猫を移動させる際には、洗濯ネットを利用するのが便利です。

しかし、洗濯ネットに猫を入れるのは意外と難しく、無理をすると、猫も自分も傷を負ってしまう可能性があります。

そうならないための洗濯ネットの利用方法についてご紹介します。

洗濯ネットの選び方

洗濯ネットは柔らかく猫を包むので、大きさや形はどんな物でも構いません。

それよりも重要なのが、入れる口です。

基本的には口が大きい物が猫を丸々入れる事が出来るのでオススメですが、場合によっては小さい口の方が自分から入って行ってくれる事もあります。

網目は猫的にはあるタイプの方が良いです。

無いタイプの場合爪を引っ掛けて折れてしまう可能性があるからです。

しかし、それは逆に考えれば爪が網目から出る事になりますので、抱っこしている人間には爪がヒットしてしまいます。

100円ショップの物は数度使うとチャックの部分が壊れてしまいます。

もしもの時も考え多少高いネットを買っておいた方が良いです。

洗濯ネットは原則猫一匹に付き、一枚用意した方がよいです。

他の猫の臭いが付いたネットに別の猫を入れようとすると激しく怒る事があります。

洗濯ネットに慣れてもらう

猫は頭の良い動物です。

病院に連れて行く時だけに洗濯ネットに入れる事を繰り返していれば、洗濯ネットに入る事すら拒否するようになります。

こうなってしまうと最早力づくで洗濯ネットに入れるしかありませんが、それはどちらの望む形でもありません。

そのため普段から洗濯ネットを猫に与えて置き、洗濯ネットが猫のおもちゃとなっている状態が理想的です。

洗濯ネットに自主的に入っていたら褒めてあげたり、お菓子を与えたりしましょう。

洗濯ネットが怖い所に連れて行かれるだけの物ではないと認識させる事ができれば、入れる事に手間取る事はありません。

病院に通う事が多く、体の小さな子猫の時にそれを教えてあげておくのが後々を考えると良いでしょう。

洗濯ネット嫌いをスマートに入れる方法

既に洗濯ネットに恐怖を抱いていたり、家に来た時から成人していたりする猫の場合は、どうしても中々洗濯ネットには入ってくれません。

その猫を上手に洗濯ネットに入れる方法は、ダンボールを利用する方法で可能です。

まず猫がちょうど入る大きさのダンボールを用意し、その中にあらかじめ洗濯ネットをセットしておきます。

セットした洗濯ネットのチャックを1/3ほど締め、締めた方に頭を入れる形で猫を投入します。

スポーツ万能な猫ですが、後ろに瞬時に飛びあがる事はできません。

そのため頭の方が締まっている状態で入れられると、方向転換をしてジャンプする必要があります。

その隙にチャックをしてしまえば洗濯ネット嫌いの猫もスマートに入れる事ができます。

ダンボールを例に出しましたが、洗濯ネットがセットできる箱であれば、何でも大丈夫です。

洗濯ネットを利用するメリット

洗濯ネットを利用するメリットはなんと言っても価格を安く抑えられる事です。

ペットキャリーですと、安くても数千円~以上しますが、洗濯ネットなら数百円でいくつも買う事ができます。

ペットキャリーは動物を安全に運ぶための物ですので、かなり堅牢に作られています。

そのため良くも悪くもかさばるデザインで置き場所に困る事があります。

最近では折りたためたり、普通のバッグとしても使用できたりするペットキャリーも登場していますが、そういった物は堅牢の面で不安があり、ペットキャリーとして本末転倒な側面があります。

ところが洗濯ネットなら置き場に困る事はまずありません。

確かに堅さはありませんので衝撃を防ぐ事はできませんが、強度の面では洗濯機の中でどれだけ回転させられようと、破れず、チャックが緩む事もありませんので、安いペットキャリーよりはしっかりしていると見て間違いないでしょう。

洗濯ネットを利用する注意点

一見万能に見える洗濯ネットですが、洗濯ネットは洗濯に使う物ですので、猫の移動に使う際にはどうしても注意しなければいけない点があります。

それが、落下による外傷です。

猫は本来どんな高さから落ちても大丈夫な運動神経の持ち主ですが、それは四肢がしっかりしている状態の話で、身動きが取れない洗濯ネットの中では発揮する事ができません。

そのため普段の猫から考えられない事に、人の手の高さから滑り落ちただけで、骨折や死に繋がる外傷を負ってしまいます。

洗濯ネットに入れるのは、車利用の病院への行き帰りだけにし、それ以外の交通手段を使ったり、長距離を移動しなければいけない場合はしっかりとしたペットキャリーをご利用ください。

使いやすくコストも抑えられる洗濯ネットを使ってみよう

猫を洗濯ネットに入れて移動させる方法は、一見かわいそうと思うかも知れませんが、実は獣医さん推奨の方法です。

デザインを考慮しないかぎり、猫の移動は洗濯ネットで十分です。

ただし、上述したように洗濯ネットは洗濯用品です。

決して万能ではない事だけは肝に銘じておいてください。