夜になると飼い主の布団に潜り込んで一緒に寝る子猫。
中には、飼い主が寝室に向かうとついて来るようになる子猫もいます。
飼い主としては幸せこの上ないことですが、子猫はどう思って一緒に寝ているのでしょうか?
母猫と思っている
生まれてからすぐに母猫から離れた猫にとって、飼い主はそれこそ親のようなものです。
飼い主と一緒に寝たがるのは、飼い主を母猫のように認識して甘えていると考えられます。
一緒に横になっている時に服を噛んだり、ゴロゴロと喉を鳴らして飼い主の体の一部を前足で揉んだりするのは、母猫に甘えているつもりになっているからです。
甘える気持ちが大きくなると、飼い主を軽く噛んでくる子猫もいます。
子猫の甘噛みは、好きという気持ちの表現方法の一つです。
また、猫は兄弟猫や母猫といった親愛度の高い家族とは同じポーズで眠ります。
飼い主と同じポーズで眠るのは、飼い主に対して仲間意識を持っている証拠です。
野性味の高い猫は特に、大人になると飼い主と一緒に眠らなくなってしまう事が多々あります。
猫は群れでは行動しない生き物なので、これは自然な変化です。
飼い主を嫌いになってしまった訳ではないので、気にする必要はありません。
ただし、早いうちに去勢をすると子猫の状態のままになり、成長しても変化しない場合もあります。
温かいから
飼い主の温かさと布団の温かさの2つを合わせて、飼い主の近くを寝心地の良いベットと認識しているだけという場合もあります。
人間の体温は36~37度と母猫の体温とほとんど変わりません。
子猫にとって睡眠に調度良い温度で、しかも夜中ずっと温度が一定である飼い主は、子猫にとって最高の寝床です。
人にとって快適な寝床は、猫にとっても快適です。
もし子猫と一緒に寝たいなら、自分にとっても眠り心地の良い環境を整えてみましょう。
冬は湯たんぽを入れたり、夏に風通しを良くすると、子猫も喜んで飼い主と寝るようになります。
寒い時は特にこの方法は効果的です。
しかし、温かい寝床を好む子猫は布団の奥の方で眠るので、一緒に寝る時は寝返りでつぶさないように気をつけてください。
大きくなるとある程度は気配を察知して逃げられるようになりますが、子猫のうちはまだまだ注意が必要です。
安心できる
子猫が体の力を完全に抜いて眠れるのは、母猫か信頼している飼い主の近くだけです。
飼い主と一緒の布団の中は、飼い主の匂いが籠っていて、子猫はとても安心できます。
飼い主の傍にいれば守ってもらえるので、無防備に深く眠っていても安全だからです。
成猫は1日15時間、子猫なら1日20時間も眠ります。
1日のほとんどを寝て過ごす猫ですが、警戒心の強い生き物なので、実はほとんどの時間それほど深くは眠っていません。
睡眠時間に対して猫が深く眠っているのはおよそ4時間程度しかありません。
猫にとってこの4時間に安心して深く眠れる事は、心身の健康にとても大切です。
一緒に寝ているとき、子猫がお腹を出して眠っているなら信頼されている証拠です。
猫の寝る位置が飼い主の顔に近いほど、信頼度は高くなります。
ただし、このタイプの猫は飼い主に対しての依存度が高い可能性もあります。
あまり甘やかして育て過ぎてしまうと、飼い主の留守中不安になりやすくなって、粗相が増えてしまう事もあります。
子猫が不安になりやすい性格になってしまうので、甘やかし過ぎには気をつけてください。
習慣だから
飼い主と一緒に寝る事が習慣になっている子猫もいます。
生後3ヶ月頃までの子猫の行動は、のちに習慣化しやすくなります。
この頃習慣化された行為は、大人になっても簡単にはなくなりません。
猫は気持ちの変化が激しいとよく言われますが、それとは逆に警戒心が強く神経質で、生活サイクルが変わる事を嫌う傾向も持ちあわせています。
中には「必ず夜は飼い主と一緒に寝る」と決めていて、他の場所で眠らせようとするととても嫌がる猫もいます。
「夜は飼い主と寝る」という習慣がつくと、子猫の中で「この時間は寝る時間」とインプットされ、決まった時間にぐっすりと眠ってくれるようになります。
一緒に寝る習慣は、夜鳴きしたり夜騒ぐ事が減るというメリットがあります。
飼い主と一緒に寝る習慣化には、デメリットもあります。
それは時間が来たら、必ず飼い主も眠らなくてはならなくなる事です。
寝る時間になっても飼い主が寝室に行かないと、猫はイライラして大きな声で飼い主を呼ぶようになります。
飼い主の生活によっては、この習慣化ははなかなか難しい問題になってしまいます。
一緒に寝る猫に育てるかは、後々の自分の生活習慣も考慮に入れてください。
飼い主と子猫にとって快適な寝床を
子猫が飼い主と一緒に寝るのは、子猫にとって飼い主の近くが快適な場所だからです。
これはつまり、子猫と良い関係が築けている証拠と言えます。
とはいえ猫と一緒に眠る行為は、お互いにアレルギーや病気を発症する危険を高めてもいます。
猫の毛を布団につけたままにしておく事は、猫にも人にも健康に良くありません。
一緒に寝るのなら布団はこまめに掃除しましょう。