多くの猫の飼い主にとって、猫が添い寝してくれることは喜びです。

飼い主にくっついて眠る時の気持ちは、一体どういったものなのでしょうか。

親だと思っている

猫は通常、母猫が付きっきりで子猫の面倒をみる動物です。

野生の記憶が残る猫にとって、特に寝る時は安全を確保しなければ生死に関わります。

その中で、子猫は、親と一緒にいることで、安心して生きていけるという体験を刻み込んで大人になっていきます。

飼い主が危険な存在だと思ったら、猫は決して傍に寄りません。

ですが、飼い主が猫の安全を確保して、食べ物を提供してくれる存在だと分かった時から、猫は飼い主に心を開き始めます。

その時から猫は、徐々に飼い主のことを、母猫のように甘えて良いんだろうか、と様子を伺い始め、飼い主がそれを受け入れた時、猫は安心して添い寝を始めます。

ちなみに、寝る位置によって、飼い主への信頼度が変わってきます。

頭に近いほど飼い主を信頼していて、足に近いほど、いつでも逃げられる準備が出来ていると言うことです。

所有物だと思っている

猫は単独で生きる傾向があるので、縄張り意識が強い動物です。

縄張りの中のものは自分の所有物なので、他の動物から守っています。

特に縄張り意識が強い性格の猫にとっては、飼い主も縄張りの中の存在です。

縄張り意識が強い猫は、普段の行動にも出ます。

他の猫のことを構うと機嫌が悪くなったり(自分のものが自分を差し置いてあいつの相手をしてる。と思うようです)、スプレーや縄張りの主張のための爪とぎをしたりする、といったものです。

このような猫は、飼い主の体の上に乗って所有権を主張したり、飼い主を守ろうとしたりします。

猫に所有物だと思われるのも飼い主にとってはモヤモヤしますが、そんな性格なんだと思えば、一生懸命守ってくれる姿も可愛いですね。

暖房器具だと思っている

猫は元々、北アフリカ、中近東、インドなどの温暖な地域に生息していて、ビアヤマネコを祖先としているため、日本は寒いのか、基本的に寒がりです。

これは、日本に適合したニホンネコでも同じで、日本の気候に慣れている人間が快適だと感じる気温は、猫にとっては少し寒いようです。

そのため、暖かくて信頼している飼い主は、暖をとるには打ってつけです。

普段はツンとしている性格の猫でも、部屋が寒いと添い寝をしに来てくれるかもしれません。

それを目当てに室内を寒くするのも考えものですが、信頼関係は築いているのにどうしても添い寝をしてくれないクールな猫に添い寝をしてほしいと思ったら、チャレンジしてみるのも一つの手ですね。

ただ、その「寒い」の基準は猫の基準なので、飼い主にとっては暑い季節でも、猫は寄り添ったり布団に潜り込んだり乗ったりするので、場合によっては暑さで眠れなかったりすることもあります。

習慣になっている

これは、子猫の頃から飼い主が慣らしている場合のことですが、ただ単にそこで寝ることが習慣になっているから、と言うことがあります。

人間が毎日同じ自分のベッドや布団で毎日寝るのと同じように、猫もそこで寝るのが当たり前だからです。

しかし、猫を小さい内から添い寝をする習慣をつけるのには、注意が必要です。

子猫の内はまだ小さくて軽いので気づきにくいのですが、首の上や鳩尾付近に寝るように習慣づけると、大人になって重くなった時、寝苦しい思いをすることになります。

大人になってからその習慣を変えようとしても、猫は人間の都合で行動を変えるようなことはしないので、大人になったらいてほしくない場所や大人の猫に乗られては困る場所は、子猫の内から避けておくようにしましょう。

触り心地が良いと思っている

人間が好むタオルや布団の柔らかさは、猫もやはり好みます。

飼い主と猫の好みが近いほど、飼い主が好む布団の風合いも、猫は気に入ります。

なので、飼い主と一緒に寝たいというよりは、自分の寝床にしたくて、結果的に添い寝になることがあります。

もちろん、飼い主が安全なので安心して布団の争奪戦に挑んでくるのですが、この場合は飼い主よりも布団が好きだと言えます。

ただ、好みが近いということは、一緒にいる機会も多くなるため、自然と飼い主と猫の信頼関係は育まれやすい状況なので、是非活用してみてください。

仮に猫と好みが近い場合、普段の布製品を買う時は、自分用と猫用の両方を用意すると、猫と争奪戦にならずに済みます。

あと、あまりに心地が良いと、ついつい布団で粗相をしたくなる猫もいますので、それも気をつけてください。

添い寝する猫の気持ちを大切に

猫が一緒に寝る理由は、一つではありません。

しかし、どんな理由にしろ、飼い主が自分の家族や味方だと思われていることは間違いありません。

これからも、幸せな関係を築いてください。

また、性格であまり寄らない猫もいますので、添い寝しないから嫌われてると言うことでもありません。

ちょっとクールなだけかもしれません。

そんな猫の思いも、大事にしていきたいですね。