普段は4本の足をしっかりと地面に着けて歩いている猫。

しかし、時々前足を上げて二本足で立っている姿を目にしたりすることがあります。

それほど珍しい行動というわけではありませんが、このような体勢を取ることにはどんな意味があるのでしょうか。

今回は、猫が後ろ足で立っているときの気持ちや原因についてご紹介します。

1.びっくりしている

猫が後ろ足だけで立っている光景は、それほど珍しいというわけではありません。

猫を飼ったりしていれば、普段からよく見かけたりしますし、道で偶然出くわす野良猫でも、同じように見られます。

実は、猫の足というのは、前足よりも後ろ足のほうが筋肉が発達しています。

これは高いところへジャンプするためであったり、静止している状態からパッと走って逃げたりするためです。

なんとなくこうした行動から、猫の後ろ足が発達している理由のも納得できますよね。

大きな物音だったり、予想外の出来事で猫がびっくりしたときに、体全体の筋肉がこわばります。

そうすると、筋肉の発達した後ろ足は大きく力が入り、思わず立ち上がってしまうような姿勢になってしまいます。

そのため、びっくりすると「何だろう…?」と構えてしまい、立ち上がってしまったりします。

2.警戒している

物音などに反応してしまって、びくっと立ち上がってしまう猫。

しかし、このように後ろ足だけで立つのは、咄嗟の反応というのがすべてではありません。

もちろん、そうした予期しない物音や、ハプニングというのは、私たち人間でも大きな警戒心が働きますよね。

猫の場合も同じで、とても緊張しているのと同時に、その原因を探して警戒しているようなシチュエーションになります。

こうしたときに、前足を上げて立つような姿勢になることで、頭の位置が高くなります。

びっくりしたときには、あたりをきょろきょろと見渡すことで、危険なものではないかということを観察しています。

また猫の聴力は、私たち人間の何倍も優れています。

警戒心が働き、よく周りを観察したり、いろいろな音を集めるために、後ろ足だけで立ち上がるような姿勢をしているわけです。

3.威嚇のポーズ

猫が後ろ足だけで立つときというのは、何もびっくりして警戒しているときだけではありません。

具体的なシチュエーションで言えば、野良猫と出くわしたときに、興味を持って近付いたりします。

そうすると、微動だにしなかった猫が、急ににゅっと立ち上がったりすることがあります。

こうした行動は、警戒しているのには変わりません。

しかし、ただ単に緊張しているというよりは、前足を上げて立ち上がることで、威嚇をしています。

相手に自分の体を大きく見せたりすることで、「これ以上近付いたら攻撃するよ」とアピールしています。

猫の最大の攻撃手段といえば、鋭い爪の飛び出してくる前足の引っかきです。

前足を上げていくことで、体の長さを使って素早く攻撃できるように準備をしている体勢です。

4.おねだり・気を惹くため

さて、ここまでは、猫がびっくりしたり、警戒しているときに見せるサインとして、後ろ足で立つケースを紹介しました。

しかし、後ろ足で立っているときというのは、何もこのように緊張しているときだけではありません。

例えば、おやつやおもちゃで遊びたいときにも、前足を上げて立つことがあります。

くねくねさせたり、ニャーと柔らかい声で鳴いてみたり。

まるで、私たち人間に、何かを必死にアピールしているように見えたりすると思います。

相手を威嚇するために、自分の体を大きく見せるということにも似ていますが、これは猫の必死のアピールだったりします。

おねだりであったり、相手の気を惹くために、わざとこうした気になる行動を取ろうとします。

猫のこうしたいたいけな気持ちや姿を知ると、ついつい甘やかしてしまいそうになりますよね。

5.目の前のものに気を取られている

猫とおもちゃで遊んでいたり、おやつを目の前に差し出したりすると、前足だけで立ち上がったりします。

そのまま手を引いたり、私たちが後ろに下がれば、二本足で歩いているような姿まで見せてくれたりします。

冒頭でも紹介したように、実は、猫の後ろ足はとても発達しています。

そのため、こんな風に後ろ足だけで立ったり、二本足で歩くというのも、それほど難しいわけではありません。

そのため、意識がおやつやおもちゃに集中してしまうと、思わずこのような姿勢になってしまったりします。

興味を持ちながらも、飛びかかっていいか迷っているときと言っても良いかもしれません。

犬と違い、前足を上げた状態で立っていても、前足で器用にバランスをとって歩くことができます。

ちょっとくねくねとした独特の歩き方は、なんだかとても可愛らしく、私たちを大いに癒してくれる姿ではないでしょうか。

6.トイレをするとき

いろいろなケースにおいて、猫が後ろ足で立つシチュエーションや気持ちについて説明しました。

しかし、最後は少し番外編のような状況です。

それは、トイレをするときのタイミングです。

私たちも、トイレをする時には体が多少なりとも力みますよね?これは猫でも同じです。

しかし、猫は後ろ足の筋肉がとても発達しているというのは、先に触れたとおりです。

そのため、トイレで力んだときに、意図せずにひょこっと立ってしまうような猫がいるのです。

なんとも不思議で、かつ可愛らしい光景ではないかと思ってしまいますよね。

逆に、気張りすぎて後ろ足が上がってしまい、逆立ちのような状態になる猫もいたりします。

もしかしたら、猫がトイレをする時には、けっこうな力がいるのかもしれませんね。

後ろ足で立つ猫の気持ちを知ろう

猫が体を起こしてあたりを見ている姿というのは、どこか可愛らしく見えてしまいます。

しかし、こうした前足を上げて立ち上がるような姿勢は、発達した後ろ足と緊張状態とが大きく関係しています。

警戒したり、危険を察知したり、あるいは目の前の相手を威嚇するために、その機能は使われています。

その一方で、意図せずにこのような体勢になってしまうこともあるといのは、なんとも可愛らしいものです。

今度、後ろ足だけで立っている猫を見かけたら、どのような状況なのか観察してみると面白いでしょう。