猫を飼っている方は経験があるかと思いますが、猫には机や棚の上にある物を落とす習性がありますよね。
猫が手当たり次第に落とした物を拾って毎回元の位置に戻すのも一苦労。
注意をしてしつけしようと試みても、いつも繰り返されてしまう。
いたずらなのか、遊んでほしいのか、うちの猫の性格なのか、いったいどうすれば良いの?と日々悩まれている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ため息をつく前に原因と対策を理解して、お互いにストレスなく暮らせるように解決していきましょう。
まずは、原因からご紹介します。
落下する物の動きを学んでいる
机の上に登って物を落とすという行動をするのは、比較的まだ子どもの猫に多い行動です。
どんな猫でも同じように見られる行動なので”うちの猫だけ”のいたずらではありません。
机の上の物を落とした後の猫は、落ちたものをひとつひとつ上から眺めて満足そうにしていますよね。
思っていたよりもガッシャーンと物音がなってびっくりしていることもあります。
ここから落ちたらどんな風に落ちていくのか、軽いものを落としてみたり、重いものを落としてみたりしながら、落下する物の動きを確かめて学んでいます。
学習していると思って大目に見てあげる必要があります。
捕食本能がある
猫は、前足でおもちゃを捕まえて遊ぶのが大好きです。
ずっと狩りをして生きてきた狩猟動物である猫には、ネズミや小動物を捕まえて食べるという本能があります。
その昔、砂漠で暮らしていた猫は、1匹のネズミを捕まえて食べた後、また新しいネズミを捕まえに行くという行動を1日に数回繰り返しながら過ごしていました。
猫が明け方や夕方などの薄暗い時間帯に元気に動き回るのは、猫にとって狩猟しやすい時間だからと言われています。
突然、元気になって運動会が始まるのも暗い時間帯ではないでしょうか。
薄暗い時間帯に机の上にある物を捕まえて落とす行動は、本能的に様々な場所での狩猟の予行演習をしている場合もあります。
爪とぎを欠かさないのも、狩猟に成功するための本能的な行動です。
お腹が空いている
家で暮らす猫は、狩りで食を得ることができません。
飼い主にエサをもらうしか方法はないので、「お腹が空いたよ」の合図として物を落として知らせることがあります。
飼い主の足元にすりすりとすり寄ったり、鳴いていたりするだけでは伝わらない思いを物で伝えようとしています。
通り道である
どんな猫にもお気に入りの通り道があります。
その通り道に物があれば、猫にとっては障害物となり、邪魔なものとして落として排除する場合があります。
たまたま体が当たって落ちてしまったということもあるでしょう。
飼い主の気をひきたい
机の上にある物を落とされた時に大声を出したり、急いで駆けつけてたりしていませんか?
物音が聞こえると、つい駆け寄ってしまうという飼い主さんも多いと思いますが、机の上にある物を落とせば、すぐに飼い主が来てくれることを覚えた猫は、飼い主の気をひきたい時に、わざと物を落として飼い主を呼ぶことがあります。
物を落とされた時に、機嫌が悪いのかと遊んであげたことがある場合も、物を落とせば遊んでもらえることを猫は覚えています。
飼い主が他のことに集中している時、ダメだと注意しているのが聞こえているのに次々と落として飼い主の顔色を伺っている。
落ちたものを元に戻しても、またすぐに落とす確信犯のような行動をする時は、かまってほしいの合図。
猫にとっては成功しやすいサインですよね。
対策方法は、置かないこと、反応しないこと
猫は本能で机の上にある物を落としてしまうので、机の上には物を置かないようにするのが1番の対策です。
猫の行動範囲に物を置いておきたい場合は、落とされてもかまわないもの、壊れない安全なものを置くように心掛けましょう。
そして、物を落とされた時に大声を出したり、慌てて猫のところに駆けつけたりしないことで、飼い主の見ている時にわざと物を落とすような行動は少なくなっていきます。
目の前にある物を手当たり次第に落としている時や、おもちゃを咥えて持ってくる時、雑誌の上などに乗ってくる時は、遊び足りない、かまってほしいのサインなので、数分でも良いので手を止めて、猫と遊ぶ時間を作ってあげることも大切です。
猫がモノを落とす気持ちを理解してあげよう
猫の本能や対策方法がわかると、同じ行動でも微笑ましく思えるようになり、イライラして落ち込んだり、悩んだりすることもなくなりますよね。
猫は自分の意思を物で伝えることも多いので、どんな時に物を落としているのか、飼い主を見ながら確信を持って落としているのか、エサの量や遊び時間は適切なのかなど、いつもよりも注意深く観察してみると、机の上にある物を落とす行為の原因が何なのかがわかりやすいかもしれません。
可愛い家族である猫の本能を理解してコミュニケーションを上手にとり、お互いにとって暮らしやすい環境づくりをしていきましょう。