですから、動くものを捕まえずにはいられない狩猟本能があります。

とはいえ、人間のような大きなものは普通獲物とは認識しません。

この場合は足だけを見て、「あ、獲物だ」と反応してしまったのです。

一度足を獲物だと思ってしまうと、遊びに来た人の足にも容赦なく噛みつきます。

これを止めさせるには、遊びを通じて狩りを疑似体験させてあげるしかありません。

猫のおもちゃを与えてみましょう。

痛みからの怒り

誤って猫の尻尾を踏んでしまったらガブリ。

猫は瞬間的な痛みに弱いので、尻尾の先の毛の部分を踏まれただけでも、大げさに反応します。

そして、反射的な怒りからガブリとなることがあります。

猫にしてみれば、逆襲してやろうなどという気持ちはないとは思いますが、こちらはなんとなく恨みを買ってしまったなあと感じてしまうのですよね。

いずれにしても、猫を飼ったら、いつも足元に注意しましょうね。

遊んでほしい

ペットショップで買ったばかりの子猫が毛を逆立てて飛びついてきて、足にガブリ。

これはあなたの足を遊び相手にじゃれついてきたと考えられます。

猫は生後四か月ぐらいまでに、兄弟喧嘩を通して、狩りの仕方を学びます。

噛んだり噛まれたりすることで、痛さを知り、手加減することを覚えます。

猫同士の付き合い方やルールも、喧嘩遊びを通して学びます。

ペットショップでは、同じころに生まれた仲間がいるので、遊び相手に困ることはありません。

しかし、人間の家に連れてこられた子猫は、遊び相手がいなくなってしまったので、人間の手や足を相手にして遊びます。

どうか面倒くさがらずに、意味のある大切な遊びなので、相手になってあげてください。

ただ、子猫のしたいようにさせておくと、大人になっても痛さの加減がわからないばかりか、噛みつく癖ができてしまいます。

噛まれたら、すぐに言葉でダメと注意しましょう。

それで余計興奮してくるようだったら、おもちゃで遊んであげると良いです。

発情期の甘噛み

発情期に入ったオス猫が足にガブリ。

もっともこの場合、噛むといっても、獲物をしとめるような強い噛み方ではなく、ソフトな噛み方です。

これは人間の足をメス猫の代わりにしています。

猫は交尾のとき、オスはメスをしっかりホールドするために、背中の窪み辺りの皮を噛みます。

猫の持っている習性ですから、発情中のオスは人間に対しても似た行動を取ってしまうわけです。

これを止めさせるには、去勢手術しか方法はありません。

オス猫の発情はメス猫によって引き起こされますから、メス猫と接触を避けるのも良い方法です。

匂いの刺激から

人の足の匂いを嗅いでうっとり、そのうちにガブリ。

これは要するに、人間の足の匂いが猫にとって魅惑的なものであるらしいということですね。

うっとりして、気持ちが高ぶってがぶりとなったわけです。

猫の鼻は人間の鼻よりずっと鋭くて、人間にはわからないわずかな匂いでもキャッチすることができます。

ですから、この場合も足が臭いからそうなったというわけではありません。

止めてほしい

人間の足の近くでゴロリと横になった猫。

手で撫でるのが面倒なので、足でツンツンやっていたらガブリ。

これは猫の行動より、人間の行動に問題があります。

手なら微妙な力加減ができますが、足では無理。

優しくやっているつもりでも、ついつい乱暴になってしまいますよね。

それが猫には不快だったのでしょう。

嫌なことを止めさせるために噛むわけです。

猫が足を噛んでくる理由を知ろう

噛むことは猫にとって日常的な行為です。

遊びで噛むこともあれば、攻撃で噛むこともあります。

とにかく、色々な理由があって噛んできます。

あまり神経質になってもいけないのでしょう。

猫は噛むものだと受け入れたうえで、しっかりしつけるということが大切です。