肉球は猫の持っているチャームポイトのひとつ。

猫が肉球をなめている、そんな仕草に愛おしさを覚える人も多いでしょう。

そこで今回は、猫が肉球をなめる理由についてご紹介します。

肉球の感度を高めている

猫の肉球には多くの神経が集まっていて、外部からの刺激をキャッチしています。

また、猫は肉球を通して、圧力や温度や痛みを知覚します。

これらをまとめて触覚と言いますが、猫が手を起用に使って獲物を捕まえたり、転がるボールを手で押さえたりできるのは、鋭敏な触覚を持っているからです。

そんなわけですから、感覚器としての肉球をいつもキレイにしておく必要があります。

肉球が汚れていると、感度が落ちてしまうのです。

肉球の手入れをしている

猫が汗をかいているところを見たことがある人はいないと思います。

それは身体の表面に汗腺がないからです。

でもまったく汗をかかないわけではありません。

猫が汗をかける唯一の場所が肉球。

とはいえ、ここから出る汗はほんのわずかで、人間がかく汗のように体温調節のためのものではありません。

肉球を湿らせるための汗です。

肉球と物の間の隙間が水分で埋まれば、接触面積を増えて、滑りにくくなります。

猫が音もなく獲物に忍び寄って、エイッと飛びかかることができるのは、湿った肉球のおかげなのです。

猫は本来狩りをする動物ですから、獲物をつかまえるのに大切な肉球を、ベストな状態にしておく必要があります。

ですので、猫が頻繁に肉球をなめるのは、肉球と汗腺のケアをするためなのです。

冷や汗をぬぐっている

猫が肉球に汗をかくのは、狩り以外の場面でも見られます。

例えば、家に子供がやってきて、捕まえられそうになったり、無理やり抱っこされたり・・子どもに悪意はなくても、猫にとっては脅威です。

そんなときに猫の足の裏を観察すると、肉球が汗びっしょりになっています。

人間は緊張すると、手のひらに汗をかきますが、猫も同じです。

もし、猫がそんなぎりぎりの緊張状態の後で、肉球をなめていたら、それは汗をぬぐっているということです。

気になる匂いを取っている

猫は匂いで自分の縄張りを主張します。

オシッコの匂いのほか、口の周りやあごなど、匂いを出す部位をこすりつけて、自分のテリトリーを宣言します。

そんなわけですから、匂いにはとても敏感で、自分の匂いに囲まれているとリラックスできます。

逆に言えば、知らない匂いをとても気にする生き物とも言えます。

屋外を歩き回ったあとの猫の足の裏には、外で触れた様々な匂いがついています。

外から戻った猫が、肉球をなめているのでしたら、それは足についた匂いを消そうとしているのです。

また、肉球は汗によって細菌が繁殖しやすいので、匂いが気になるということもあります。

それに、猫の肉球から出る汗は、マーキングのためにだす汗でもありますから、そんなところに知らない匂いが付いていたら、余計に気になって仕方がないのでしょう。

痒みや痛さを気にしている

肉球は表皮、真皮、脂肪層の三層構造になっています。

一番外側の表皮は固い角質でできていますが、それでも傷つくことはあります。

尖ったものを踏んでしまったり、喧嘩で激しく走り回ったときに地面と擦れて傷ついたり、高いところから飛び降りたときに傷をつけたり・・肉球にトラブルが発生すれば、猫はそれを気にしてなめるようになります。

肉球のトラブルは、怪我だけではなく、病気の可能性もあります。

肉球の病気として考えられるのは形質性皮膚炎。

この病気にかかると、肉球のカサついた感じになります。

そのうちに表面に腫瘍ができ、出血や膿、最後は足を引きずるようになってしまいます。

原因は不明ですが、病院に行けば抗生物質で治療することができます。

その他にも、肉球の病気には、他にもウィルス性のものや、アレルギー性のものがあります。

猫が肉球を執拗になめて、触ってみて肉球が腫れているようでしたら、早めに病院へ連れて行ってあげてください。

イライラしている

マイペースな猫ですが、時にはストレスを溜めてしまうことがあります。

引っ越しなどの環境の変化や運動不足、見知らぬ人の頻繁な訪問、工事などの騒音など、色々な原因があります。

ストレスを溜めた猫がよくやる行動のひとつに、長時間にわたる毛づくろいがあります。

ストレスを発散するための、逃避行動です。

普通でも一日の三分の一を毛づくろいに費やす猫ですが、肉球をいつもより執拗になめていたら、それはストレスのせいかもしれません。

何がストレスになっているかを突き止めて、できるだけ早くそれを取り除いてあげてください。

猫が肉球をなめる理由を知っておこう

つい触りたくなってしまう肉球ですが、猫にとっては無くてはならない大切な体の一部です。

ですから、日々のお手入れを怠らないわけですね。

敏感な部分ですから、人間が触るときは優しくできるだけソフトタッチでお願いします。