猫を飼う飼い主さんの間では「最近うちの猫が膝の上によく乗ってくるのよね?」という会話が飛び交います。
膝の上で無防備にくつろぐ、そんな猫が愛おしかったり、でも急いでいるから、仕方なく退かさなくてはいけなかったり。
どうして猫は人間の体の上に乗ってくるのでしょうか。
今回はその猫の心理をご紹介します。
暖をとりたいから
「猫はこたつで丸くなる」という歌があるくらい、猫は冬の間暖かい場所を好みます。
冷えたフローリングの上で丸くなるよりかは、あなたの暖かい膝の上に乗って丸くなりたいのです。
ちょうど良い温度の人肌に触れながら、良い夢でもみるのでしょうか。
猫は、一番居心地の良い場所がわかる生き物だと言われています。
人間の体の柔らかさや温かさを母猫の温もりのように感じ、幸せな気持ちになっていることでしょう。
実は、猫は人間よりも平均体温が高く38℃ほどあります。
しかも、人間と違って体温調節が上手ではないので、暖房が効き過ぎていると猫の体温も上昇させてしまい、ちょうど良い温度が保てないのです。
猫にとって適温である体温の上でリラックスし、その際に頭を優しく撫でてもらったら、なおさら心地よいことですね。
猫にとってあなた自身は最高な寝床なのかもしれません。
甘えたいから
あなたに甘えたい気分の時に体の上に乗ってきます。
もっとあなたと一緒にいたいということですね。
実は、あなたが仕事などで日中忙しくしていて、猫がたった一匹で留守番している時には寂しい思いをしていることが多いです。
猫にも寂しいという感情があるのです。
あなたが帰ってきた瞬間に眠気まなこでお出迎えをして、膝の上などに乗り、ごろごろと喉を鳴らしながら甘えてくることがあるでしょう。
そんな時には是非、愛情たっぷりに体を撫でてあげてください。
よく、猫が人の体の上に乗るのは「猫に見下されているからかもしれない」と考える飼い主さんもいらっしゃいますが、決してそうではありません。
犬とは違い、猫は上下関係をつける習性がないからです。
信頼しているから
猫が体の上に乗るということは、あなたとの距離が一番近く感じられるということにもなります。
特に警戒心が強い猫にとって、あなたを信頼していなければこんなに近くで無防備にリラックスしたり、お腹を出したり、眠ったりすることはないでしょう。
猫は、自分という単体を意識する動物だと言われています。
つまり、自分以外のもの全ては自分を構成する一部と考えているのです。
猫に乗っかられるということは、あなたのことを自分の一部だと感じているのでしょう。
そんな素敵な信頼関係が築けているなんてすばらしいことです。
何かを訴えているから
あなたに何かを要求している時に体に乗ってくることがあります。
まだ眠い朝方に何か重いものが体に伸し掛かっている感覚になり、はっと目がさめることもあるのではないでしょうか。
目覚ましを止めた後、まだうとうと夢見心地のあなたにわざわざちょっかいをだしたり、体に乗ってきたりして何かをアピールしているのです。
猫にも様々な欲求があるようですが、特に多いのは「お腹が空いた」でしょう。
飼い猫はあなたにエサを入れてもらって初めてご飯にありつけます。
朝ごはんが食べたくて、あなたがエサ箱からエサをよそってくれるのを待っているのでしょう。
また、「遊ぼうよ」といった欲求や、「かまってよ」という欲求もあります。
犬と違って一見クールに見える猫も、案外あなたに積極的にアピールしている場面が多いのかもしれません。
特に理由はない
いつも眠そうに自由気ままに過ごしている猫は、まさしく何も考えずにただただ時間を過ごしていることもあるようです。
無心になり、静かに時の流れを感じているのでしょうか。
特に、外で生き残る野良猫とは違い、飼い猫は縄張り意識がそれほどありません。
あなたの家は自分の領土でもありますので、だれかに自分の居場所を奪われることもなく、安心して過ごしていることがほとんどです。
ですので、あなたの体の上に乗っかってきていても、特に何か理由があって乗ってきているわけでもないのかもしれません。
もしかしたら気持ちの良い布団だったり、ソファだったり、そのようなものと同じものだと考えているのかも。
それでも、前提としてあなたを信頼していなければ体に乗っかることはありませんので、悲しむ必要はありません。
乗ってくる猫の感覚を楽しもう
このように、猫も様々な感情や欲求を持って日々動いているようです。
犬とは違いなかなか感情が読みづらい猫でも、たくさんの気持ちを抱いています。
日々の何気ない行動を観察して、付かず離れずの距離を保ちながらしっかりと信頼関係が築ければ、あなたと猫はきっと最高のパートナーになるでしょう。