猫にも人間のように歯のお手入れ、歯磨きが必要です。
しかし、問題なのは歯磨きを嫌がる猫が多いことです。
そこで今回は上手な歯の磨き方や頻度をご紹介します。
口や歯を触ることに慣れてもらう
いきなり歯ブラシで磨くのではなく、口や歯に触れることから始めてみましょう。
突然歯ブラシを口に入れられたら猫が驚いてしまいます。
そこから嫌なイメージを持つと毎回抵抗することに、それでは今後困りますよね。
まずはコミュニケーションの一環として、口周りを触るトレーニングから始めるようにしましょう。
猫は顎の下を触られるのが好きなので、そこから触って口周りにも手を伸ばしていきます。
口周りを触られても猫が嫌がっていないようなら、次は歯を触ってください。
奥歯から触られると驚くので、手前の切歯から触れて猫が慣れてきたら臼歯(奥歯)にも触ってみましょう。
口や歯を触られても抵抗しないようなら、歯磨きも上手くこなせるはずです。
成猫になってからでは歯も鋭いですし嫌がるので、子猫のうちから慣れてもらうようにしましょう。
生後6か月頃、永久歯が生え揃うまでが目安です。
最初はガーゼや歯磨きシートを使う
口や歯に触られることに抵抗を感じない猫にでも、いきなり歯ブラシを使うのはNGです。
ガーゼや歯磨きシートを使って、歯の表面を優しく撫でることから始めましょう。
ガーゼやシートには猫が喜ぶペースト状のエサや味付きの猫用歯磨き粉をつけておくと、すんなり口に入れてくれるはずです。
歯磨きには美味しい味が付いていると覚えると、今後も嫌がらなくなります。
しかし、ガーゼやシートでは歯の表面しか磨けないため、完璧な歯磨きとは言えません。
猫の歯周病対策として一番重要なのは、歯と歯茎の間に溜まった歯垢を取り除くことです。
いずれはブラシを使うことも忘れないでください。
歯ブラシは力を入れずに優しく動かす
ゴシゴシと力を入れて歯を磨くと歯茎を傷つけてしまいます。
45度の角度で歯にブラシを当てて、横に小刻みに動かしながら磨いていきましょう。
ブラシで歯垢をかき出すイメージが正解です。
歯ブラシは柔らかくて小さいサイズの物を使用してください。
猫専用の物がベストです。
歯石ができやすい上顎の臼歯(奥歯)は念入りに磨いてください。
猫の歯は3ブロックで構成されているので(切歯・犬歯・臼歯)、バラバラに飛びながら磨くのではなく、1ブロックずつまとめて片付けていった方が磨き残しをせずに済みます。
それぞれの歯を全て磨けたら歯磨き完了です。
猫が歯磨きを嫌がる場合の対処法
最初に猫が暴れて怪我をしないように、しっかり体を固定させましょう。
猫は膝の上に座らせて、背中を人間のお腹とくっつけて固定させます。
そのまま頭を左手(利き手ではないほう)で鷲掴みにして、上唇を親指で開いて優しく磨いてあげましょう。
最初は臼歯だけでも構いません。
徐々に慣れてもらうことが大切です。
猫が歯ブラシをどうしても嫌がるようなら、ブラシにペーストフードをつけて舐めさせることから始めます。
歯ブラシの嫌なイメージをエサの味でカバーさせましょう。
味付きの歯磨き粉も猫の好む美味しい味がするのでオススメです。
すすぎが要らない歯磨き粉なら簡単で便利ですよ。
ただし、人間用の歯磨き粉やデンタル製品は使わないことが大切です。
よく配合されているミント成分は、マタタビと同じ作用を持っているため危険です。
他の製品も当然猫の体には悪影響になります。
猫に必要な歯磨きの頻度
1日1回磨いてあげるのが理想です。
しかし歯磨きを嫌がる猫もいますし、毎日となると飼い主さんの負担も大きいことでしょう。
そういう方は週2~3回を目標に頑張ってください。
口内の歯垢が歯石に変わるまで大体1週間かかりますので、週2回からでもきちんとした歯周病予防にはなります。
猫の歯磨きは時間を掛けることよりも、丁寧にお掃除してあげることの方がずっと大切です。
回数が少ない分隅々までキレイにしてあげましょう。
歯垢を付きにくくするための口腔内ケアグッズを歯磨きと兼用するのもオススメです。
スプレーやデンタルジェルなどがあります。
ただし、補助という役割でしかないので、これらを使えば歯磨きをしなくて良い、というわけではありません。
ブラッシング効果のある猫用のおやつや補助食品も売っていますよ。
猫に歯磨きをしよう
猫にも定期的な歯のお手入れが必要です。
歯周病から他の病気を併発させることもあるので、口内を清潔に保ってあげるようにしましょう。
歯磨きを嫌がられないためには、幼いうちからトレーニングしておくのが一番です。
最初は手で触る、次はガーゼやシートで磨く、最後はブラシという順番で進めていくと良いですよ。
嫌がる時は体をしっかり固定して、エサや味付きの歯磨き粉などを使って工夫しましょう。